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掌編小説集6 (251話~300話)

大ヒットゲーム

作者: 蹴沢缶九郎

夢を見た。それはゲームの夢だった。一組のトランプと数個のサイコロを用意し、紙に書いた陣地を奪い合うという戦略ゲームの夢。


仮に、まだ知られていないこのゲームが世に出れば、ルールのシンプルさと奥深い戦略性で、老若男女、誰しもが夢中になり、大ヒットする事は間違いなかった。何故今まで、こんな素晴らしいゲームを誰も思い付かなかったのか…。ゲームの歴史を塗り替えると言っても過言ではない。


しかし、夢に見たそのゲームを人間に伝える(すべ)を知らない犬にはどうする事も出来ず、よってゲームが世に出る事もなかった。

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