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柊君へ  作者: Taさん
第二章
120/254

坂井さん ~27~

後輩に勉強教わるのって・・・

「・・・ねぇ、なんで朝から赤飯なの?」


祭りに行った次の日の朝、起きてダイニングに行くと、

なぜかご飯が赤飯だった・・・


私の言葉に反応してテーブルに座っていたお父さんが、

スマホを私の方に差し出して・・・



“私も好きだよ。一緒に・・・いよう。”


何と私が返事をしている部分の動画を見せてくるのであった!!!



「はぁ~!どういうこと!!」


「お母さんが送ってくれたんだ・・・。

 この動画を見ていると・・・娘が旅立つようで寂しい思いと共に

 大人になったんだなっていうのを実感するよ・・・。」


そう言って急に泣き出すお父さん。

っというか・・・



「お母さんどういうことよ!!」


「え?だって、あなた達2人の世界に入っているいるから、

 私が後ろにいたのも気づいていなかったじゃない。」


「・・・。」


全然そんなことは気づいていなかった・・・


というか、なんでわざわざ私達の後ろにいるのよ!!


絶対にわざと私達の後ろにいたんだ!!


思わずお母さんを睨むのだが、

その睨みに対してはお母さんは、ニヤニヤした顔を私に向けてくるだけだった・・・

思わずため息を漏らしてしまう。



あの告白シーンを自分のお母さんに見られていたなんって・・・


しかも・・・動画まで撮られていたなんって・・・



「もうお母さんね!あなたの告白を見ていると、青春を思い出しちゃってさー!

 思わず同僚たちに見せちゃったわよ!この動画を!!」


「はぁ~!!ありえないんだけど!!!」


さっきの動画をお母さんの職場の人に見せたってこと!?


ありえないって!!


何をしてくれているんだ!私の母親は!!



「娘に初彼氏が出来たから、そのお祝いで急いでお赤飯を炊いたのよ。」


「いいよ!そんなの!!」


「もう、お弁当にも詰めちゃったからね♪」


・・・もう!死ぬほど恥ずかしい!!


何でこんな親なのよ!!


その後の食事は、遅れて来た妹にも色んな事を聞かれてしまう始末だ・・・


すでに妹も周知の事実だったらしい・・・


私はすぐに食事を終えて、制服に着替えると

すぐに家を出て学校に行くハメになってしまったのであった。


ちなみに・・・


その日の昼食時に、私のお弁当を見た天野が、



「・・・どれだけ初彼氏を祝われてるのよ。」


と大笑いされたことは言うまでもない。


こいつは本当に察しがよくて・・・


こんな時でも察しがいいのは助かる反面・・・


言葉にしなくてもいいでしょう!!


はぁ~、これから絶対にみんなに言いふらすよ天野は・・・




「はぁ~・・・。」


「どうしたの?」


「柊君と付き合えたのは嬉しんだけど・・・

 その他もろもろの対処が大変なんだよねー。」


「・・・何かごめんね。」


「あ、いや!柊君を責めてるわけじゃないんだよ!

 柊君だって、みんなから色々言われない?

 私なんか・・・天野がね・・・。」


「ああ・・・それはそれは・・・心労が半端ないだろうね・・・。」


今日は柊君から告白を受けて、付き合い始めてちょうど一週間が経過した日だ。


今日も受験生の私に付き合って、図書館で一緒に勉強してくれている。

・・・というか、勉強を見てくれているというのが正解だろうな・・・


数学や化学、地理なんかは私よりもずっと詳しい。

だから、さっきから分からないところは柊君に聞いている状態だ。



「柊って実際どのくらいの成績なのかな?」


先日の昼食の時に天野が唐突に私にそんな質問をしてくるのだが、



「う~ん・・・私もしっかりとは知らないんだよね・・・。」


人から聞く話や柊君からは断片的に聞いてはいるのだけど、

実際に成績表を見せてもらったりはしてない。



「じゃあ・・・見に行ってみよう!!」


そう言いだした天野と共に放課後、2年生のフロアーへといく。

今は先日行われた全国模試の結果が貼りだされているはずだから。



「おぉ~、貼りだされてるね~。」


2年生のフロアーに踏み込んですぐにある踊り場のスペースに

先日の模試の結果が貼り出されていた。



「さてさて、柊はどんなもんだろうね・・・。」


天野と私が上から見ていくと・・・



「あったね・・・。」


「・・・あいつこんなに良かったの?」


苦々しい顔を浮かべる天野。

柊君の順位は学年順位は11位!


全国での順位は書かれていなかったのだが、

各科目の個別順位が貼りされていた。


そこに書かれていたのは・・・


数学 柊 1位 200/200点


物理 柊 1位 100/100点


化学 柊 1位  98/100点


地理 柊 1位 100/100点


その他の国語、英語は学年30位以内には入ってないようで

貼りだされている結果には載っていなかった。


だけど、学年順位で点数も書かれているから、

点数はわかるのだけど・・・



「さすがに国語や英語で文系の子達に勝ってたら

 文系の子達の立つ瀬がないよね・・・。」


「だけど、点数を割り出すと、ギリギリ30位に

 入らないくらいの点数じゃない?」


私の言葉に天野が計算をしだして・・・呆然としていた・・・



「まあ、そうじゃないと全体で11位とか取れないよね・・・。」


「文系に科目にに苦手とか言ってたけど、

 確実に私よりも成績が上だわ・・・。」


ため息をつく天野に、私も勝てないよとお互いを慰め合うのであった。

こんなに柊君って成績良かったんだな・・・




そんな人に勉強を見てもらえるのは、

こんなにありがたいことはないんだろうけど・・・


一つ上の先輩としては情けないな~・・・



「そう言えば、この後、天野に呼び出されているけど、

 何の用事か聞いている、柊君?」


「ううん、聞いてないよ。まあ、ろくなことを考えてはいないと思うけどね。」


ため息をつく柊君に私も同意してしまう。


天野が考えることなんって・・・


本当にろくでもないことのように思えるのだから・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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