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柊君へ  作者: Taさん
第二章
124/254

坂井さん ~31~

試験前はドキドキですな~

「じゃあ、行ってきます。」


「はーい!気をつけてね。」


「うん。」


私はお母さんに見送られながら、

制服と着替えの入ったカバンを背負って家を出る。


私は、私立大学を受験しているため1月末にテストがある。


本命の試験は昨日終わって、明日は保険の大学を受ける。

明日受ける大学は関西にあるため今から新幹線に乗って前泊するのである。


まあ、前泊がホテルだと緊張するけど

明日受験する大学の近くにあるおばあちゃんの家に泊まる予定であるため

緊張もほとんどなくて、むしろおばあちゃんに会える楽しみがあるくらいだ!



「新幹線の切符はもった?」


「もったわよ。」


「ハンカチとティッシュは?」


「もってる!」


「ああ、お茶とお弁当は?」


「・・・天野・・・心配性のお母さんか・・・。」


新幹線のホームまで見送りに来たのは天野である。

柊君は今日は普通に授業を受けている。

・・・こうしてみると一個下なんだな~、柊君って・・・


一応、柊君からはメッセージは来ていて、


“落ち着いてやれば大丈夫!”


何度この画面を見たことか・・・。



「またスマホの画面を見て!

 そんなに柊からエロい画像を送られたの?」


「まったくエロくないわよ!

 健全な!応援メッセージを貰っただけです!」


「ホントかな?

 ・・・は!?

 ・・・もしかして・・・


 坂井の方からエロ画像を!?」


「送ってないから!

 ホントその発想を何とかしてよね!

 しかもこんなホームの場で、何を叫んでるのよ!!」


「だって・・・

 坂井がエロいから・・・。」


「エロくないから!

 ちょっとその発想を一旦止めておこうか、天野。」


「じゃあ、何を発想してればいいって言うの!?」


「・・・普通に私と会話をしていればいいじゃない・・・。」


「そんな普通のことを話しても全然楽しくないじゃない!

 私は坂井がみだらになっていく姿や困ってしまう姿、

 不幸に落ちていく姿を想像しないと幸せには慣れないのよ!!」


「そんな幸せになるやり方は、ここで捨てなさいよ!

 なーんで、人の不幸事でしか幸せになれないのよ!!」


「そんな・・・

 私のアイデンティティを全否定するなんて・・・」


「天野のアイデンティティはなんでそんな歪んだことで形成されてるのよ・・・。」


そんなことを言い合っていると

私が乗る予定の新幹線が到着した。


「じゃあ、行ってくるね。」


「確実に受かるんだから、肩の力を抜いてね。

 あ!夕飯はいつも通りのもの食べななよ!

 珍しいモノ食べたら、胃がビックリして次の日にも影響がでるかもしれないし!

 明日の朝ご飯は軽めだけど、しっかりと食べて・・・。」


まだ何を言おうとする天野を遮って、


「大丈夫だから!

 落ち着いて天野!」


「だって、坂井の一生を決めることだからさ!」


「天野だって先月受けたでしょう!

 大丈夫!

 先日試験も受けて、ちょっとは慣れても来てるんだからさ!」


「そうだけど・・・。

 いい!シャーペンは3本ぐらい用意して、消しゴムも・・・。」


「もう!大丈夫だって!

 じゃあ、行くね。天野!」


「うん!気をつけていくんだよー!

 変な人にはついていかないでよ!!」


「わかってるわよ~。」


私は心配性の天野に呆れながら手を振って新幹線に乗るのであった。


ちなみにお昼には天野から渡されたお弁当を食べたのだが・・・


ご飯はミニカツ丼!


おかずはトンカツ!!


・・・どんな組み合わせなんだか・・・



「いらっしゃい。」


「おばあちゃん、ただいま~!」


関西に着いたときにはおばあちゃんが、わざわざ駅まで迎えに来てくれた。


「大きくなって。」


「おばあちゃん!正月に会ったばっかりじゃん!

 まだ一カ月も経ってないよ!!」


「ホンマ?

 何か何年も会ってへん感じがするねんな~。」


私とおばあちゃんは笑いながら、おばあちゃんの家に向かうのだが、



「明日のために一度大学を見にいこか。」


「うん!下見はした方がいいしね。」


おばあちゃんに案内されて、受験する大学に行ってみる。



「・・・意外とキレいなところなんだね・・・。」


私は初めて受験する大学に来たのだが、

思っている以上にキレいな校舎が並んでいた・・・・


そして・・・


「みんな・・・


 関西弁なんだね~。」


「そらそうやでー!

 ここは関西なんやから、当然みんな関西弁やねん!」


「そうだよね~。」


「せやけど、関西弁でも色んな違いがあるから気いつけや。

 あの子なんかは京都弁、あっちの子は大阪弁、それにあっちは・・・播州弁やな。」


「・・・何でそんなに関西弁で違いがあるんのよ~。」


思わず私は苦笑してしまうのだが、

おばあちゃんは昏々と関西弁の違いについて熱く語るのであった。



その日の晩、


「無事についた?」


「着いたよー。」


「なら良かった。大学までの道順は?」


「確認してきた。」


「受験票と筆記用具、腕時計はカバンに入れた?」


「・・・お母さんか!!柊君まで・・・まったく・・・。」


天野とと同じように心配性の柊君にツッコミを入れてしまう。



「いやいや、明日寝坊する可能性もあるじゃん。

 だから、前日に準備しといた方がいいよ。」


「分かった!ちゃんと準備して寝るようにします。」


「うん。まあ、何も心配はしてないから、いつも通り受けておいで。」


「はーい!」


「じゃあ、お休み。」


「え?早くない?」


「明日試験の人を夜更かしさせるわけにはいかないからね。」


「ふふふ、じゃあ、お休み。」


前日に柊君にパワーを貰って、明日に備えるのであった!

この日はすぐに寝付くことができて、

快眠をして、バッチリの体調で試験を受けることが出来たのであった。



試験自体は難しいものではなく、無事に終えた。


これなら大丈夫!


という手応えを持って終えることが出来たのであった。


試験を終えて、おばあちゃんの家でお昼ご飯を食べて、

また実家へとかえるのだが、おばあちゃんが駅まで送ってくれる。


「もう持てないから!おばあちゃん!」


「まだいけるやろ!それにこっちは新幹線の中で食べるようのモノやからね。

 なくなるさかい、大丈夫やって!」


おばあちゃんにこれでもかってほどのお土産と

新幹線内での食べるものを持たされていたのであった。



「4月から待ってるで~。」


そう言いながら手を振るおばあちゃんに



「待たないでよ~。本命は実家の方なんだからさ~。」


そんなことを言いながら手を振って別れるのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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