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柊君へ  作者: Taさん
第二章
100/254

坂井さん ~7~

墓参りの作法って難しいですね。

「そういえばさっき話しを聞いたけど3位になったんだって?」


「ええ。」


「じゃあ、お祝いをしようか!!」


「へぇ?」


「何と・・・


 美少女2人とデートをする権利を上げましょう!!」



「ごめんなさい!!」


天野の言葉を聞くや否や、スムーズに頭を下げる柊君。



「いやいや!まだ詳しい話を何もしてないじゃん!!なに普通に断ってんのよ!」


「だって、ろくなことにならないような気がして・・・。」


「ちょっと待って!天野と私は、今同列に並べられてる!?」


「ええ・・・だから、どっちもロクなことにはならない気がして・・。」


「し、失礼な!!天野と一緒にしないでよ!!」


「っていうか、坂井もたいがい失礼だろう!

 私と同列に何が不満なんだよ!!

 むしろ私の方が同列に扱われて不満だって言うのに!!」


私と天野がにらみ合いをしていると、



「何を競い合ってるのか分かりませんけど・・・


 どっちもロクでもないですよ。」


「「同列に扱うな!!」」


私と天野の全力が否定が実験室に響くのであった。




「で、結局断れないんですよね。」


今日は文化祭を終えた振替休日である。

私もバスケ部が休みで、柊君も陸上部が休みとのことで

今日、有無も言わさず天野とデート(?)をすることなった。



「そうみたいね・・・。」


今朝も早くから電話がかかってきて、



「絶対に来てよね!!」


そう念押しされるとさすがに断れない・・・



「ところで柊君。」


「言わんとしていることは分かりますよ・・・。」


「何で天野は時間通りにこないのよぉ~!!」


すでに集合場所に集まって30分が経過していた。

私が10分前に来た時には柊君がいたから、

柊君は相当前にはここにいるってことだ。



「で、当の本人が遅刻ってありえないんだけど・・・。」


そんな時だった。



「お!早いね両人!」


「「遅い!!」」


2人の怒声に、



「おこっちゃや~よ♪」


猫なで声を出す天野に更にイラっときたのは言うまでもない。

ただ、その手に持っているモノに私は驚く。

なぜか天野の手には新聞紙に包まれた花があったのだ。



「・・・そういうことですか・・・。」


「そういうこと~。じゃあ、柊、案内してよ!」


そういうと静かに歩き出した柊君に、



「え?どういうこと?」


私は戸惑うばかりであった。



「まあ、柊についていけば分かるって。」


しばらく歩いたところで私達は墓場に案内されたのであった。



「って、ここは?」


その私の言葉に天野がいつもの顔とは違う顔を浮かべて、



「私の後輩ちゃんで・・・


 柊の元彼女が眠るお墓があるところだよ。」


「・・・え?」


私は天野が言っている意味が分からないまま、

2人の後を追って歩いていくのであった。


しばらく歩くと2人は一つのお墓の前にいた。


“谷口”


そこに刻まれていた名前だ。


・・・この人が柊君の元彼女?


手慣れたように2人は手を合わせて、お墓の掃除をする。

私も2人の手伝いをするのだが、勝手がわからず、

結局は2人の作業を眺めるだけであった。



「事故で亡くなったんです。1カ月ちょと前に・・・。」


柊君がポツポツと谷口さんについて話してくれた。

そこで、初めて柊君という人のことが少しわかってきた。

特に・・・


柊君に取って谷口さんがどれだけ好きだったのということが・・・


一途なんだな・・・


正直言って、私は恋愛らしい恋愛をしたことはない。

そもそも誰かを好きになったことがないのだ。


・・・よく天野からお子ちゃまとおちょくられるが、

ならないものはならないのだから仕方がない・・・


そんな私からみても柊君の一途さは分かってしまう。

こんな人に好きになってもらえたら幸せなんだろうな・・・



「・・・墓参りが終わりましたけど、これからどうするんですか?」


「う~ん・・・どうしようか?

 何にも考えてなかったわ。

 ・・・そう言えばこの辺りに温水プールあったよね!泳ぎに行く?」


「はぁ~!?何でプールなのよ?水着なんってもってきてないわよ?」


「水着何ってレンタルすればいいじゃない!

 それに落ち込んでる後輩を励ますために美女2人の水着姿を見せたら

 健全な男の子なら一発で元気になるよ!ねー柊?」


「・・・ノーコメントで。」


「あ!?そういうことか!!」


何が分かったのか、天野はそれなら仕方ないか~っと言っている。



「どういうこと?」


私の質問に天野が、



「いや、確かに美少女が2人いるけど・・・


 1人は残念体型だからさ・・・。

 

 私と並んだ水着姿になると可哀想だと思ってんだよ。」


「ちょっとまってよね!!その残念体型ってもしかして私のこと言ってる!!!」


「えぇ~、名前は出してないけど~。」


「この場に2人しか女の子はいないからね!!

 天野が違うのなら私しかしないじゃない!!

 言っときますけどね、私は標準だから!ちゃんとそれなりには出てます!!

 天野と比べるからでてないみたいに見えるだけだから!!」


「ほんとに~?

 体育の授業とか水泳の時にチェックしてるけどそんな風には見えないけどね~。」


「よし!!その喧嘩買ってあげるわよ!!」


喧騒な雰囲気になったところで、



「ストーーープ!!お墓の前で暴れないでくださいね。

 それじゃあ、ちょうどお昼だし、この近くにあるカフェにでも行きましょうか?」


「さんせーい!ちょうど坂井をおちょくり過ぎて喉が渇いたしね。」


「やっぱりおちょくってたんじゃん!!!」


「はいはい、2人とも落ち着いて!行きますよー。」


天野を睨みつつ柊君の後ろをついていくのであった。

カフェにつくと私も天野もすっかり美味しいパンケーキに心を奪われて

堪能するのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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