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柊君へ  作者: Taさん
第一章
10/254

大野さん ~1~

次の方は面白い方です。

私と柊との出会いは、私が小学校5年生、柊が4年生の時だ。

小学校であるクラブ活動で同じ焼き物クラブに入っていたのだが、最初の接点である。



「豪快に空気抜きしてるね~。」


身長が高い柊が、背伸びをして持ち上げて、粘土板に叩きつける粘土の音は

かなり大きくて、みんなが驚くほどであった。


「ついでだから、私の土も空気抜きしてよ。」


そういて差し出すのだが、


「何で人のまでしな・・・イタたたぁ!!!」


生意気な意見を言おうとした柊のほっぺをつまんで

それ以上言わせないようにしてやった。


「心が狭いな~。そんなことじゃあ、いい男なんかにはなれないよ。」


私がニヤニヤしてそう告げると、


「別にいい男何かめ・・イタいって!!」


また生意気なことを言ってきたので、またほっぺをつまんでやる。


「それに敬語を使え!私は君よりも年上なんだからね!!」


それが初めて柊とやり取りをした最初である。


その後も校内であったら、私はスッと柊の後ろに回ってほっぺをつまんだり、

堂々と正面から柊のほっぺをつまんだり、触ったりしていたのである。


「・・・どうしてこんなことするんですか?」


「え?だって、柊のほっぺが柔らかくて気持ちがいいんだもん!」


「・・・そうですか・・・。」


どうやら観念したようで、それ以降は私に無条件で触らせるようになった。

しばらくは私にとって柊は、柔らかいほっぺの持ち主とういうのが私の認識だった。


小学校6年生に上がって、次のクラブを決めなくてはいけなくなったのだが、

そんな時に柊のことが頭をよぎる。


「あいつ・・・何のクラブに入るんだろうか?」


確か、水泳とか書道、ピアノとかやっているとか言ってたから、

そこら辺を選ぶんだろうな・・・


そんなことを考えている時というのは不思議で、

考えている人に偶然会えることがある。


・・・下駄箱で待っているのが偶然じゃないって?


私の中で偶然なのだから、偶然なのです!


「ひーいーらーぎー!」


ほっぺをぷにぷにしながら柊に話しかける。


「・・・何でしょうか?」


不貞腐れたように返事をしてくるので思わず・・・


ドス!!


柊のお腹に一発正拳突きがお見舞いされることになったのだ。

ああ、言い忘れましたが、私!空手を少々習っております!!


予想だにしなかった正拳突きを食らってか、呻いていたいた柊に、


「どこのクラブに入るか決めた?」


お腹がいたいのだろう。まだお腹をさすっている。


「そんな本気で殴ってないよ~。ほら、答えは?」


そういって、顔を無理やり私の方を向かせたのであった。

ちょっと涙目になっている柊を見ると・・・


「あ?やり過ぎた?」


慌てて柊を抱きしめつつ、頭を撫でてあげる。


「ごめんね~。」


謝りながら頭をさらに撫でようとしたところで、

柊からが抱きしめている私を振り払い、距離をとりながら、


「クラブはバトミントンを選択するつもりです。」


少し警戒をして、私と距離をとる柊。


う~ん、もう少し柊を撫でてあげたいのだが、

柊も中国拳法をやっているらしくて、なかなかスキがない・・・。

やっぱり油断しているところをやらないとな・・・。


「じゃあ、私もバトミントンクラブにするから宜しくね~!」


そういって、柊の元から去っていき、校庭で遊んでいた友達と合流して

一緒に遊んで、一緒に帰った。

頭の中では柊がバトミントンを選んだことに驚いていたのだが・・・


まあ、柊はかわってるからね


たぶん、今までやったことがないからだとかいう理由で選んでそうだな。




「・・・本当にバトミントンクラブに入ったんですね?」


私の姿を見て呆れたような声をだす柊。


「うん?ちゃんとバトミントンクラブに入るって言ったよね?」


「それは言ってましたけど・・・。」


「こっちが私の友達の菅ちゃん!じゃあ、みんなでバトミントンしようね!」


こうして、毎週クラブの時間は柊と私、菅ちゃん、それと柊と同級生の男の4人で

試合をするようになったのであった。


私がそんな選び方をしたのに、ちょっと呆れ気味の柊が面白かったな・・・




中学に私が上がる頃には、男女での微妙な溝が生まれていた。

それは周りが私を同級生と言うよりかは、女の子として認識しだしたことだろう。


「大野さん、好きです!付き合ってください!!」


「ええっと・・・私、貴方のこと知らないし・・・。」


「それなら付き合ってから、お互い知っていけばいいじゃん!!」


どうにかして私と付き合いたいのだろうか、

必死に食い下がってくるのだが・・・


「ごめんね。私、好きな人がいるから。」


「だ、誰!?誰だよ???」


「それをあなたに教えなきゃいけない理由はないよね~。ごめんね。」


「そんな~」と後ろから聞こえてくるのだが、その言葉には反応せずに

急いでその場を私は立ち去っていく。


「はぁ~・・・これで何回目かな・・・。」


中学に入ってから先輩に告白されて、同級生からも告白されている。


今まで、一緒にはしゃいでいたクラスメイト達という認識しかない私にとって

そんな思いが全く湧いてきていないというのに・・・。

正直異性に対して、好きだという気持ちはまだ認識できてはいなかった。


一番困ったのは、陸上部に入った私なのだが、

ハードルを専門にしてから周りからのやっかみを

非常に買うようになっていた。


同じ陸上部、更にはハードルをやっている同級生が学校一のイケメン柳川君。

その彼が私を好きだと言うのだ。


これにはホトホト困ってしまう


同性には恨まれてしまうし、陰口もたたかれる。

異性からは、この柳川君が性格もいいので周りの友達が

みんなで私に勧めてきて、外堀から埋めていくのであった。


試合が終わっって帰る時に、なぜか帰りが2人っきりになったり・・・


市内の大きなお祭りに陸上部で行くとことになったはずなのに

集合場所にはこの柳川君しかいなかったり・・・


挙句の果てには休みの日に私の家に柳川君と

その友達が遊びに来たりするのだ・・・


終いには、なぜかみんなから柳川君にバレンタインデーの日に

チョコを渡すことを催促される始末である。


あまりに周りから促されるのだが、全く興味のない柳川君にチョコを

渡したりするとあらぬ誤解が生まれてしまうので渡すことはなかったのだが・・・


「ちょっと、大野さん、話があるんだけど・・・。」


バレンタインデーの日になぜか逆に柳川君から呼び出しを受けることになったのだ。


「今日は何か学校自体がウキウキしているみたいだね。」


柳川君のセリフに思わず苦笑してしまう。


「なーんか、そんな感じがするね。」


「やっぱりバレンタインデーだからだからね。」


「私の友達もチョコを用意してたりして、渡すのいつにするかと話してたよー。」


「男もいつもらえるのかとかそわそわしてるんだよね。

 ただ、人前では貰いにくとかあってさ・・・。」


そこまで言われて私は気づいたのだ・・・


てっきり、この柳川君は私に告白してくるものだと思っていて、

どうやって断るかとか、だけど同じ陸上部だから、この話をうやむやにして

今後の部活内での関係を気まずいものにしないようにするにはなどを考えていたのだが、


私から・・・


チョコを貰えると思っている!


しかも、私て来ないのは、人前だからとか思って、

ちゃんと人目につかないところに呼んだのだ。


・・・ああ、本気で困った・・・


そもそもチョコすらまともに用意していない私が、

この場を乗り切るのはどうしたらいいのか分からないのだ。


そんな時に助け船が下りてきた!


「1年1組の大野、至急職員室まで来るように。繰り返す・・・。」


私はすぐに「ごめんね」と言ってその場を立ち去った。

だけど、私と柳川君が校舎裏に行ったことは他の人から見られていて、

更には柳川君も・・・


「大野さんから呼び出しされたんだけど、先生からの呼び出しで途中で終わったよ。」


「先生もバレンタインデーなのに呼び出し何かしなくてもいいのにな!」


柳川君とその周りの同級生が盛り上がっていくのだけど・・・


・・・私があなたに呼びだされたんですけど!!


この発言が周りに伝わって益々、私と柳川君をくっつけようとする動きが加速していった。

それになぜか、ホワイトデーではお返しのチョコ?が渡された。


おかしいな?私はあげてないのにな・・・


気づいた点は修正・追加していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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