関さん ~2~
別々の大学に行くと、彼女が可愛いと不安ですね・・・。
そんな可愛い関さんのお話です。
大学で私はバイトも部活も何もしていない。
理由は簡単だ・・・
彼がバイトも部活もするなっと言ってきたからだ。
それを忠実に守った私。
クラスでお疲れ様会とかが開催されても、
参加の有無は彼氏に聞いて決めていた。
「俺と一緒にいればいいだろう!」
彼から返ってくる言葉に従って、クラス会や友達からのお誘いは
すべて断っていたのだが、
両親が・・・特に母が宝塚が好きで半年に一度うちに来て、
一緒に観に行くのは断ることもできずに行っていた。
一回目はそれでも許してくれた。
二回目になると・・・殴られたけど、最後は行っていいことになったのだ・・・。
そして夏休み前に母から連絡があって、本当に困ってしまう。
母と一緒に行きたいけど・・・
きっと彼は怒るだろう・・・
また殴られてしまうのだから・・・
それを考えただけで怯えてしまうのだ。
その日は、家に帰るまでの足取りが重くなってしまって、
食堂傍にあるベンチで休んでいたのだ。
「帰るの嫌だな・・・・。」
そんな独り言をつぶやいた時である。
「何で帰るのがいやなんだよ?」
そう言って、いつの間にか私の後ろに柊君がいたのである!?
「な!?ど、どうして!?」
「?だって、ここ学校だよ?俺は今から、部活があるから、
先にご飯を食べていこうと思ってね。」
そう言いながら食堂を指さす柊君。
そっか、部活をやっている人達って、夕飯を食堂で食べるんだ・・・
そんなことを頭の中に浮かべた瞬間だった!
・・・私・・・・そんなことも知らないんだね・・・
そう思った瞬間に涙が流れてくるのであった。
「ど、どうした!?」
動揺した柊君の声が聞こえてくるのだが、
自分でも止めることが出来ないのであった・・・
どのくらいの時間が経過しただろうか・・・
すでに日が沈もうとして、空がオレンジ色に染まっていた・・・
気がつけば手に持っていたハンカチは濡れてしまっていて、
こんなに泣いていたのかと驚かされてしまう。
「どう?少しはスッキリした?」
「え?」
そんな声が聞こえて来たことに驚いて後ろを振り向こうとすると
「きゃ!?」
思わず悲鳴を上げてしまう!
振り向いた先には冷たいペットボトルがあって、
それが頬に当たったのである!
「はい、どうぞ。」
「え?ど、どうして・・・。」
「とりあえず水分獲りなよ。そしたら答えるからさ。」
そう言って、柊君から差し出された午後の紅茶のペットボトルを飲むと、
その甘さがものすごくしみわたってきた・・・
そして、自分の中に何かが満たされていくような気分になっていくのだ・・・
そして心が満たされると同時に私の口は滑らかに
柊君に話しだす・・・それは止めることが出来ないように漏れ出したのだ・・・
「・・・ごめんね。」
今は柊君と共に私の家に向かってもらっている。
あの後、私は自分が抱えていたのものを柊君にすべて吐き出していた。
それをジッと聞いてくれていた柊君。
「いいや。気にしなくていいよ。」
そう言って、私を家まで送ってくれている。
・・・というか、たぶんこの後起きることを予測しているのだろう・・・
私が柊君とベンチで話している間に、
私のスマホには何十件という着信履歴があった。
それは・・・
彼氏からの着信である。
そして、数えきれないほどのメッセージも届いていた・・・
これで私これから起きることはすぐに理解できるだろう・・・
それを見た柊君が私を送ってくれることになったのだ。
部活を休ませてしまって・・・
「お、お前!!!」
いきなりその罵声が後ろから聞こえてくると同時に私の体は震えてしまう。
その声が誰が発したのかは顔を見なくても分かる・・・
体が完全に拒否反応を示しており、震えてしまっていて、
後ろを振り返ることなって出来なかった・・・
「誰だよ!その男は!!」
私達が何も言っていないのに、彼は大声で叫んでくる。
その声には明らかに怒気を含んでいたのである!
ますます私が震えてしまっていると、
そこに私を包み込むような優しい手が差し伸べられるのであった・・・
「て、手前!!何してんだよ!!」
その怒声に、柊君が、
「少し黙れよ。」
小さいがハッキリと聞こえる声で彼に告げる。
「な、なんだと!!?」
そう反論しようとした彼の声は、先ほどまでとはうってかわって小さな声へと変わる。
私は柊君の腕に、胸の中にいて何が起きているのかは分からないが、
彼が柊君に怯えているように思えてきた。
そんな私に柊君は優しく尋ねてくれる。
「関さん・・・彼氏とどうしたい?」
それは私への問いかけだ。
思わず顔を上げて柊君の顔を見ると、柊君は微笑んでいた。
空気は殺伐としているのに、更には彼が怒声を大声で上げていたせいか、
周りからは何事かと近所の住民が出てきているような声が聞こえて来たのである。
そんな中にいるのに、柊君の笑顔を見ると私は・・・落ち着いていた・・・。
そしてその笑顔を見て・・・私は・・・また泣き出してしまうのであった・・・
ホッとした気持ち・・・
そして・・・助けてもらいたい気持ち・・・
「彼とは・・・別れたい・・・。」
それが私の答えである。
どうして私がこんなにつらい目に合わなければならなかたのか、
どうして私はこんなに我慢しなければならなかったのか・・・
これ以上、彼とは一緒にいれない・・・
それが私の出した答えであった・・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです




