翼の折れた天使
生きることは、ホントに辛いことだと思う――
コンビニの帰り道のことだ。
車に跳ねられた鳩を見つけた。
みんな、気持ち悪そうにその鳩を蔑んでいた……。
ボクも、気持ち悪いなとは思った。
可哀想とは、全然思わずに。
ああ、全くもって気持ち悪いと。
だけど――
気が付けば、ボクは鳩を抱いていた。
コンビニの袋を右手に、鳩を左手に抱いて。
鳩の身体は、まだ体温が残っていた。
すごく、すごく温かかった。
きっと、轢かれた直後だったのだろう。
けれども、ぐったりとしていて血も出ているために
即死であろうことは十分に理解できた。
けれども、可哀想だとは全然思わなかった。
お墓を作ってあげた。
といっても、その辺の公園の植木の端に。
小さな穴を掘って、そこに埋めて、石をちょこんと乗せただけの
簡素なお墓だ。
けれどもボクは、最期まで鳩を可哀想だとは思わなかった。
そう、最期まで――。
そしてボクは、手を合わせてそのまま家に帰った。
そうして、ボクは首を吊って自殺をした――。