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柊君へ  作者: Taさん
第三章
132/254

岩崎さん ~4~

ザ・関西人の岩崎さんの話です!

「・・・本気ですか?」


「ダメ?」


「いや・・・そちらがそれでいいならいいんですけど・・・。」


困惑した表情で私を見てくる柊君。


それもそうだろう!!


早速事務所に来てもらって、本登録をしてもらっているのだが、

そこに添付する顔写真を・・・・


チェキで撮ろうとしているのだから!!



「いいんやって!はよー!ちゃんとポーズ取ってや!

 こんなんで時間取ってたら、なかなか帰られへんで!」


「いやいや、証明写真でしょう!?何でポーズを取らないとダメなんですか!?」


「いちいち細かいこと言うねんな~。ちっちゃい男やで!!」


「ちっちゃくなんかないですから!!」


そう言いながらも、一応こちらの指示通りの姿勢をしてくれて、私がチェキを撮るのだが・・・



「あ!?」


「・・・どうしたんですか?」


「チェキはこれだめやってん!」


「・・・確信犯ですよね?」


「確信犯ですか何か?」


「そこは開き直っちゃ駄目でしょう!?じゃあ、無駄じゃないですか!?」


「無駄にはせんよ~!しゃあなしで私の席に飾っといてあげるわ。」


「・・・めっちゃ上から目線な気がするんですけど・・・。」


「四回生で、今年22歳ですけど?」


「・・・失礼しました岩崎先輩・・・。」


「よろしい!!」


「・・・何か、初めて会った時と比べて、

 ずいぶんキャラが変わってきた気がしますけど・・・。」


「そう?私はこれが地やねんけどな・・・。

 それに今、事務所に誰もいいへんしさ!」


「・・・それだと僕と岩崎さんは、男女なんで気をつけた方がいいですよ。」


「え!?もしかして柊君って襲っちゃう系?」


「何ですか襲っちゃう系って!?襲いません!

 だけど、岩崎さん可愛いんだから、気をつけた方がいいですよ。」


その言葉に心が跳ねる。


いつも言われ慣れている“可愛い”という言葉が、

柊君から言われるとこんなに照れ臭いモノだとは・・・。



「・・・おだてても何もでてきいへんよ?」


「別におだててませんよ。思った通りのことを言っただけです。」


「・・・好きになる?」


「なりません。」


「そないに断言せんでもいいんちゃう!!」


「だって、その性根が残念過ぎて・・・。」


「残念っていうなや!!」


こんな会話をずっとしていたせいか、普段だったら本登録に10分ほどで済むはずが、

30分以上かかってしまうのであった。


というか・・・この時間が終わらないようにしていた気がする・・・


普段は絶対に人前では見せないこの性格を

柊君の前では暴露してしまっていた。


それも全然、そんなことを気にもする様子もない柊君。


ああ・・・この子といると楽だわ・・・


一緒にいて、素の自分で過ごせるってこんなにも楽なんだな~・・・


まあ、最初のファーストコンタクトで今の学校生活の

自分の求められるポジションが決まってしまったのだは、

まさに自業自得とは思うけど・・・


それでも本来の自分は本当にみんなから求められる姿とは

程遠い位置にいるんだなぁ~と考えさせられた。


たかだか30分ほどの柊君と接しただけなのに

それを痛感させられるには十分な時間だった・・・


それが正直な感想であった。


今まで笑顔で愛想よく振りまいていればよかったのとは違い、

愛想を振り向いて見向きもしてない柊君。


むしろ自分の地の部分を見せても全く引かずに

そこをいじってくる柊君が面白いのだ!!


はぁ~久しぶりにこんな楽しい時間が過ごせたな・・・



「そう言えば、晩ごはんはどうするつもりんなん?」


「今日ですか?今から学校に戻って、それまで学食が開いてれば学食で、

 開いてなければ、家に帰ってカップラーメンですかね。」


「あれ?自炊してないん?」


「普段はしてるんですけどね、ここ数日は買い物に行く暇もなかったんで、

 冷蔵に何も入ってないんですよ。

 それに今から作るのもちょっとめんどくさいから手を抜こうかと・・・。」


そう言って舌を出す柊君が・・・意外と可愛いなこいつ・・・



「じゃあ、お姉さんが奢ってあげるよ。」


「いいんですか!?じゃあ、お肉で!」


「・・・急に厚かましくないかい?」


「じゃあ、お任せします!安くて美味しい店をお願いします!」


「・・・じゃあ、ちょっとだけ待ってて。

 一応今日の仕事は終わってるから、教室長に報告したら終わりなのよ。

 もうちょいしたら、教室長が戻って来るから、それからでかまわん?」


「了解しました。とりあえずここで待ってますんで!」


「ほな、ちょっと待っててや。」


そういって、私は1人柊君を教室に残して、

事務所へと戻っていくのであった。


その足取りは、思わずスキップしていたのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです

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