武田さん ~9~
イジメられっ子だった武田さんのお話です!
「も、もしもし。」
何度か柊君からの呼びかけに対して、
やっと心が落ち着いたので電話に出ることができた。
「あ、武田さん?大丈夫?」
「・・・え?」
「体調が悪いんだろう?」
そう言えば、関さんにはそう伝えるって話をしていたな・・・
そのことを思い出して、罪悪感を感じる
この電話は私を心配してかけてくれたんだから・・・
そして、私はまた嫉妬を感じてしまう
この電話が来たってことは、柊君が関さんと2人で
食事に行っていたことを思い抱させれるのだから!
ぐるぐると私の中での堂々巡りが始まっている中で、
「体調はどう?」
「・・・少しは良くなってきたかな。
ごめんね心配かけてしまって・・・。」
「いやいや、気にせんで。無事な声が聞けて良かったよ。」
その言葉に私の心が大きく動揺するのだがよくわかる。
嬉しい・・・
率直な言葉だ。
だって、たかだが、体調が悪いと言って食事に行かなかっただけなのに
それで心配してくれるなんて・・・。
今、柊君の声を聞けるだけで私はすごく嬉しくなってしまうのだ・・・
ただ・・・
一抹の不安もある・・・
間違いなく関さんは柊君に告白をしただろうけど、
その後、どうなったのかが・・・
もし関さんの告白を受けたらなら、柊君はどうするのだろうか・・・
いや、どうしたのだろうか・・・
・・・OKしたの?
それとも断った?
喉まで出てくる言葉を必死に抑えこむ私。
この言葉を言ってしまうと、わざと私が欠席したことがバレてしまう!
だからそんなことは言えない。
だけど・・・気になってしまう・・・
柊君との会話に必死に耳を傾けて、
断片的な情報でもないかと思ってしまうのだが、
柊君からかけられる言葉は私を心配してくれるだけの言葉である。
自分の心が凄く狭く感じるし、醜く感じてしまう・・・
こんなに心配してくれているのに、私は・・・
結局最後まで関さんのことには触れることはなく、
「来週の集中講義も出るの?」
「うん、出るつもりだよ。」
「そっか!じゃあ、また来週も宜しくね。」
「うん・・・。」
「体調はしっかり土日休んで治してよ。」
「うん・・・。」
「じゃあね。」
「うん、お休み。」
そう言って、通話を切る。
本当に純粋に心配してくれた柊君・・・
その時、スマホの画面にはSNSのメッセージが着ている通知がある!
私はそのメッセージを観ると・・・
“フラれちゃった”
それは関さんからであり、どうやらフラれたことを教えてくれたのだ。
何度か私に電話をくれたようであるが、
私が電話をしていたため電話に出れなかったようだ。
私はすぐに関さん電話を掛ける。
「もしもし?」
関さんはすぐに私の電話に出てくれるのだが、
その声は思っていた以上に明るいモノであった。
もっと落ち込んでいるものだと思っていたのに・・・
声も明るく、だけど、どこかやっぱり暗い影はあるのだけど・・・
「大丈夫?」
「うん。大丈夫・・・。」
「そっか・・・。」
「だけど、フラれちゃったんだけどね。」
電話越しに苦笑しているのが分かる。
その言葉に私が何て言葉をかけていいのかがわからなかったのだが、
「だけど、後悔はしてないんだぁ~!」
「え?」
「だって、柊君は私に対して、
“そんな目で見てなかった”
って言ったんだけど、これで私を意識して
異性として見てくれるようになるでしょう?
それだけでも一歩・・・いや、二歩も三歩も前進かな~って思えたの。」
「そ、そうなんだ・・・。」
「うん!元々脈はないと思っていたから、覚悟はできていたしね。」
「・・・。」
「まあ、だけどフラれるとやっぱりショックは受けるよね・・・。」
「関さん・・・。」
「・・・大丈夫だよ!大丈夫!きっと大丈夫だから!」
その大丈夫は私に言っているのか、それとも自分に言い聞かせているのか・・・
「はぁ~・・・結構みんな柊君にフラれているって話だけど、
そんなに柊君の彼女さんって素敵な人なのかな?」
「え?」
「だって、私の知っている人達だけでもかなり可愛い人ばかりなのに
その人たちを普通にフッてるって話じゃない?
だから、その彼女がどんなにすごい人なのかってのが気になってくるのよねぇ~。」
「・・・すごいステキな人だったよ。」
「え!?見たことあるの?」
「うん、話したこともあるけど・・・。
全然私じゃ太刀打ちできる人ではないな~って感じの人。」
「むむむ!なんか・・・できる人なの?」
「うぅ~んとね・・・。
できるという人というか、ものすごく優しい人かな。
物腰柔らかなお姉さんって感じの人だよ。」
「・・・そっち系が柊君の好みなのかぁ~・・・。」
「そっち系?」
「お姉さん系ってこと!ううう・・・確かに私にお姉さん要素はないなぁ~・・・。
どっちかっていうと甘えるタイプだもんな~。」
何だか、関さんにもいつもの元気が出てきたような気がする。
その後の会話はあーでもない、こうでもないと言い合っているうちに
一時間以上が経過していたのである!
「うわぁ~ごめんね武田ちゃん。こんなにいっぱい話してしまって!」
「いいのいいの。関さんが元気になってくれればさ。」
「おかげさまで元気が出てきました。
これでさっき柊君に宣戦布告してきたのを実行できそうだし!」
「宣戦布告?」
「そう!絶対に私に振り向かせて見せるって言ってきたの!」
「あはははは、すごいねぇ~関さん。」
「だって、まだまだこれから大学生活は2年以上あるもん!
だから、きっとその間に柊君の気持ちが揺らがせるチャンスがあると思ってさ。」
「そっか~。」
「ああ!武田ちゃんもできるって思ってないなぁ~!
絶対に柊君を振り向かせて見せるからね!!」
「うん、頑張ってね。」
こんなことを言いながら、電話を切る私達だった。
ちなみにだが、次の週から、少し関さんの服装に変化があり、
更には学部・・・いや、学校全体で少し服装がいつもと違うタイプの人が
数十人見かけられたのは、まあ・・・そう言う意味だろうね・・・。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです




