表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ  作者: Taさん
第二章
122/254

坂井さん ~29~

男の貯金額って気になりますよね~

「・・・どのデザインがいいですか?」


「え?え?」


「僕はこのデザインとか、こっちのデザインがいいかなって思いますけど。」


そういって、3種類ほどの指輪を指さす。



「まあ、2人で選んでよ。私は母から頼まれたモノをこっちで選んでおくからさ。」


そう言って、別のココンシェルジュの方に行って、品物を選んでいた。



「柊君、いいよ。誕生日とかでもないし・・・。」


「気にせず選んで。じゃないと・・・俺が勝手に選んじゃうよ。」


「え!?・・・うん、わかった。」


私はこうして指輪を見ていくのだが、柊君が選んだ3つの指輪のデザインは

確かにこの中だと私好みの指輪になっており、何だか気があうねーと思ってしまう。



「じゃあ、これ何ってどうかな?」


「これつけても大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫ですよ。」


コンシェルジュが手袋した手で指輪を取り、私の指へとハメてくれる。



「・・・うん、似合ってるよ。」


「・・・ありがとう・・・。」


柊君の言葉に思わずはにかみながら、

自分の指に見惚れてしまうのであった。


何だかすごく嬉しい・・・


高校生の指輪なんてと思っていたのだが、

自分が指輪をハメてその意味を実感する。


私の横で柊君も付けているのを見ると・・・


私達・・・本当につながってるんだね・・・


安心感と嬉しさと幸せがいっぺんに湧き上がってくる感情で

うまく表現できないけど、ハニカム自分がそこにいた。



「前後のサイズも確認させていただいてよろしいですか?」


そういって、コンシェルジュが指輪を

いくつか私の指にはめて、外してを繰り返していき、



「こちらのサイズが一番いいかと思います。」


私と柊君のサイズを選んでくれた。



「じゃあ、これでお願いします。」


「かしこまりました。」


こうして私達は指輪を買ったのだが、

その日には指輪は手に入らずに後日天野に届けてくれるらしい。



「・・・柊君!」


「はい?」


「指輪・・・半分は私がだすよ?」


「いいよ。俺がプレゼントしたかったから買っただけで、

 趣味を押し付けたようなもんだからね。」


「そーよー!坂井!ここは男の度量をみさせてあげなさいよ!!」


「・・・分かった。じゃあ、ありがとう。」


後日・・・



天野が教えてくれた値段に驚くのであった!!


「な、なんでこんなに高いのよ!?」


「当然じゃん!柊の甲斐性が見れてよかったでしょう?」


「やっぱり、半分は払うわよ!」


「ああ・・・柊が一生懸命出してくれたのに・・・

 無下にする坂井・・・

 ああ、傷ついた柊は泣いてしまう・・・

 そして、それを慰める入河ちゃんに奪われる・・・と♪」


「・・・そんなことにならないわよ!」


「どうだろうね?柊だって男だからね~。

 あんなに可愛い入河ちゃんに言い寄られたら、コロッといくかもよ~。」


ニヤニヤしながら天野が言ってくる。


こいつはホントに・・・



「まあ、だけど、柊は聞にしないと思うわよ。

 あいつが稼ぐバイト代一カ月分程度だしね。」


「十分高いでしょう!?」


「お年玉もたんまり貰って貯金しかしてないんだから、良いんじゃないの?

 ホント高校生が持つのにふさわしくない金額をあいつ貯金してるしね。」


「・・・貯金ってどのくらいあるの?」


「聞きたい?聞きたい?やっぱり将来を見据えるとその人の経済観念って気になるよね~!」


「将来って!?」


「え~?柊とは遊びなの?」


「そ、そんなつもりはないよ!もちろん!!」


「お金の話って気になるよね~。」


イヤらしい笑みを浮かべる天野・・・

毎回思うのだが、私は友人選びを間違ったんじゃないかな?



「ざっくりというと300万ちかくの貯金があるよ!」


「・・・え?・・・えぇ!?」


「驚くよね~!!

 柊に聞いたら、小学校の頃から家の手伝いで新聞配達をすることで

 日給を1000円くらい?貰ってたらしいよ。

 その分、お小遣いってのは貰ったことがないって言ってたたな。

 それを小学校・中学校でやってれば貯まるよね~。

 それに高校に入っても試験監督のバイトやってるしね。」


「おこずあかいがないってことは、

 部活の費用とかってどうしてるんだろう?」


「自分で出してるみたいよ。

 ちなみにお金を貯めてるのは大学の費用も全部自分で出すからって言ってたわ。」


「え!?自分で!?」


「そうそう。高校までは親が出してくれるみたいだけど、

 大学は自分で行くのを決めたから、自分で出すことになったみたいだけどね。」


「・・・何か尚更半額払いたい気分になるんだけど・・・。」


「それでも坂井には指輪を送りたいと思ったんだから、

 大人しく貰っておきなよ。

 もし気にするんなら、いつか別なモノで返したらいいじゃん。」


「・・・う~ん・・・。」


「まあ、ここは受け取っておくのが無難だよ。」


「・・・分かったわよ。受け取っておきます。

 けど、絶対にいつか返さないとな~。」


「・・・大学同じところに行ったらいいじゃん。」


ニターと笑う天野に対して、



「私が・・・女子大にしか行けないの知ってるでしょう?」


「そこが過保護だよね~。

 だって、家を出るのが禁止で、唯一関西のおばあちゃんの家ならOKなんでしょう?

 この辺りに女子大って・・・あるにはあるけど・・・坂井の頭じゃ無理でしょう?」


「・・・ハッキリいうな・・・。そうだけど・・・。」


「大丈夫よ。私も似たり寄ったりなんだから。」


「けど、天野は大学は決まってるじゃない。

 ・・・裏口でしょう?」


「・・・坂井もなかなか口が悪いな・・・。

 親族がやっている大学に行くのに何が悪いの?」


「しかもお金持ち学校に・・・。」


「おほほほほ!知っての通り、私はお嬢様ですからね。

 庶民とは相容れないのよ。」


「・・・全然お嬢様感がないんだけど・・・。

 だいたい普通に公立に来てるじゃない?

 うちの隣にある私立の学校に行ったらよかったんじゃないの?」


「うちの方針は公立なのよ。

 ただ、大学だけはおじいちゃんの要望であそこの大学に行かなくちゃいけないだけよ。」


「それはそれで選択肢が狭まってやだね。」


「まあ・・・ね。だけど、親の後を継ぐんだし、どこに行っても一緒だからね。

 4年間はしっかりと遊んで学んで、羽を伸ばして来いってことだよ。

 それにもしも坂井が関西を選んだら、近いところだから、電車で一本で行けるから、

 私としては坂井にも関西に来て欲しんだけどね。」


「・・・私の学力じゃあ、その線が一番濃厚だよ。」


「そしたら、柊も遠慮なく関西の大学にいけるじゃん!

 何か、学校としては地元の大学に行って欲しいみたいな感じだけどね。」


「まあ、賢い所があるからね・・・。」


「もしくは関東の大学に行ってもらうとかね。」


「・・・柊君は進路どうするんだろうかな~。」


「離れ離れになる可能性があるからね~。

 坂井は女子大だから、出会いなんって無いだろうけど、

 柊は共学の大学に進む・・・

 そして、出会い・・・坂井は捨てられて・・・。」


「どうして天野は人の不幸をニヤニヤして語るのかな?」


「・・・人の不幸は蜜の味♪」


「本当に友人を辞めた方がいい気がしてきたよ。」


「うそうそ!冗談じゃん!!」


「・・・まあ、許してあげるけどさ。」


「ありがとー!!坂井のその甘さが好きなのよね~。」


私に抱き着いてくる天野のを適当にあしらいながら、

柊君のことを考える・・・本当に彼はどこに進みたいのだろうか・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ