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オーバーワールド~略奪系能力を使って異世界最強へ~  作者: Mikumo
序章─転生者・雨宮ユウキ─
4/17

勝利はこの手に。

「俺はお前が大っ嫌いだっ!」


右拳に力を溜める。右足にまた力を溜め地面を抉るようにして熊兎目掛けて跳躍する。


「死ね」


右横腹目掛けての一撃クリーンヒット。


「ギャルアぁぁ!!」


思わぬ一撃を受けた熊兎は悲痛な叫びを上げ吹っ飛ばされる。殴った後ユウキは華麗に着地する。絶大なパワーを放ったことに気づいたユウキは自分の手をマジマジと見る。そして笑う。


「スゲェな……。まさか俺の能力(スキル)は増強系……。そんなこと、関係ねぇよな。まずはお前を喰う。悩むのはその後だ」


熊兎を鋭く見ながら不気味に笑う。唸る熊兎は四足歩行状態になりユウキとは明後日の方向へ逃げる。どうやらさっきの一撃をくらって危機を察したのだろう。

──まぁ


「無駄だけどね」


再び足に力を溜める。地面を蹴飛ばし急接近。熊兎の反応は遅れてユウキを見る。


「ガゥア!!」


「また横腹を狙うのか!? 無駄って言ってんだろ!」


空中で体制を整え回転を始める。迫り来る巨大な腕に遠心力の掛かった小さな拳を撃ち込む。


「名付けて『回転弾(ライフル)』! 決まると気持ちいね!」


熊兎の腕は肘を境にして吹き飛ぶ。熊兎の腕からは真新しい黒い血が吹き出ている。


「ガル……ル……ラァァァッッッ!!」


「おー、怒ったか? 死ぬのか? もう死ねよ。正直お前の顔は見飽きたし勝ちは見えてる。あと最初に言ったよなぁ」


最後の最後に右拳を作る。その拳を天に掲げる。


「俺はお前が大っ嫌いだ、って……!」


パンチ一発だけで、多分だが木々が数十本へし折れる程のパワー。


「全力ぅ……! パァァァンチッ!」


そのパワーがモロに熊兎の巨体を上空へ吹っ飛ばす。とうとう息の根が止まった熊兎の一部を掴み自分の口へ運ぶ。


「ウッえっ……! ペッペッ! 生臭ぇ! でも喰ってやるって宣言したからな……。ちょっとだけ喰えばいっか……」


口元に付いた生臭い血を腕で拭き取る。ふぅ、と小さくため息を吐く。いつの間にか左目は元の黒色に戻っていた。


「ご馳走様……熊兎……お前焼くと美味しいかもな……」


切実に語る。


▽▼▽

【雨宮ユウキのステータス】

能力(スキル)

・不明

破壊(ブレイク)

特殊能力(アビリティ)

・肉体強化・嗅覚強化・聴覚強化・視力強化

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