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三話

「わあ、お兄さんのステータス凄い~! バランス、悪う~」


「「「凸凹(デコボコ)だ~」」」


 天使達が守のステータスを見て、声を上げる。

 守もそれに酷く同感だ。

 何かに特化していればいいというわけではない、大事なのはバランスである。どうやったら、こんなにも凸凹ステータが出来上がるのだろうか。


「ほほう。体力は平均以下だが、魔力が馬鹿げておるな。魔力だけなら、我々同等、いやそれ以上かもしれないのう。それに見たこともないスキルばかりじゃ」


 爺さんも驚きの声を上げる。魔力だけなら守はチートというわけだ。全然嬉しくない。体力が平均以下とか……下手したら雑魚モンスターの一撃でもすら、あの世行きだ。全くシャレにならない。


「いや、俺のステータス、凸凹過ぎるだろう。爺さん、一応神様なんだから、俺のステータスをもう少しバランスよくしてくれないか?」


 個人的には魔力なんかよりも体力が欲しい。雑魚モンスターの一撃であの世の行きなど御免だからだ。攻撃力特化よりも、体力重視、安全第一である。


「有無、それは無理じゃ。ステータスはその者の生まれもった資質が強く反映されるものだ。いくら神といえど、そう簡単にその者の資質を捻じ曲げることは出来ないのじゃ」


「……ちっ、やっぱり役立たずな神様だな」


「お主、聞こえておるぞ。まあ、よい。儂も詫びとしてそなたに良いスキルを与えようではないか」


 爺さんはそう言って、謎の呪文を唱えた。すると守の脳内に無機質な声が響き、透明なウィンドウが飛び出してくる。


『鑑定スキルを覚えました』


「鑑定スキル……なんだこれ?」


「それは儂がお主に与えたスキルじゃよ。鑑定スキルはとにかく便利なスキルなのじゃ。ほれ、お主も自分のステータスで気になるものをポチッと押してみよ」


 守は爺さんに言われた通りに、『源泉スキル』とタッチしてみる。


【源泉スキル】

 魔力を源泉に変換することができる能力。源泉に浸かることで、何かしらの付与効果をもたらしてくれる。レベルアップすることで、様々な源泉が出せるようになり、付与効果の内容も上昇する。

『最近カサカサ肌が気になるから、さっさとレベルを上げなさい。そして私の肌を貴方の温泉で蘇られて頂戴。by美の女神』


 魔力で源泉と変換できるだと、温泉に入りたい放題ではないか!? ……で、なんだコメントは?


「ほうほう、これが神々のコメントじゃな。中々面白いスキルではないか!!」


 興奮するお爺さんを無視して、守は何気に気になっていた『神々のコメント』をタッチしてみる。


【神々のコメント】

 神様達からコメントを貰える凄いスキルで、レベルが上がれば上がるとほど神様達と親しくなることができる。友達だって夢じゃない! 上手くいけば……恋人もできちゃうかも!!

『神の信者達にとって発狂もののスキルなのじゃ。大事にするのじゃよ。byお爺さん』


……何がチートスキルだ。無視だ、無視。次に行こう。


【温泉宿スキル】

 異空間から温泉宿を召喚することができる。レベルアップすることで、施設が大きくなり、整備が良くなる。レベルアップには、お金が必要。

『ただで増築できると思ったか。世の中を舐めるな。まあ、金があるなら大きくしてやってもいいぞ。by建築の神』

『最初は苦労すると思いますが、頑張りなさい。そうすれば自ずと結果がついてきます。by商業の神』


 建築の神は金かよ。随分とケチな神だな。商業の神を見習え!


【サバイバルグッズ】

 どんなに過酷な環境であろうが、これさえあればひとまず安心。

・サバイバルナイフ:切れ味スッパスッパ。決して人には向けないように。

・竹竿:グレードアップにはお金が必要となる。

・寝袋:そこそこ安眠できる。フカフカ寝袋を目指してグレードアップしよう。

・ガスコンロ:ガスボンベの代わりに魔力ボンベを使う。

・魔力ボンベ:魔力を補給することで何度も使うことできる。

・魔力バーナー:魔力を燃焼させて、熱源または光源とする装置。魔力ボンベで装着して使う。火属性がなくても使うことができる。

・調理器具一式

・調味料:なくなったら、お金で買おう!!

・その他

『逞しく生きよ。by戦いの神』


……何だこのチートスキルは!? 神々のコメントなんかよりもよっぽど使える! そしてこの神のコメントがなんかかっこいいぞ!


【用具入れ】

・ハンマー:これで人を殴らないように。

・ハサミ:凶器ではありません。

・ペンチ

・ほうき

・ブラシとたわし:ゴシゴシ

・洗剤:これを使うことでどんな油汚れだろうがピカピカに!

『浴槽が汚いと、温泉のお湯まで汚くなる。だから、使った時はしっかり洗うんだ。by水の神』


 ……そのまんまんだな。まあ、毎日洗うつもりだけど。


 守は取り敢えず、自分のユニークスキルについて調べ、一つの結論に辿り着いた。


『温泉に入りたい俺が、温泉宿を開いてどうするんだよ!!』

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