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柊君へ  作者: Taさん
第二章
128/254

坂井さん ~35~

さてさて・・・最終話です!

「はぁ~・・・。」


スパーン!!



「坂井、またため息ついてるよ!」


「いたぁ~い!!」


私は大学生になって、バスケットサークルに入った。

今日も昼からバスケの試合をしているのだが・・・



柊君と別れて丸一年。


結局この一年では柊君のことが頭から離れることはなく、

まあ、去年に比べてだいぶ緩和されたのだが・・・


それでもちょっとした時間で柊君のことを思い出してしまう。

いや、この時期だからかもしれない・・・


柊君はどこを受験したんだろうかな・・・


柊君の情報を意図的に排除している私にとっては知る由がなかった。



「はぁ~・・。」


思わず、またため息をついたたところで・・・


スパーン!!



「ちょっと!何度も頭を叩かないでよね!!

 頭が悪くなっちゃうじゃない!」


「もともと悪いだろうに・・・。」


「そ、それはそうだけどさ!!」


「また噂の柊君のことを考えていたの?」


「・・・。」


「もう諦めなよ。連絡もないんでしょう?

 自分の机の上に写真を飾ったり、スマホの待ち受けを柊君にしておくの止めたら?」


「・・・。」


「本当に忘れられないよ?」


「・・・分かってるわよ・。」


「・・・まあ、坂井の気持ちも分からないでもないけどね。

 今度、合コン行ってみる?坂井って一度も合コン参加したことないよね?」


「ない・・・。だけど・・・。」


「柊君に悪いって?だって、現実柊君はあんたのそばにいないんだよ?」


「そうだけど・・・。」


「それに一年前の約束も超あいまいじゃん?

 モテるんでしょう柊君って?」


「モテる・・・。」


「なら、別の子に乗り換えてるって!だからさ・・・一緒に行こう。」


「・・・何が目的?」


「え?いや~、坂井に会いたいって男友達いてさ・・・。」


「私の心配じゃなくてそっちかい!!」


「女の友情より、男との恋愛の方が大事だからね。」


「なんてひどい友人よ!!」


「まあ、少しでも坂井の気持ちが楽になればと思ってね。」


「・・・。」


「とりあえず、ジュースでも買いに行こうよ。」


「・・・うん・・・。」


私は友達とジュースを買いに体育館を出る。

うーん、今日は気持ちいくらいに晴れてるな~!!


ちょっとだけ気持ちが晴れたところで・・・



「じゃあ、俺はコーラをお願い。」


唐突にそんなことを言われるのであった。


その方向をふと見ると・・・



「ちゃお!坂井さん。」


「・・・何で・・・ここに?」


「そりゃ~約束したからでしょう。」


「だって、柊君、めっちゃ頭いいじゃん・・・

 こんな学校に来る何って・・・。」


「ちょっとストップ!ここ女子大だからね。

 坂井さん、さすがに俺でも女子大には入れないよ。」


「あぁ・・・そ、そうだったね。」


「まあ、近くの大学を選んできたんだから・・・って!?」


私は思わず柊君に抱き着いてしまうのであった。

そして、涙がとめどなく出てくる。



「ひ~い~ら~ぎ~く~ん~!!」


横では私の友達が柊君と話しているのだが、

もうそんなことはどうでもいい!


だって・・・目の前にいるのだから!!


この一年どんな思いだったか!!


辛くたって一生懸命我慢した一年だったんだから!!!


柊君が現れたことでの安堵の涙、寂しかった涙、

そして当然傍に現れてくれたことへの感謝の涙でいっぱいである。


どのくらい経ったかわからないけど・・・



「落ち着いた?」


「・・・うん。」


「じゃあ、町の案内をしてくれるかな?

 これから住むところ探したり、銀行のカードを作ったりしたいし。」


「分かった!すぐに着替えてくるね!」


「ちょっと!坂井、バスケは!?」


「そんなのどっちが大事かわかるじゃない!

 私にとっては柊君が一番なんだからね!」


そう言って、涙を手で拭いながら柊君を見つめると思わず口元が緩んでしまう。

そんな私に柊君は微笑んでくれるのであった。



「・・・そう言えば柊君、大学どこにしたの?

 ここは女子大だから違うと思うけど・・・。」


「阪大学だよ。」


「「「はぁ!?」」」


周りにいた友達からものすごい驚きの声が響くのであった。



「ちょ、ちょっと!大丈夫?坂井!」


「何がよ?」


「だって、あんたバカなのに、そんな頭のいい人と付き合って・・・。」


「そうよ!馬鹿なあんたじゃ、本当に迷惑かけるじゃない!」


「足手まといなら今すぐ諦めてもらった方がいいわよ。」


「・・・あんたたち・・・本当に私の友人?辛辣すぎるんだけど・・・。」


確かにこの間のテストもギリギリだったけど・・・

ここまで言われる筋合いはないような気がするのだけど・・・



「坂井さんはどこに行っても愛されてるね。」


「こんな愛され方何っていらないよ!」


「そう?いいじゃん、いい友達で。」


「そうだけど・・・。」


何だかこんなやり取りも懐かしくて、

思わず私はハニカんでしまうのであった。



「さてさて、案内をお願いします。」


「うん!」


そういって、私は柊君の手を取っていこうとした時のことであった。


1人の女性が目に入る。



「あ、うちのお母さん。諸手続きが必要だから、一緒に来てもらった。」


柊君がそう言うと、



「いつもうちの息子がお世話になっております。」


「あ、あの、こちらこそお世話になっております。」


慌てて、柊君のお母さんに挨拶をする。

っていうか、柊君と手をつないだところ見られたよね!?


抱き着いたところ見られたよね!?


泣いてるところを見られたよね!?


・・・っていうか・・・


そんな大事なことはもっと早く言ってよね!!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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