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柊君へ  作者: Taさん
第三章
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武田さん ~6~

イジメられっ子だった武田さんのお話です!

「カッコよかったね~、柊君って。」


関さんと一緒に授業を受けていると関さんが私にそんなことを言ってくる。

それも先生の話は上の空で、なぜか目を輝かしているように見える・・・・



「そうかな?」


「ええ!?見えなかった!?

 ううう・・・せっかく柊君があんなに頑張ってくれたのに、

 武田さんには伝わらず~・・・。

 柊君のショックだね。」


そう言いながら苦笑する関さんだけど、



「それに私がどうこう言う必要はなくないかな?

 柊君って・・・彼女がいるでしょう・・・。」


「だけど、他校だよ?

 それにいつまで続くかは分からないんだしさ。

 武田さんなら、同じ大学の同じ学部なんだから、

 ずっと一緒に入れるんだよ?チャンスだと思うけどな~。」


「そう言われても・・・好きな人はいないし・・・。」


そう言いながら、自分の中では柊君を好きなことは理解していた・・・

それを言葉にする勇気がないだけで・・・



「そうなの?ええ!?もったいない!!

 私だったら、柊君のこと好きになっちゃうよ~・・・。

 というか、実際、ちょっと好きになっちゃってるし。」


舌を出しながら、そんなことを言ってくる関さん!

私は思わず目を見開いて驚いてしまうのだ!



「え?だけど、彼氏は?」


「いるけど・・・。

 まあ、今はまだ本気の好きじゃないしね。

 今はまだ気になる程度の存在だよ。

 これが本気の好きになったら、彼氏がいても告白しちゃうなぁ~。」


苦笑しながらそんなことを言ってくるのである!

思わず絶句をしていると、



「武田さんも柊君が近くにいるからって油断していると

 横からかっさらっていかれちゃうから気をつけなよ。」


「かっさらうって!?」


「それはそうだよぉ~。

 うちらの学部では結構柊君のこといいなぁ~って言っている人いるよ?

 それも一人や二人じゃないしさ!

 まずは坪倉さんなんかも柊君にこころを奪われている感じじゃない?」


「ええ!?」


思わず驚いてしまう。それもそのはずで、だって・・・



「坪倉さんって彼氏いたんじゃないの?」


「いるみたいだけど、絶対にこの間のことで、心を動かされてると思うよ。

 アレが自分だったらっと思うと、キュンときちゃうもん!」


「そ、そうなのかな?」


「ええ!?武内さんには全然来なかったの!?」


驚く関さんに対して、来なかったと告げるのだが、

正直心の中ではものすごく来ていた!


だって、自分をいじめていた相手から守ってくれたんだよ!

それで来ない方がおかしいよ!


・・・だけど、このことは絶対に言えないなぁ~・・・


正直言えば、伝えたいという思いはあるけど、

それ以上に彼女がいるということで歯止めが私の中ではかかっていた。


そもそも私が柊君の彼女の立場にあったら、

きっと良い気持ちはしないだろうから・・・


というか、そんなに柊君ってモテるんだな・・・・


そんなことを考えながら柊君のことを思い出していた。


・・・というか、すでに学部内では柊君の隠し撮り写真が出回っており、

私も関さんから貰っている。

それをコッソリと見ながら、先日の出来事を思い出す。


私からしたら恐怖の根源しかない谷川さん相手に

一歩も引くことなく、話す柊君はすごかった!

それも・・・


私のためというのが本当に嬉しかった・・・


谷川さんにとっては悪夢からもしれないな・・・


何と言っても柊君とは同じクラスなのだから、

どうしても毎日顔を合わせることになる。


それも柊君のことだから、何の気なしに挨拶とかして、

谷川さんは混乱するんだろうね~。

そんなことを考えるだけで苦笑してしまう。


ふと気がつくと関さんがこっちを見て、ニヤニヤしているので

慌てて、スマホをしまって関さんを見るのだが、



「今・・・柊君の写真を見てたんじゃないの?」


「そ、そんなこと・・・。」


「いいって!別に気持ちはわかるもん!

 あれだけされたんだしねぇ~。」


うんうんとうなづく関さんだったが、



「ただまあ、柊君には彼女がいるからね~。

 そこが大きなマイナスポイントだね。」


「マイナスって・・・。」


「マイナスポイントでしょう!

 それがなかったら、きっとみんなが柊君を狙っていると思うわよ。」


「そ、そっかな・・・。」


「っていうか、すでに噂で聞いたんだけど、

 文系の学部の子で、すでに柊君に告白した子がいるって聞いたんだけど

 ホントかな?」


「ええ!?」


関さんの言葉に思わず驚いてしまう!

だって、私達が入学してまだ1週間も経過していないのだ!


それなのに告白しているなんって・・・


いったい誰なんだろうか・・・



「うかうかしていると、新しい彼女が柊君に出来ちゃうかもね。」


「ふぇ!?」


思わず漏れた声は、小声には出来ておらず

みんなに聞こえる声で漏れてしまったため

みんなからの視線が一斉に注がれて、委縮してしまうのであった。



「もう!関さんが変なこというから!」


「ごめんごめん!」


そう言いながら授業へと顔を向ける私と関さんであったが、

私の心の中は荒れていて全然集中は出来ていなかった・・・


そっか・・・


告白した人がいるんだなぁ~・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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