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柊君へ  作者: Taさん
第三章
136/254

岩崎さん ~8~

ザ・関西人の岩崎さんの話です!

「どうして・・・。」


私の声はポスドクに届いたようで、ポスドクが私の声に応えてくれる。



「岩崎さん・・・あなたは完璧だった・・・。」


「・・・え?」


「今まで会った中で一番・・・いや、世界中の女性の中で完璧な女性だった。」


「・・・。」


「そして、その完璧な岩崎さんは僕にこそ相応しいかったんだ・・・。」


「・・・。」


すでに常軌を逸していることが分かる。

何を言っているんだ彼は・・・



「なのに・・・どうして彼を選んだんだ?」


「・・・彼?」


ポスドクの問いかけに逆に聞くのだが、誰を指しているのかは分かっていた。

ただ、無意識に反芻しただけだった。


彼と言ったのは、間違いなく柊君のことを指しているのだろう。


それ以外にはありえないと私は確信を持っていた。

そして案の定、ポスドクも



「そこの男だよ・・・。

 どうして・・・どうしてそんな名もない男を君は選んだんだ!!」


悲痛にもにた叫び声を上げるポスドク。


私は思わず柊君の背中へと逃げ隠れる。

その行動がまたポスドクの神経を逆なでしたようで、



「どうしてそんな男を選ぶんだ!!

 君には僕こそ相応しいだろう!!

 さぁ、そんな男から離れて僕の傍においで!!」


そういって、両手を広げるポスドクなのだが、

その場面になって、更にあることに気がついのである!



“両手”に包丁を持っていたのだ!!


右手左手に武器に包丁が輝いている・・・



「あいつの言うことに耳を貸す必要はないです。

 警察に電話をお願いします。」


そう柊君に言われて、ハッと思いだして電話をしようとするのだが、



「どうしてそんな男の言うことを聞くんだ!!

 何で僕の言葉を聞かないんだ!!」


大声で叫ぶポスドクに、畏怖を感じてしまい、

委縮してしまってうまくボタンが押せないでいた。



「その男に会って変わってしまった岩崎さん・・・。」


「・・・え?」


「それまでの君は儚げで、だけどハッキリとした華であった。」


「・・・。」


「だけど、そいつが現れてからはどうだ!!


 まったく違う、180度違う別人になったではないか!!!


 お笑いする岩崎さんなんって見たくない!!


 微笑みながらみんなの話を聞いてる岩崎さんが良いんだ!!


 なのに、その男といると大笑いをし!


 あまつさえ、その男を殴るなどという、

 蛮勇行動までするようになってしまったではないか!!!」


そっか・・・


彼は今まで作り上げてきた私が好きなんだ・・・


私の本心ではない、作られた私が好きなんだな・・・



「自分の理想と違うから、その包丁で刺そうとでもいうんですか?」


ここで柊君がポスドクに話かける。

ただし、その声はひどく冷たく、殺気が込められていた。



「違う!!お前みたいな男から、目覚めさせてやろうと思ったんだ!!

 お前がいるから、彼女は変えられてしまったんだ!!

 だから、そのお前が目の前でいなくなれば、彼女も元の自分に戻るんだ!!

 俺が好きだった本当の彼女にな!!」


「元の彼女?それはあなたが勝手に作り上げた岩崎さんだろう?」


「違う!!

 俺達の前にいた・・・ほんの数カ月前までいた彼女は全くの別人だ!!

 そのほんの数カ月前の彼女を取り戻すだけだ!!」


「今の岩崎さんは受け入れられないだけだろう?

 御大層なこと言うけど、自分の持っているイメージと違うからって

 殺すことまでかんがえるとはねぇ~。」


「お前がいうな!!

 お前さえいなければこんなことにはならなかったんだからな!!」


そう言って、こちらに向かって駆け出してくるポスドク!



「ヒィ!?」


思わずその光景を見て、私は短い悲鳴を上げてしまうのであった。

両手に包丁を持って、私達の方へ駆け寄ってくる光景が、

こんなに恐ろしいモノだなんて知らなかった!!


ポスドクがこちらに向かって駆け寄ってくる時から、

その動きがすべてスローモーションのようにことが進んでいった。


その光景はまるで映画のようであり・・・


近づいてきたポスドクに対して、

一瞬で距離を詰めた柊君!


次の瞬間、何をしたのかは分からないのだが、



「うぐぅ!!」


小さいうめき声をあげたかと思ったら、

ポスドクがいきなりその場にうずくまったのであった。


ただ、柊君はポスドクがうずくまる瞬間を見逃すこともなく、

両手に持っていた包丁を払いのけてしまう!


そして、私の方へと視線を向けたと同時に、



「通報してください!!」


そう言われて、やっとスローモーションの世界から

我に返った私は警察に通報するのであった。


すぐに警察につながり、すぐに派遣されることになった。


通報をしている間に、どこからともなく近所の人が出てきて、

私達の現状を見たら、男の人達は慌てて、私達2人に近づいてきて

包丁を回収したり、ポスドクを縛り付けるのを手伝ったりしてくれたのであった。


その後は、到着した警察にポスドクが引き取られるのであった・・・




「良かったですね、今日は俺が居て。」


「それはそうだけど・・・

 っていうか、ケガしてへん?大丈夫?」


「ええ、あれくらい平気です。」


「あれくらいって・・・だって、危うく命がなくなるところやってんで!?」


「まあ、ぼちぼちあんな経験はしてきたんで。」


そういて、ハニカム柊君は確かに可愛かったのだが、

その言葉と行動がまったくかみ合っていないように感じるのであった。



「そんな経験があるってどういうこと!?普通はないやろ・・・。」


「ははは・・・・。」


「いやいや、笑ってごまかされへんって!」


そう言って、柊君過去を根掘り葉掘り聞き出すのであった。


・・・思っていた以上にヘビーで、

本当に現実なこととは思えない話に若干引いてしまう。


もっとぼっちゃんぼっちゃんした生活を送ってきたと思っていたわ・・・


結構ひどい経験をしてきているのにこうやって笑顔で接してくれる柊君を

改めてすごい人なんだということを理解するのであった。


結局、ポスドクは学校を止めさせられた。


ただ、公にはしないことになり、知っているのは一部の人だけとなったのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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