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柊君へ  作者: Taさん
第二章
115/254

坂井さん ~22~

一緒にテスト勉強です!

「・・・で、ここに代入して終わりです。」


「・・・ありがとう。」


「いいえ。」


私と柊君のやり取りをニヤニヤしながら見ている天野。


・・・何が言いたいのかは、何も言わなくてもその顔からにじみ出てるけど・・・



今日は日曜日で、明日から期末試験が始まるので

私と天野はお互いの近所にある図書館で勉強をしにきたのだ。


そこに・・・


柊君がいるとは思っていなかったけど・・・


・・・もうちょっと気合を入れた服装をすればよかったよ・・・


せめてスカートを履いてきたかった!!



「しっかし、本当に柊は私達の問題解けるんだね・・・。」


「そりゃ~、すでに高校3年生の分の授業はすべて受け終わってますからね。」


柊君がいうように、うちの高校では高校3年間の授業を1年半で終わらせるのである。


例えば今、柊君が説いたのは数Ⅲと呼ばれる、

高校三年生の時に習う予定の範囲であるが、

何の問題なく柊君は問題を解いている。



「まだ終わってない教科はあるの?」


「まだ、物理が終わってないですね。

 だけど、教科書はあとちょいって感じですよ。

 それと地理がたぶん夏休み明けくらいには終了するんじゃないですか。」


「うちらの時もそうだったよ。

 まあ、私と坂井は物理じゃなくて生物だけどね。」


「生物っていう選択肢はなかったですね・・・。」


「まあね~。生物系の学校に行くか、医療系に行く子しかとらないからね。」


「2人は生物系ですか?」


「そうだよー。」


「私は保育士になりたいから。」


「保育士になりたいからですか?」


「そうだよ。理科の選択で生物があるところが多いから生物を選んだの。」


「へぇ~!?」


「坂井のお母さんは幼稚園勤務だからね。

 その姿に憧れて自分も幼稚園の先生になりたいんだって!」


「すごいですね坂井先輩!」


「ちょっと、恥ずかしいんだけど天野!」


「ええ!?だって、本当のことじゃない?」


「全然恥ずかしいことじゃないですよ。」


「う、うん・・・ありがとう。」


柊君に褒められると何だか照れてしまうな。



「・・・いい雰囲気をかもしだしてるところ悪いけど、

 勉強しなくて大丈夫?2人とも。」


「・・・最初に言ってきたのは天野先輩だった気がしますけどね。

 まあ、勉強はしなくちゃいけませんけど・・・。」


こうして勉強へと戻るのだが・・・


分からないところは柊君へ聞く・・・


そして、また分からないところを柊君へ聞く・・・


またまた分からないところを柊君に聞く・・・


結局、私と天野は柊君に聞いてばかりで、

柊君からは質問らしい質問は特になかった・・・


先輩としての面目が・・・



「まあ、数学で全国一の子に私達が教えることなんって何もないよ。

 むしろ教えて貰わないとね。」


「うん・・・。」


私と天野は決して頭がいい生徒ではない・・・

だからと言って、先輩として役に立たないのはちょっと・・・


何だか申し訳ない気持ちでいっぱいになるのだが・・・



「俺も人に教えれるから、その分勉強になっていいんですよ。」


そんな柊君からのフォローが心に突き刺さるのであった。


私・・・もうちょっと出来るように勉強します・・・。



「そう言えば、テスト終えたら坂井先輩は県大会でしょう?」


「あ、うん。」


柊君が知っていたことに驚いてしまう。



「へぇ~、坂井のこともしかして気にしてくれてるの?」


「そりゃ~、これだけ一緒にいれば気にするでしょう。」


「だけど、坂井は柊のこと気にしてないかもよ?」


「そ、そんなことはないよ!!

 私だって、この間柊君が県大会を終えて、地方大会に行ったのは知ってるわよ!!」


「お!ご存知だったんですか?ありがとうございます。」


「う、うん。次も頑張ってね。」


「坂井さんも頑張ってくださいね。」


「・・・おや?・・・おやおや?」


ニタニタしている天野の顔を思わずつねりあげてしまう。

そして天野の耳元で、



「もう!顔に出過ぎだよ!!」


「すぃいぃまぁせぇんん」


つねりあげているためしっかりとは聞こえないが、

どうやら謝っているようなので手を離す。


そんな光景を柊君が見ていて、



「本当に仲がいいですね。」


「だよね!私は恋人よりも坂井を選ぶからね。」


「・・・私は恋人選ぶわよ。」


「ひどい!!・・・私のこと・・・遊びだったのね!!」


「人聞きが悪いこと言わないでよね!

 私は何もしてないでしょう!!」


もうっといいながから怒っていると柊君からまた笑われるのであった。


この日は柊君はバイトがあるということで、

私達とは別れて帰っていってしまう。


もうちょっと話たかったのだけど・・・


「なんだか気がつけばいい感じじゃない?」


「そ、そうかな~?」


「・・・おちょくっただけなのに・・・

 そんな本気のトーンで返されるとは思わなかったわ・・・。」


「な!?ひ、ひどくない!!

 天野を信じた私がバカだったわよ!!」


「やーい!馬鹿!」


「もう!天野!!」


ポカポカと天野を叩いていると、


「だけど、そろそろ覚悟を決めないとね。」


「・・・そうだね・・・。」


そろそろ・・・ちゃんと私の思いを柊君に伝えないといけない・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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