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柊君へ  作者: Taさん
第二章
108/254

坂井さん ~15~

寒稽古の最後の締めのマラソンはしんどかったっす。

最終日は全生徒で3キロの道程を走って登ってタイムを競うイベントがある。

そして、上位10位に入ると学校の昇降口にドーンと張り出されるのであった。


この日は私達はスタート位置から順々に配置されて応援&救助要員に回るので

しっかりと1年生が走っているところを観ることができる。


しかも最初に女子が走り、その後に男子が走っていくので、

柊君の走っている姿を観ることが出来るのである!


女子の方はスタートが開始する前の緊張感のようなモノは

ほとんどなかったのだが、男子は違う。


私の配置はスタート位置付近での待機だったのだが、

運動部系の顧問や2年生、3年生がなぜか寒稽古にはいなかったのに

今日はスタート位置付近に集まっているのである!



「おまえら~!!わかっとるだろうな!!」


ちなみにこんな檄を飛ばしているのはうちのバスケ部の顧問である・・・



「10位以内に入れ!それ以外はいらん!!」


これは男子バレー部顧問のお言葉・・・



「走りで負けたらお前ら何が残るんだ!!!

 死ぬ気で勝ちにいけ!!」


そんな言葉をかけるのは陸上部顧問であった。



ちなみに応援に来た生徒達はいろんな世話をしている。

本当に部活動対抗戦のような模様を呈してきたのであった。



「・・・去年も思ったけど、ほんと先生達って対抗意識が高いよね。」


「本当にね・・・。」


私達はあきれるようにその光景を見守るのであった。


先にスタートした女子が8割がたゴールしたとのことで、

いよいよ男子のスタートの準備へと移っていく。


広間に引かれているスタートライン上にはすでにスタンバイ状態で生徒が

クラスに関係なく並んでいるのであった。


最前列は全員きっと運動部系だろうな・・・


いかにも運動してますて的な体つきをみんなしていた。


そんな中に柊君の姿を見つける。

軽く雪が降る中なのに、夏服の体操着姿である。


・・・本気だ・・・


まあ、周りにいる男子生徒達もみんな夏服姿になっているしな・・・


短距離とはいえ、陸上部だし気合を入れなきゃいけないんだろう。



「声かけなくていいの?」


「こんな大勢の中じゃあ、声かけれないわよ。」


横から突かれるが、それを無視してスタートを見守る。


パン!!


ピストルの音が鳴ったと同時に一斉に走り出す男子達。

ただ、やはり一位を狙っている集団は一段と早く、

すでに20名ほどの集団となって、登坂に向かうのであった。


その中には柊君の姿もあり、


「柊君、頑張って!」


声をかけてしまうと、なぜかその集団の全員が

こちらを向いて驚いてしまうのであった。



「坂井先輩!可愛い後輩がここにもいますよ!!」


そんなことを東原君が言いながら走り抜けていくのであった。



「あ~あ、部活の後輩を応援せずに、違う部活の後輩を応援する何ってね~。」


ニヤニヤする友達を軽く睨んで、前を通る男子を応援するのであった。


スタート位置の広場は広いけど、登坂車線は車1台半ぐらいの幅しかないないため、

広場から全員が出ていくまでに多少の時間がかかってしまっていた。


全員が抜けると2分以上かかっており、



「見て!坂井ちゃん!すでにトップの子達1キロ先くらいにいるんだけど!!」


そう言いながらスタート位置から見える山を1/3くらい上ったところを指さす。



「早くない?」


「ねぇ~!男子ってすごいわ・・・。」


2人で感心しながら男子達を見守るのであった。



その後は私達は1年生女子達が戻る引率をしたため

柊君が何位になったのかが分からなかったのだが、

お昼休みの速報が出された時に驚くことになった!



「さて、坂井、見に行こうか?」


「?何を?」


4時間目の授業を終えて、今から昼食だと言う時に

急に天野が私にどこかに行こうと言い出して、

何か用事があったかな?と思っていると、



「一年生の寒稽古の速報結果が貼りだされたのを見にいこう!」


そう言えば昼休みに貼りだされるんだった!



「ご飯食べてからでもいいんじゃない?」


「私は美味しいモノは先に食べる主義なのよ!

 だから、まずはご飯よりも早く結果を知りたい!」


そう言いながら私の手を強引に引っ張って

張り出された結果を見に行くのであった。


すでにそこは人だかりが出ていて、なかなか近寄れそうにはなかったのだが、

天野が結構強引に突き進んでいく。


その後ろを私も便乗して進むと、



「みてみて!坂井!」


そう言って、私を強引に前に引っ張りだしてくれて、

目の前に結果が貼りだされた紙が目に飛び込んでくると・・・



「柊君、9位!!」


200人弱いる中での9位とはすごいな~と感心してしまう。



「柊って、短距離なのにこんなに長距離が早かったんだね~。」


天野も感心してしまっていた。


私は写メを撮って、もみくちゃにされている中から何とか抜け出す。



「ふぅ~、なんでこんなにみんな野次馬根性があるのかね。」


天野がため息をつきながらそんなことを言っているのだが、



「私達だって一緒じゃない。」


「私達には柊が10位以内に入ったのかを確認するっていう、

 使命があるじゃない!!」


そう言いながら、階段を上り、自分達の教室へと向かう。

その間にスマホをいじっているのは、きっと柊君に結果を報告しているのだろうな・・・


教室に着いたところで、返信が来たようで天野がスマホをまたいじりだす。

私はその間に自分の御弁当を取り出して食べる準備をしようとした時だった。



「すごいねー!柊!長距離も走れるんだ!」


天野が柊君と話だした。


「分かってるって!10位以内に入ったらご飯ゴチソウするって約束覚えてるよ!」


・・・そんな約束してたんだ・・・ちょっと心に痛みが走る・・・


その瞬間、



「坂井が!」


思わず口に含んでいたモノを拭きそうになってしまうのであった。



「はい、坂井。柊だよ。」


そう言って天野のスマホを渡しに渡してくるのであった。



「・・・もしもし。」


「お疲れさまです。じゃあ、ご馳走宜しくお願いしますね、坂井先輩。」


「えぇ~!私なの!?」


気がつけば私がゴチソウすることになっていたので、思わず驚くと、



「ウソですよ。大丈夫です、天野さんにたかりますから。」


「ふふふ、そう言えば9位おめでとう。」


「ありがとうございます。

 そう言えばスタートのところで応援していただきありがとうございます。」


「聞こえてた?」


「はい、聞こえてましたよ。」


柊君の声の後ろでは、


“坂井先輩の裏切り者”


という声が聞こえてきた。



「聞こえました?東原からの坂井先輩への言葉?」


「今のやっぱり東原君?走ってる時も私に叫んでいたよね~?」


「叫んでました!隣だったからビックリしましたよ。」


柊君の笑い声に私も心が温かくなる。

さっき感じた痛みも嘘のように消えていた。


その後は天野と変わったところで、



「坂井にはアドレス教えてないの?じゃあ、教えておくよ。」


そう言って、電話を切って、ニヤニヤしながら私にスマホの画面を見せてくる。



「・・・なに?」


「もう!分かってるくせに。」


そこには柊君の電話番号とアドレス、

それと誕生日などのデータが表示されていた。



「入力めんどくさいなら、メッセージで送るよ?」


「じゃあ、送って。」


「ふふふ、これで今日の9位のお祝いメール送れるね。」


天野のニヤニヤ声を聞いた友達たちがすすっと近づいてきて、



「まだ知らなかったのは驚きだけど、

 これで一気に距離がちぢまりますな~!」


「いや、距離はこれから一気にゼロでしょう!」


などとまたまたおちょっくってくるのであった。


この日の夜、部活が終わってから、柊君とメッセージをしたのは・・・

まあ、言うまでもないか。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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