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No.6 彼視点「再会」
人生の中で、大事で、でも重たいもの。——結婚。
まだ前向きに考えられない中で、
彼女の口から何度も出てくる「結婚」という言葉に、
少しずつ嫌気がさしていた。
そんなとき、気分転換に出かけた先で出会ったあの子。
若くて、結婚に興味がない。
一緒にいて、ただ楽だった。
楽しくて、彼女に嘘をついて会いに行ったこともある。
でも、あくまで遊びのつもりだった。
本気ではない。
気づけば、彼女のことはずっと放っていた。
だから今日は、久しぶりに彼女と会う日。
——あの言葉は、できれば聞きたくない。
ジャラジャラ……
目の前で、小銭が散らばる音がした。
最初は見て見ぬふりをしようと思ったが、
彼女が拾い始めたので、仕方なく手を貸す。
そのとき、彼女の表情がぱっと明るくなった。
「久しぶり」
誰だ……?
ぼんやりとした記憶のまま、
とりあえず愛想笑いを返す。
拾った小銭を渡し、その場を離れたあと——
ふと思い出した。
彼女の親友か。
……まあ、もう俺には関係のない人だ




