紅月明日香
紅月明日香、月川高校に通って居たけれど帰り道で工事現場前にて、鉄骨の落下に巻き込まれて死んでしまった。
享年18歳。
月川高校は地元ではそこそこ有名で、偏差値も高かった。
けど今となっては過去の話。
大学入試の試験勉強で夏期講習に通っていた時だった。
この日は午前中だけで帰宅後は、VR世界で少しだけ友人と勉強する約束をしていた。 VRゲームもそこそこにはやっていたけれど、高3になってからはラノベまではOK、ゲームは駄目だと自分で決めていた。
その中でのデータはVR機器内に全て保存されるので、簡単に過去の起動時の内容を確認できる。なので遊ぶ約束などは一切しなかった。
けれども、その約束は果たされず終わった。
気がつくと、わたくしは横になっていました。てっきり、ベッドにでも転がっているのと思っていたのですけれど――はっ!
そう言えば、鉄骨の落下に巻き込まれたと思っていましたのに痛みが全くないですわ。それどころか体に傷一つ見当たりません。一体何があったのかしら…。
「お気づきになられましたか?」
「はい。と言うか、あなたは誰ですの?」
「私ですか?私は転送局の管理人の一人、カナエです。」
「わ、わたくしはどうなったのですの?」
「それは……紅月明日香さん自身が一番良く理解していらっしゃると思います…。」
「まさか……死んだのです?」
「……。」
「冗談ですわよね?冗談っていって下さいませ!カナエさん!」
「……冗談では…ありません。……あなたは…お亡くなりに……なられました。」
明日香は絶句した。あまりの衝撃に、再び意識を失った。