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柊君へ  作者: Taさん
第三章
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日暮さん ~4~

ちょっと重い女子の日暮さんのお話です・・・

告白を受けて、一週間の試しに付き合うことになって、

私は初めて連絡先を交換するのだが、

その日のうちに、電話がかかってくるし、メールが届く。


電話はシェアハウスにいる時は出れないからと伝えて、

メールにして欲しいと伝えると、数分おきにメールが来るしまつだ。


・・・私の中で北谷君のどんどん嫌な点だけが見つかっていくんだけどな・・・


その後は、一緒に授業を終えると帰ることになったのだが、

私があまり人に見られたくなくて、一応正門での待ち合わせにした。


ただ、ここでも誤算がある・・・


授業を終えて、私が少し遅れて、正門に向かうのだが、



「日暮ちゃ~~~ん!!」


大声で叫んでこっちに向かって手を振ってくるのである!

みんなが一斉に私の方へと当然視線を向けて来たのは

言うまでもない・・・



「本当に止めて!」


北谷君のもとに慌てて駆け寄って行って、

止めてもらうようにしたのであった。



「いやぁ~、何だか嬉しくってさ!」


とはいうのだけど、こっちは全然嬉しくないんだけど・・・


あなたの土下座のせいで試しに付き合ってあげてるんだけど。

それと・・・


これが柊君に伝わればいいと思って、

北谷君と付き合ったのである。


北谷君は柊君と同じグループの人間だ。

それにこのおしゃべりな北谷君なら、きっと柊君に告げるはずだ。


その時に柊君が私が別な男と付き合っていることに

嫉妬をして欲しいから北谷君と付き合ってあげているのである。


それがなければだれがこんな男と付き合うか・・・


一緒に帰るとはいえ、まともに会話もできない。

関西人の北谷君は、会話をすると必ずオチを求めてくるのである。



「え?日暮ちゃん、オチはないん?」


・・・私は思わず絶句する・・・


そもそも気になるのは“ちゃん”呼びだ。


何で、試しに付き合っているだけなのに

“ちゃん”呼びされなくてはいけないんだろうか?

それと“オチ”なんて普通の会話ではないから!!



「関西人にはなれへんで。」


そう言って、笑う北谷君だが、

そんな彼を見て本当にないなっと確信するのであった。


北谷君と試しに付き合ったせいで、

私の中での関西人に対して、嫌悪感をいだくようになったのであった。


一応、3日程、家まで送ってもらったのだが、

当然、手をつなぐなんてことはない!


キスなんてもってのほかだ!!


・・・・それなのに、しようとする北谷君に本当に虫唾が走るのである・・・


そして、試しに付き合いだして四日目のことである。

図書館で勉強をしていると、



「お疲れさま。」


そう言って柊君が話しかけて来たのである。



「おつかれー。」


そう言って顔を上げて、柊君を見ると、



「それ今日出された宿題?」


「そう、早めにしておこうかと思ってね。」


「すごいねぇ~。俺は、まだ手も付けてないけど。」


「そりゃ~、今日出たばっかりだしね。」


そんなたわいもない会話をしているのだが、

私が柊君と会って、話として出て来て欲しい言葉は一向に出てくることはない。



“北谷君と付き合ってるんだって?”


その言葉を発してくれないことに少しイラつきを覚えてしまう。


どうして気にならないんだろうか?


すぐに聞いてくれてもいいんじゃないだろうか?


そんなことを思いながら、柊君と話すのだが、

会話が終わろうとするのにそれでも出てこないため、

私は我慢できずに思わず柊君に逆に尋ねてしまうのであった。



「私・・・北谷君と付き合いだしたんだよ。」


そう言い難かったけど、柊君に告げると

柊君は驚いたような顔をしている。


・・・あれ?


もしかして北谷君はそのことを告げていなかったのだろうか?

・・・周りに伝えてもいいよって言ったから、

てっきり伝えていると思っていたのに・・・



「知らなかったね~。」


そう言いながら、本当に驚いたような顔をする柊君に、

ちょっと北谷君に対してイラつきを覚えるのは言うまでもない。


普通、友達に言うものじゃないの?


もしかして私と付き合っていることが恥ずかしいとか思ってるんじゃないの?


何か、そんなことを考えだすとイライラが募ってくる。


そんな状況であるのに、私の逆鱗に触れる言葉をかけてくる・・・



「そっか・・・頑張ってね。」


その言葉を聞いた瞬間に私の苛立ちがはじけるのであった!


そんな言葉なんていらいない!!


北谷君に対して嫉妬してほしいの!


私と付き合うことになった北谷君に嫉妬してほしいの!!


もっと悲壮感に打ちひしがられて欲しいの!!


私と付き合えないことに絶望してほしいの!!


私に対して恋焦がれて欲しいのに、そんな言葉何っていらいない!!


私はすぐに荷物をまとめて、急いでその場を駆けだしていくのであった。


後ろからは柊君が何かを言っているのだが、

そんな言葉で足を止めることなく私は駆けだすのであった。


その日は北谷君と一緒に帰ることなく、私は1人家で泣いていた。


どうして、私に駆け寄ってきてくれなかったのだろうか?


何で頑張ってなんて言葉を私にかけてきたのだろうか?


そうじゃない!そうじゃないでしょう!!


・・・結局、次の日には北谷君とはお別れすることにした。


彼といても全く楽しくない。


むしろ傷つけられことしかなかったのであった・・・


その後、柊君からは謝罪と北谷君と別れたことを聞いて、

励ましてくれたので、まあ、許してあげたけど・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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