坂井さん ~13~
勝って兜の緒を締めよ!
「これで足りますか?」
試合が始まる30分前に部室に柊君が現れて、
バスケ部に差入として、スポーツドリンクを一箱買ってきてくれたのである。
「ありがとう。」
私は・・・二人の友達に押されて前に出て柊君から受け取るのであった。
せめてもの救いは、一年生たちが、試合会場に行っていることくらいだろうか・・・
同級生達は絶対に後ろでニヤニヤしているだろうな・・・
「試合頑張ってくださいね。上で応援してますんで。」
「うん、頑張るね。」
そう言って、柊君に手を振りながら見送る。
すると・・・
「試合頑張ってくださいね。上で応援してますんで。」
「うん、頑張るね。」
・・・二人の友達が私達の今のやり取りをマネしていたのであった・・・。
「「「甘酸っぱい!!!」」」
そして、その寸劇を観た同級生達から
そんあセリフを浴びせられるのであった。
「じゃあ、やめてよ!!」
「いやいや、たまには私達にも潤いが必要じゃない!」
「私を潤いにしないで!」
「だけど、柊君って大学生の彼女がいるんでしょう?」
「そうみたいね~。だけど、坂井の方が若いんだし、
若さをアピールしてみたらいいんじゃない?」
「それに坂井の可愛らしさなら何とかなるでしょう!
この顔で、「好き」って言われたら・・・
たまらないわね・・・。」
バスケ部の同級生達は更に色んな事をいいだしたので・・・
「い~い~か~げ~ん~に~しろ~!!」
「「「ヤバい!坂井ちゃんが怒った!」」」
笑いながら逃げる同級生達を追いまわすのであった。
「・・・ていうか、なんでそんなに柊君の個人情報を知ってるの?
みんな話したこともないよね?」
「天野ちゃんという情報源があるからね。」
・・・今度、あの壊れた蛇口を何とか止めないといけない・・・
その後も何かと笑いのネタにされるのだが、さすがに先生が来たら締まり、
いよいよ、私達は試合に向かうのであった。
試合会場に入るとすぐにスタンドにいる柊君を見つける。
・・・我ながら、しっかり目で探してしまうとは・・・
まあ、もう自覚している。
柊君が好きなことを。
だから、目で追うのは理解できている。
・・・本当に目で追ったりするんだな・・・とは思うのだけど・・
はぁ~・・・柊君の前では失敗できないよ。
ベンチスタートではあったのだが、
試合のペースが速くなりすぎているのだろう。
すぐに先生から支持が来て、私が試合に出ることになった。
「坂井、ペースを落ち着かせろ。」
「はい!」
さっきからお互いがラン&ガンのような打ち合いの状況になっており、
うちの学校の守備からのパターンではないことは分かっている。
私がやることは、まずはいつも通りの点の取り方をする!!
外でボールを回して、中にいるセンターにボールを入れて点を取る。
そして、ダッシュで自陣に戻って、
「しっかり守るよ!!」
「「「はい!!」」」
1年生が5人中3人で、3人ともが初出場のためか
浮足立っているのがわかるから、
しっかりと何をするのかを指示する。
まずは一本止める!!
キッチリとリバウンドを取って、私がゆっくりとボールを回していく。
敵陣で味方がしっかりと体制を整えるまで外で回して、
またインサイドからの得点を取っていく。
本当に地味だけど、積み重ねていくことが大事!
結局第一Qは私がずっと出っ放しで試合をコントロールする。
その後は交代を繰り返しながら、準決勝を勝ち上がるのであった。
試合を終えて、部室に戻る。
「良かった!まずは初戦勝てて!」
「ホントだよね!!」
みんなが初戦を勝てたことを喜んでいると、
「お前ら!!何であんなにバタバタしてるんだ!!」
私達に顧問からカミナリが落ちて、
先ほどの試合のダメ出しが始まったのであった・・・
10分ほどガッツリと怒られて、先ほどまで笑い声はすっかり消えて、
みんなが意気消沈をしていたのであった。
結局決勝も勝ち、県大会へと行くことが決定したのであった。
皆で喜んでいる中、私はスタンドへと目を向けるのだが、
そこには柊君の姿がなかったのである。
試合中はいたのは見てたけど、試合が終わって帰っちゃったかな?
その後の表彰式が開催されて、終わった頃には
日もどっぷりと沈んでいる時間になっていた。
わらわらと部室に戻ろうとしたところで、
「・・・何か甘い匂いしない?」
「クンクン・・・確かにする・・・。」
そう言いだすとみんなが周りをみまわしだす。
私も匂いを嗅ぐと、確かに甘い匂いがするのであった。
「・・・ミスドだ!?」
「確かに!この匂いミスドに間違いない!!!」
先ほどの試合に勝ったことよりもミスドの匂いの方がテンションがあがるなんって・・・
そんな時だった、
「みなさーん!こっちですよー!!」
マネージャー達が部室から出てきて声をかけてくれる。
私達は走ってそっちに向かうと・・・
「「「うわぁ~!!!」」」
目の前にはミスドの箱が大量にあるのと、
その傍にはお菓子やジュースが大量に用意されていたのであった。
「どうしたのこれ!?」
「ミスドは1年生の柊君が差し入れしてくれたの。
お菓子とかジュースは先生が自腹でお金をくれて、
私達が買いにいったのよー!!」
一気に私達のテンションがあがったところで、
「まあ、今日はお祝いだ。ただ、遅くなるとまずいから1時間だけだぞ。」
先生はそう忠告しただけで、職員室へと戻っていくのであった。
顧問の目が無くなるとめちゃめちゃはしゃぎまわる私達。
しかもお菓子が目の前にあるとなると否が応でも
テンションが上がっていってしまうのであった。
一時間後に再度来た顧問からカミナリが落ちたのは・・・仕方ないよ!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




