表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギフトボックス  作者: つまらなくて御免
3/3

姫と影と不幸~

目覚めてからと言うもの、食料召喚の蒟蒻ゼリーを永遠と食している。

美味しいから。


まぁそこで新たに気付いたことがあるのだが、

同じ食材を食してもバフ効果が重ね掛けできるようだった。

さっきから蒟蒻ゼリーを10個ほど食しているが、

バフの効果が丸まる重ねられていて

魔耐性と素早さが50も上がっている。


一口サイズのゼリーなんてサクサク口に入るもんだから、

あと20個ほど食えそうな気がする。


ステータス的には、あと20個を食べれば総計の素早さが150程上がるのだから、世界の見え方もかなり面白いことになりそうだ。


結果として30個の蒟蒻ゼリーを食した俺は、

敵の討伐の為、市街地を後にする。


この間の反省をもとに、短剣を購入したので、

カレーライスなど食べずとも攻撃力のステータスは200も上がっていたので戦闘に余裕が出来そうだ。


200って上がり幅はチートかと思ったが、食料食うだけで50も攻撃力が上がる俺の【異能】で考えると、

割と普通と言って差し支えないだろう。


なんなら今日はこれから首飾りの鑑定をしに武器屋に立ち寄る予定なので、

その際に最高峰の剣とやらを調べてみるか。


素早さ150上昇に感動を覚えながら敵をサクサクと倒していくと、

少し異様なメンバーともとれる一つの集団が狩場を占領していた。


その集団は男5人、女一人という、まぁ何というかどういう組み合わせでこうなったのか

気にならずにいられない集団だった。


メンバー構成が女5人、男1人だったら集団に突撃していって、人間関係をめちゃくちゃにしようと考えたが、それは妄想の中の話なので、特に意味はない。


あんまり集団を見ていたら怪しまれると思ったので、早々にその場から退散した。


市街地へ戻ると、人々が口をそろえて、「異国の姫が5人の従者を連れてこの街に来た」と言っていた。


はぁ、あの集団はその一行かと合点のいった俺は、何をしに来たのかが気になったので、

帰りに立ち寄った武器屋の主人に尋ねてみた。


どうやら、その一行の姫は【従える者】という【異能】で人々を従者にして歩き回っているらしい。

それだけ聞いて洗脳系の異能かと思ったが、

どうも従者になる前に、すでに姫自信に忠誠を誓っていないと【異能】の対象にならないらしい。


「どうにも、使い勝手が悪くないか?その【異能】。

事前に忠誠を誓ってなければ従者に出来ないのであれば、

異能を使わずとも忠誠者がいたってことだろ。あまり【異能】の意味がない気が。」


俺が率直に思ったことを口にすると武器屋はなおも続けた。


姫による【異能】で従者になった者はステータスが3倍になるという恩恵を受けられるらしい。

それって国を作れる素質なのでは・・・。


忠誠心あるもの全てを従え、ステータスが全員3倍・・?

あっという間に軍の完成だ。

何その【異能】チート過ぎる。


自信のステータスは変わらないようだが、従者を増やすことで、

個人の限界を遥かに超える力を持つことが出来るのか。


これはまた、Lv持ち異能じゃないのに圧倒的な強さだ。

もう世の中の全員、姫に忠誠を誓ってステータス三倍にして、

ボス討伐にいけばクリアになるのでは?と思考した。


まぁ全員が全員、忠誠も誓う奴ばかりではないから

そううまく事が運ぶとは思えない。


だが、この姫がきっとこの【ギフトボックス】のキー人物になるであろうと、俺は予測した。


これ以上の事を聞き出そうとしたが、

武器屋はこれ以上の情報を知らないというので、

それもそうかと本来の要件に戻る。

首飾りの鑑定だ。


鑑定にか無論対価が必要で俺は5000円を支払った。

ちなみにゴブリン一匹の討伐で100円手に入るので、

このくらいの金額は俺以外のだれでもすぐに手に入るだろう。

なんならスモールべアの討伐時に50000円も落としたので、

金にはだいぶ余裕があった。


武器屋が鑑定すると首飾りは大したバフ効果があるわけではなかった。


名前:十字キラーのネックレス。

説明:十字キラーギルドのメンバーの証。


武器屋が言うに、十字キラーと言うのは最近できた烏合の集のチームの名前のようだ。

ギルドに属した者は何らかの形でそのギルドのメンバーである証を持つルールがあるそうで、

それはその一品という事がわかった。


別に身に着けるものでなくても、合言葉や入れ墨などでもよいらしい。


この首飾りをつけたら十字キラーの一員になれるのかと確認したら、

やめとけと言われた。


十字キラーは素行不良集団らしく【ギフトゲーム】に永住することを目的とした集団という事がわかった。


いわゆるPKプレイヤーキルは行われていないが、

現在の活動内容から既に嫌われ者の軍団だそうで、

その一員というだけで卑下されるのだとか。


普段から強盗や、強姦などをしているクズ代表メンバーらしい。

金にものを言わせ、【ギフトボックス】の生活を謳歌している。


成敗してやりたい気がしないでもないが、

生憎俺では歯が立たないだろう。


首飾りは不要なので、買い取ってくれと頼んだが、

いらん、その辺に捨て置けと言うので、ひとまずポッケにしまい込んだ。


武器屋から出ると何やら人が騒ぎ立てていた。


「あ、あいつすっよ。あの洞窟から出てきた二人組の一人って。」


一人がそういうと俺に衆目が集まった。


「???」


一人状況を呑み込めずいると、

その人込みから風格漂う如何にも悪人ズラした奴がこういった。


「お前か。俺のギルドメンバーを殺したっていうのは。」


「は?俺が?なぜ?」


話を聞くにどうやら勘違いで人殺しの濡れ衣を俺が掴んでいるらしかった。

全く違う、無関係だと主張し、何とか信じてもらったが。

金目の物を置いて行けと言われる始末。


素直にいう事を聞くのは癪だが、

見た目だけでこいつは俺より強いと直感した。

渋々ポケットから財布を取り出す。


「あんだ、おめぇ500円しかないじゃねぇか」


俺はあまり金を持ち歩かない。財布の中身は基本必要経費+500円。

残念だったな。


俺は踵を返そうとする。


「まて、まだポケットに何か入っているな。」


俺は首飾りを素直に取り出し、いらないからやるよと投げつけた。


「ほう・・・。これは宣戦布告と取っていいかね。」


その瞬間、俺の頭に高速で最悪の状況が思い描かれた。

こいつらは十字キラーギルドで、俺がそのメンバー殺害者の濡れ衣を自ら被ったことに。


「・・・食料召喚、カレー!!」

俺はカレーを召喚し、そいつめがけて投げつけた。

その後脱兎の如く市街地をかけ抜け、逃亡した。

素早さ150上昇は伊達ではなく、あっという間に距離を離した。


人目につかぬところまで、全力でかけた俺は、一日の不幸さ嘆息せずにはいられなかった。

追いつかれる心配はないだろうが、あいつらの目の前に顔を出すことはもう出来ないだろうから、

しばらくナリを潜める必要があるだろう。


ふと足元に目を落すと異様な違和感に襲われた。


「影が・・・動いた・・?」


明らかに動いたのだ。

立ち止まってる俺の影が意図せぬ動きをしたのだ。


次の瞬きの直後、影は俺に向かって鋭利な刃物を突き刺した。


俺の【異能】から逃げられると思ってるのか・・・?


影の口からそんな声が聞こえたような気がした。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ