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柊君へ  作者: Taさん
第三章
133/254

岩崎さん ~5~

ザ・関西人の岩崎さんの話です!

「へぇ~、意外ですね。」


「何が?」


「だって、岩崎さんのイメージでラーメン屋さんに

 連れていかれるとは思ってもみなかったものですから。」


「そう?まあ、工学部の同じ学科のメンバーだったら、

 どうしても男子だけだし、こんなお店がまずは選択肢の一番になるねんな~。」


「そう言えば工学部って女子いないんでしょう?」


「そんなことはないねんで。数人はいんねんで!

 だけど、うちの学部だとうちしかいないねん。」


「・・・それはそれは・・・。」


「いや、ご愁傷様ですとかはいらへんよ。」


「いや、ハーレムを形成しているんでしょうねって言おうかと・・・。」


「そっち!?し、失礼な。」


私は柊君の意見を否定するのだが、

確実に今のうちの研究室などは私をお姫様のように扱う人ばかりである。


同級生達はもちろんのこと、院生の先輩達、

果ては教授、准教授、助教、ポスドクに至るまで

私をお姫様のように扱っている・・・


いや、まあ、それが普通だと受けれいれてきたけど、

柊君に知られると何だか恥ずかしいわ・・・



「アッシー君とか、めっしー君とかいるんじゃないですか?」


「・・・何か言うこと古くない?ホントに18歳?」


「ピッチピチの18歳ですけど・・・何か?」


「・・・全然いきが良さそうやないねんな・・・。」


「水弾きますよ?」


「え?」


「誰かさんと違って、肌が水を弾きますけどね。」


「ちょ、ちょっとまってん!!

 うちの肌が弾かんっていうんかい!!

 そんなことあらへんわ!

 弾くわ!!」


「ホントですか?」


そういって、コップについていた水滴を指につけて、

私の手に載せてくる柊君。


・・・手が触れてる!?


一気に耳まで赤くなっていくのを感じるのは気のせいだろうか?

いや、実際に心臓が早鐘を打っているのだから、間違いないだろう・・・



「ほら!弾くやろ!!」


何とか意識をそっちに持っていて、柊君に勝ち誇った顔をする。

柊君にバレないように必死で!!



「・・・ざんねん・・・。」


「何て?この場合は失礼しましたって謝罪ちゃうんかな~?」


ニヤニヤしながら柊君を見ると、ちょっと不貞腐れた顔をしながらも、



「すいませんでしたー。」


「よろしい!で、ここのラーメン屋ねんけど、ちゃんぽんが美味しいねん!」


「・・・ラーメンは?」


「・・・9割9分の客がちゃんぽんを頼むねん!」


「だから、ラーメンは?」


「・・・食べてみたら?」


「味の感想をさっきから聞いてるんですけどね・・・。」


「さぁ、遠慮なく注文してや!」


私はちゃんぽんを、そして柊君もちゃんぽんを注文する。



「男の子やなのに意気地なしやなぁ~。」


「・・・じゃあ、次回はラーメンにしますよ。」


「いつ来る?予定空けておいてあげんで。」


「・・・開けてなくていいです!気が向いた時に来ますし!」


「今週やと木曜日とか・・・。」


「いや!人の話聞いてます?」


「聞いてる聞いてる。それで、来週やと・・・。」


「全然聞いてないし!!ちょっと、手帳を見なくていいですから!」


「ええ!?せっかく一緒に食べてあげようとおもったのにさ~。

 私が奢ってあげるなんて、めったにないねんで?」


「・・・あんまり岩崎さんとご飯食べてると刺されそうな気がするですけど・・・。」


「本望やろ?」


「まったく!嫌ですよ、そんなとばっちり!!」


「そんな照れへんでもええやんか!」


「聞いてます?僕の話?」


「あ、きたで!熱いうちにたべようや!」


「・・・はい・・・。」


こんなにはしゃいでる自分を人に見せたのは始めたかもしれない。

その後も・・・



「・・・何を僕の中に入れようと?」


「いや、酢が足りへんかなっておもって・・・。」


「・・・大丈夫です。間に合ってますから。」


ちぃ!コッソリと調味料入れようとしたのがバレるし!!

何で下見てご飯食べてんのに、気づくんだろうか・・・・



「ってか、ちゃんぽんだけやったら、お腹いっぱいにならへんのとちゃう?」


「いや、大丈夫ですよ。」


そこで私はあることに気づく。


絶対に柊君はちゃんぽんだけでは足りなかったはずなのに

それ以上頼まないことに・・・



「ねぇ、先輩におごってもらう時は一緒か安いモノにせなあかんの?」


その言葉に一瞬反応する柊君。

やっぱりか・・・


さっきから話ていて思ったのはしっかりと先輩後輩関係がしつけられていることだ。

やっぱりそこら辺は陸上部だったことが働いているんだろうね・・・。



「じゃあ、チャーハンと餃子頼むから、半分ずつしようか?」


「・・・ありがとうございます。」


「いいえ~♪」


やっぱり食べれるんだなぁ~。


なんか今までこういう気遣いをする子にあったことがなかったから、

結構新鮮だ!!


その後、頼んだチャーハンと餃子をぺろりと食べてしまう柊君。

やっぱり遠慮してたんだな~っと思うと笑えてくる。


こんだけふてぶてしい態度をとっていても

先輩後輩の上下関係は絶対に崩さないとは・・・・。



「じゃあ、来週の月曜日にここに来ようね。」


「え!?」


「柊君・・・うち・・・せ・ん・ぱ・い♪」


「・・・はい・・・。」


やっぱり言うこと聞いてくれんねんな~。



「そんなイヤイヤな態度とられるとめっちゃ凹むわ~。

 せっかくゴチソウするのにな~。」


「・・・全然、そんなことないですよ。」


「めっちゃ作り笑い下手やで~。

 いや~、柊君をいじれてうちは満足やわ!!」


こうして私は柊君との初めての食事を終えるのだが、

会計時には私の後ろにいて、払い終えた私に、



「ごちそうさまでした。」


そう深々とお辞儀をして、お礼を述べるのであった。

なんか面白いよ~この子!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです

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