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柊君へ  作者: Taさん
第二章
101/254

坂井さん ~8~

プロテインって・・・美味しくないですな・・・

「体育祭の練習もして、部活もして、更に筋トレもしてるの?」



ここは学校にあるトレーニングルームである。

トレーニングルームの入り口の横に女子バスケ部の部室がある。


やっと今日の部活を終えて、今から帰宅しようと思った時だった。

トレーニングルームの灯りがついていたので、

思わず中を覗くとそこには柊君がいたのであった。



「あ、部活は終わりですか?」


「うん、終わったよ。そっちは?」


「部活は終わったんですけどね。今日の筋トレのノルマがまだ終わってないので。」


そう言いながら、筋トレを開始しる柊君。



「ねえ、いつもしてるの?」


「はい、してますよ。」


「部活では筋トレしないの?」


「筋トレもしますよ。ただ、足りないんですよ。」


そういって、私に1つの動画を見せてくれる。

そこには柊君の走る姿が映し出されていた。



「こんな風に俺、後半体がぶれてしまうんで、最後までぶれない体を作るんですよ。」


「・・・そんなことまでしてるんだ・・・。」


私はちょっとショックを受けてしまう。

もっと柊君は適当にしていると思っていたのに・・・



「・・・何か失礼なことを考えてます?」


す、するどい!!



「いやいや、そんなことないよ。

 だけど、こんな地道な筋トレをしてるとは思わなくてさ・・・

 もっと何か、適当に練習したら早かった?みたいな感じかと思ってたから・・・。」


「はぁ~?イマイチよくわかりませんけど、

 俺は別に練習しなくて早くなった人間じゃないですからね?

 キッチリと練習して、自分を見つめ直して少しづつ積み重ねていくタイプなんですけどね。」


「・・・それが意外過ぎて・・・。」


「そうですか?まあ皆さんが期待するような天才ってわけじゃないですからね。

 ホント、地味に毎日毎日の積み重ねですよ。」


「・・・だけど・・・県で3位なんでしょう?」


「はぁ・・・、県で3位だから練習しなくていいってことはないでしょう?

 それにまだ上に1、2位がいますからね~。」


「いや、そりゃ~そうだけどさ・・・。」


「天才とかに憧れがあります?

 何か・・・すいません。」


「な、なんで謝るのよ!」


「いや、だって、期待にはそわないでしょう。

 ホント地味ですよ。

 地味に地味に積み重ねていくだけです。」


「だけど・・・。」


「ふ~ん・・・。

 ちょっとこっちに。」


急に柊君に言われて、窓際へと移っていく。

窓の外では陸上部の子が1人、スタートダッシュの練習をしていた。



「あいつ、俺達の代で県1位で、全国大会にも出てる選手ですよ。」


「え!?」


思わず驚いた声が漏れる。



「今はスタートから30メートルの姿勢を修正しているんですよ。」


「・・・。」


「あいつは才能があると思いますよ。中学の成績も伊達じゃないですしね。

 だけど、才能だけじゃなくて、あんな風に努力もしてるんですよ。

 あいつに比べて、才能がない俺のような凡人が勝つためには

 地道に練習するしかないじゃないですか。」


「・・・。」


「何か・・・僕に天才とかの期待してたらすいませんね。」


「いや、そんなことはないんだけど・・・。」


「そう言われるとそもそも俺に期待してないってなりますよ。」


「いや!それもちがうけど・・・。」


何っていっていいのか分からない中。



「冗談ですよ。気にしないでくださいね。

 今から帰りですよね?遅いですし、気をつけて帰ってくださいね。」


「・・・うん。帰るけど・・・・。」


何か自分が恥ずかしくなってくる。

こんなに練習しているとは思ってもみなかった。


練習を終えたら、みんなで残って居残り練習はする。

私も残って居残り練習を終えて、今から帰宅なのだが・・・


皆が残っているからとかいう理由ではなく、

真剣に自分の弱い所を探して、そこを鍛えていっている姿に

自分もそうなのか?と突きつけられているように感じるのだ・・・。


そんな時だった、


「あ?これ製薬メーカーからの試験品じゃない?」


「そうなんですよ。そう言えばバスケ部もやってるんじゃないんですか?」


うちの高校の強豪部活では、とある製薬メーカーが治験を採りたいということで

毎日プロテインを希望者に配って、月に一度検査を受けるような取り組みをしている。



「じゃあ、柊君は希望者なの?」


「はい。プロテインとか試したことがなかったんで。

 それに一カ月に一度、血液検査とかの詳細データをタダで測定してもらえるのなら

 受けてみようかなって思って。

 利用できるものは利用してやろう!ってのが僕の考えです。

 これで自分の弱点が分かりますしね。」


・・・何か、ホントに私の考えが甘いことを痛感する。



「・・・私もやってみようかな・・・。」


「いいんじゃないんですか?ただ・・・。」


「?ただ?」


「天野先輩には言わない方がいいと思いますよ。」


「何で?・・・・あ!?」


疑問に思ったが、すぐにその回答が分かった。

天野に言ったら、絶対におちょくられる!!


“そんなのしてもスタイルはよくならないよー”


とか言ってきそうだし・・・


考えただけでムカッとしてきた・・・。


ぜったにあいつにはバレないようにしないとね・・・・



「じゃあ、また明日ね!体育祭の練習頑張ろうね~。」


柊君とバイバイをして帰りながら、

明日先生にお願いすることを決めたのであった。


自分をもう一度見つめ直してみよと思いながら・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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