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虫めがね

作者: 水鳥

虫めがねで今日を見てみたら、緑色をした葉の上に赤の大きなてんとう虫がニ匹仲良く並んでいた。しかし、いくらのぞいてもあしたは見えなかった。



「バカ野郎!!お前なんか死んじまえ。」そんな言葉をいつまでも笑いながら上手くかわすことが出来たならいいけれど、そうもいかなくなる日が来るのがたまらなく恐ろしい。心理学の先生達がより嘘らしく、いや、本当らしく真面目くさった顔で皆、一斉に口を開く。「自分自身が一番わからない生き物なんですよ。」と。あぁ、確かにそうかもしれないと思う。一寸先も見えぬような未来を案じて身動きにまで支障を来たしているようではいけないか。しかし、見えぬものは見えぬ。それもまた恐ろしい。この先、幸運続きであったなら思い悩むこともないのだが・・。それでさえも分からぬ。いや、本当は分かっているのだ。幸運続きにはこの先悲しいかな、ならないということだけは。悲しいかな。それでも信じていたいのだ。そうでなければ今を保つことができない。私はやはり心のどこかで甘えているのだろうか。



梅雨のせいか雨がひどく降りしきる。家の中でも子供部屋の中でも雨音が誰かの足音のように低く響く。



鼓動が聞こえる。自然と涙が頬を伝う。幸せのかたち、初めて見つけた瞬間。これから行く末だなんて全て無視してしまえばいい。私はいつまでも愚かなまま。



I love me.  自己中心的なの。仕方ないなんて言わないで。だって、みんなそうでしょう?



みんな泣いたらどうしようもないじゃない。その前に演技が下手ね。そのくらいすぐに片付けてしまいなさい。みっともないわ。



「続きはあしたね。」 あしたって?あしたって?

僕はあしたよりも今日の方が大事なのに。



虫めがねをのぞいても、結局は世界が大きく見えるだけ。その先は何も救えなければ何も見えやしない。あしたなんて特に難しい。そうやって虫めがねでのぞいている間にも現在は過去になって消え去ってしまう。刻一刻と今日はあしたへつながってゆく。その流れは止められない。愚かな人間にはいつまで経っても止められない。虫めがねであしたを見ているうちに、私達は現実に引き戻される。地球に操られる。従わなくてもどうせ同じこと。結果的には従うことになる。弱い人間の弱い根底。生き物、弱い者同士、何かを探しあう。その喧嘩を見てみぬふりをする地球。力関係は一目で判断がつく。どれが誠実なのかなんて今は問題ではない。




人間の愚かさ、明日のほの暗さ、地球のサイクルについて雰囲気作りをしました。少し理解が難しいと思いますが、そういう方はひとつひとつをまずは切り離してお考え下さい。これを書く上の手法は、太宰治の「晩年」の「葉」から学んだものです。

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― 新着の感想 ―
[一言] インテリぶった阿呆ほど読みづらい文を書くもんですね あなたの作品は文学なのか持論のひけらかしなのかはっきりして頂きたい
[一言] 文体や言葉の流れ、世界観が素敵でした。太宰の「葉」とはまた違った魅力が表せていると思います。 これからも良い作品を期待しています。
[一言] (続きです) 作品の世界に浸ることができたら、読者さんはきっと感想を送ってくださると思いますよ。 長々と偉そうに言ってしまいすみませんでした。 でも、より多くの面白い作品が生まれること…
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