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柊君へ  作者: Taさん
第三章
138/254

岩崎さん ~10~

ザ・関西人の岩崎さんの話です!

「どう?岩崎ちゃん。うちに就職する気はないかな?」


「・・・考えさせてください。」


・・・はぁ~どうしようかな・・・


当然、私の中では大学院に進むつもりでいたし、

すでに試験勉強を始めていた。


まったく頭の中には就職ということは考えていなかったのだ。

それがいざ、バイト先の教室長に声をかけられたことで迷ってしまうのだった・・・。


世間的には通っている大学を考えれば、

家庭教師の事務員になるなんて選択肢はないだろうな・・・


みんなが一流どころの企業に就職するし、

そもそもうちの研究室にいれば、企業の方から声をかけに来てくれる。


なので、終活らしい終活をする必要はないよな・・・


ここで家庭教師の仕事をするって・・・


迷いに迷うところだなぁ~・・・。



「で、何を迷ってるんですか?」


困った時には私の可愛い後輩である柊君がいる!


ということで、学校近くの飲み屋に呼んで話を聞いてもらうことにしたのだ!!



「ええ!?今話をしたやん!?ちゃんと聞いててん?」


「聞いたのは家庭教師の教室長に就職しないかって言われたんでしょう?

 それと大学院に行くかどうかですよね?」


「ちゃんと聞いてるやん!!ならどうして迷ってるかわかるやんか!!」


「・・・岩崎さんはどうしたいんですか?」


「え?」


「就職したいのか、大学院に行きたいのか?」


「それが分かんなくてって考えてんねん・・・。

 どうしようかな~。」


「まずは大学院へはどうしていきたかったんですか?」


「え?だって、そういうもんやない?」


「まあ、みんなが行くから?」


「そうやねん!やっぱり周りみんなが行くんなら、やっぱ行くべきやろう!」


「?別に周りに合わせなくてもいいでしょう?」


「・・・え?」


「別に岩崎さんが行きたくないなら、就職を選択してもいいと思いますよ。」


「・・・。」


そう言って、柊君は頼んでいた刺身を摘まんで

「おいしい!」と満面な笑みを浮かべる。


それを見ている私はたぶん笑みなんって浮かべてはいないだろう。

確かに柊君の言う通りで、私はなんとなく大学院に行くものだと思っていた。


だから、柊君から行きたくないのなら行かなくていいでしょうと言われると

確かにその通りだと納得してしまうのであった・・・。



「だけど、研究室の方針では大学院までで検討してんねん・・。」


「ああ、そういう研究室もありますよね~。

 それだと大学院に行く方を選ぶべきでしょう。」


「・・・やっぱりそうやねんな・・・。」


「ちなみに家庭教師の方をどうして迷ったんですか?」


「・・・面白いから・・・。」


「面白い?」


「せやねん。やっぱり生徒にとっても先生にとってもあう合わんってあんねん。

 まあ、柊君からのクレームは来たことあらへんけどね。

 他の先生からは結構くんねんで?

 生徒の方もせやけど、多いいのは親御さんからのクレームやねん!

 成績があがんないとか言ってくるねんけどね・・・。

 まあ、本当に優しいものやないねんけど

 うまくいった時の達成感は半端ないねんな!!

 親御さんはもちろん生徒が一番嬉しそうに言ってくれるんよ!

 それを見るとやっぱりこう仕事をやっていて良かったと思うねん。」


「・・・すでに家庭教師の仕事に就いてるみたいじゃないですか・・・。」


「あははは!なぁ~!けど、そうやと思うねん!

 だから、やりがいがあんねんやから、やってもって思ってんねんな~・・・。」


「・・・じゃあ、二ついっぺんにやったらいいんじゃないんですか?」


「・・・そんなでんきんやろ?」


「別に出来ないことはないでしょう?

 だって、社会人大学院生っていますしね。

 それに今だって、朝から昼まで研究室にいて、昼から仕事に行って、

 また夜に戻ってきてるでしょう?」


「せやけど~・・・。」


「まあ、判断するのは、その教室長と研究室の教授がどう判断するかじゃないですか?」


「・・・。」


「まあ、ダメもとで相談してみたらいいじゃないですか。」


「・・・絶対に他人事だと思ってるでしょう?」


「ええ。」


私ながら答える柊君のほっぺを摘まみながら、

軽く睨む!!


・・・まったくこいつは・・・


他人事だと思って・・・


この時は、こんな風に思っていたのだが、

次の日に事態は、謀らずとも柊君の喋った通りに進展していく。


なんと、教室長の方から提案で、



「伊藤さんが行きたいなら、大学院に行きながら、こっちの仕事をしてもいいよ。

 まあ、基本的には今と状況がまったく変わらないけど、

 給料は、伊藤さんに渡る状況になって、伊藤さんにもメリットあると思うよ。」


「いいんですか!?」


「うん。別に今と変わらないしね~。

 こっちとしては現状で伊藤さんがいないと素直に仕事が回らないから

 お願いしたかったから、もし大学院に行ってくれるなら、

 ここにすくなとくとも後2年はいるってことだからね~。

 まあ、執行猶予がつくし、その執行猶予の間に次の子を探すか

 2年後に伊藤さんが残ってくれれば万々歳って感じだから、

 こっちとしてはメリットがあるのよ~。」


「じゃあ、それでお願いします!!」


「うん。ただ、そっちの研究室の方は伊藤さんに調整をしてもらわないと困るけどね。」


「それは任せてください!」


私はすぐに教授へと相談するのだが、

まったく問題なく受け入れてくれることになった。


・・・まあ、実際に社会人ドクターもいるし、

全然研究室としては、人が減らないのであれば問題ないみたいです・・・。


物事は本当に難しいようで、一度溶け出すと勝手にピースが埋まっていくように

スムーズにいくな・・・


思わず大笑いをしてしまい、周りにいた人に白い目で見られたため

慌てて、その場を立ち去ってたのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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