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柊君へ  作者: Taさん
第二章
103/254

坂井さん ~10~

リレーって体育祭の花形ですね♪

「点数的にリレーで順位が決まっちゃいますね。」


「そうね・・・。」



赤組と青組、更には黄色組の3色組は接戦中である!!

10点以内に3色ともいるため、このリレーの順位で決まると言っていい!



「責任重大ですよ、坂井先輩!」


「・・・私にプレッシャーをかけてくるけど・・・

 柊君は赤組のアンカーなんだよ!柊君こそ責任重大じゃん!」


「いやいや、僕の所に来る頃にはたいてい、戦況は決まってますからね。

 後は勝っていれば抜かれないように、負けていたら、追いつけばいいだけですから。」


「・・・それが出来るかどうかが不安なんじゃん・・・。」


柊君と私は赤組に一班のリレーチーム。

そして、アンカーはたいてい2,3年生の陸上部や運動部で占められている。

私達の赤組に2班のアンカーも3年生の陸上が走る。


6人いるアンカーの中で1年生は1人だけである。

にもかかわらずこの子は・・・



「ほら、F1の曲がかかったてことは、入場が始まりますよ。」


柊君に促されるように自分の順列に並ぶ。

耳にはTruthが聞こえてきて、否が応でもテンションが上がってくる。



「各色対抗リレー!!選手入場!!」


アナウンスが流れるとみんなが一斉に入場口からグランドへと入って行く。

スタート位置に行くまでに観客の前をゆっくりと走るのだが、


その際の歓声がすごい!


ウェーブが起こったり、肩を組んでみんなで応援してくれているのである!


・・・応援すごいな・・・


この中を走るのに相当緊張がしてしまう・・・


スタート位置に着いたときには吐きそうなくらい緊張していたのであった。



「第一走者!スタート位置へ!」


いよいよリレーが始まった!!


第一走者は1年生のバスケ部の男の子であった。



「東原君!!頑張って!!」


応援席から女の子達からの応援が響く。

さすがはイケメン東原君だ!


それに片手を上げて応えているところを見ても

彼がイケメンで、女の子慣れをしているんだろうなっというのが分かる・・・。


第一走者が走り始めたが、

やはりみんな運動部出身者たちがメインである。

差がつかずに、団子状態のまま次の走者へとバトンを渡すのであった。


次の走者は女子であったが、ここから試合は動きだした。


間違いなく陸上部出身者なのだろう、2人が抜け出す!

それをじりじりと他の4人が追いかける展開だ。


赤は・・・4番手、5番手!


これマズいよ・・・


このままでは優勝するのは難しくなってしまう!


一段と応援に力が入るのであった。


その後は抜けていた2チームもまた団子状態の中に吸収されて、

代わりに別チームが抜け出す!!


赤の1班だ!!!


その後ろを青組が追いかけていた。


ただ、その次にはまた団子状態に戻ってしまい、

しばらく団子状態のままでみんなが走っていく。



いよいよ、私の番だ!!!


団子状態だけど、現在順位は3位に付けている!

せめてこの順位を落とさないよう頑張らないと!


バトンを受け取り、走り出す。

最初のストレートでは差がつかず、カーブに差し掛かると、

私が前との差を詰めるのであった。


これ・・・いける!!


こうなると俄然気合が入ってくる。


バックストレートに入ると、前との差は変わらなかったが、

横からじわじわと私の前に出てくる子がいたのである!


何とか、追い抜かれないように!


カーブにまで行けば並んで走れば、向こうの方が外側!


私の方が有利になる!!


そう思いながら必死に走った。

結局ちょっとだけ前には出られたのだが、カーブに並んだような状態で

私とその子が入って行く。


すると私の視界からは少しずつその子の姿が消えていく。


よし!!


何とか抜かれなかった!


そして、前との距離も詰めた!!!


内心でよし!と思った瞬間である。


前の子と距離を詰めすぎてしまったのだろう。

前の子の足と私の足が当たってしまい、私はバランスを崩してしまう!!


そして・・・転ぶ!?


慌てて、起き上がって次の走者にバトンを渡すのだが、

すでに6位にまで順位を落としており、

更には前の5人とは距離が出来てしまっていたのである。



「大丈夫?」


「大丈夫ですか?」


皆が心配して私の傍に駆け寄ってきてくれるのだが、



「ご、ごめんなさい・・・。」


ものすごい後悔の念でいっぱいになっていた。

私が転ばなければ、こんな6位になんってなっていない。


せっかくみんながつないでくれて、3位という順位でもってきてくれたのに

私が駄目にしてしまったのである・・・


その瞬間・・・


スパコーン!!


額をまさに射抜かれたとう表現が正しい一撃が走る!

音ほど痛くはないのだが、

その反動で下を向いていた顔が思わず上を向いてしまうほどだ。


そして、それがどうやらデコピンであったことを

正面に立っている柊君を見て分かった。



「な、なぁ!?」


思わず変な言葉がでるのだが、

それ以上に柊君の言葉に絶句する。



「ありがとうございます坂井先輩。」


私もその言葉に呆然とするし、私の周りにいる赤組1班のメンバーも呆然とする。

そんなことも意に介さずに言葉を続けていく。



「だって・・・


 俺がヒーローになるチャンスをくれたんですから。」


「・・・え?」


私は何を言っているのかが理解できない。

そして周りのメンバーも理解できていない。



「坂井先輩、救護室からゆっくりと優勝の瞬間を観ていていくださいね。」


そう言い残して、柊君はアンカーの位置へと歩きだしたのであった。

私は救護の先生に肩を貸してもらい、救護テントに連れていかれるが、



「すいません。リレーの結果だけみたいんですけど・・。


「分かったわ。その後、水で洗って、消毒させてね。」


先生がの許可をもらい、救護テントの最前列の席に座らせてもらう。


その頃になると、他のチームのアンカーにちょうどバトンを渡すところだった。

私達のチームはそれでもかなり距離を詰めており、

そのすこし後に柊君にバトンを渡したのであった。


そして・・・


ここから・・・


感動するのであった・・・


正面ストレートをグングンと加速して走る柊君。

まるで1人だけ別のエンジンを積んでいるように

前の走者たちとの距離を詰めるのであった。


カーブでもその加速は続いており、カーブが終わる頃には

5メートルほどの距離にまで縮まっていた。


そしてここからが凄かった!!


バックストレートに入ると、一番大外から1人一気に加速していくのである!!


1人抜き、2人抜き・・・・


その間の応援席の前を通る時の声が、



「はぇーーー!!」


「うわぁ~!反則じゃん!!」


「早すぎるだろう!!!」


そんな声が私のいた救護テントまで聞こえてくるのである。

更には赤組の応援席の前を走り抜ける時には、



「キャー!!」


女の子達の歓声が凄い!

とにかく盛り上がっている!!


その声を聞いてか聞かずか、更に加速が増していき、

バックストレートが終わる頃には2位にまで順位を上げていたのである。


あと1位は・・・


赤組2班じゃん!!!


何と、同じ色の別チームが1位を走っていたのである!

これで無事にゴールしたら私達の優勝だ!


ここまでで柊君に本当に感動していたのだが、

更に感動を私にくれるのである。


それは一位を走る人を私は知っていた。


3年生の先輩で、同じ中学出身だし、陸上部の子からも聞いていた。


100メートル走者として全国区で有名な選手。


まさに才能の塊と言われる選手で、

寝坊して遅刻して、ギリギリに現れたにも関わらず100メートルで優勝したとか、

試合会場で寝てるところを審判に起こされて、

寝ぼけていたにも関わらず優勝したとかの伝説を残した人だったから・・・


そして・・・そんな人が私は大嫌いだったので、よく記憶に残っていた。



その3年生の先輩にカーブでドンドン追いついてきた。

そして最後の直線に入った時には並んだのである!!!


その直後、



「柊!!!お前、先輩に花をもたせろよ!!」


そう叫ぶ3年生の横をグッと追い抜いて行き、

なんと・・・


1位でゴールしたのであった!!!


そして、その瞬間、救護テント前の私に向かって、



「どんなもんだい!」


そう言って、バトンを持った右手を空に向かって突き上げたのであった・・・


その後は、同じチームのメンバーが駆け寄ってきて、

柊君に飛びかかり、柊君をめちゃくちゃにしていて・・・


そのめちゃくちゃにされてるのが終わった頃には・・・


上半身裸の柊君が現れたのであった。


会場中が笑いに包まれる。


ただ、柊君は服を逃せた生徒達ともに先生から怒られていたのだけど・・・


「何で僕まで怒られるんですか!?」


そんな柊君の声にがグランドに響くのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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