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幕間:レナルドレポート(オーウェン視点)

このお話は世界観設定中心のため、用語が複数出てきます。

今までのお話とやや色が異なりますが、楽しんでいただけると嬉しいです!



国家の英雄からレポートを受け取り、退出した後の所長室。私の執務室ですが、彼がいるのといないのでは雰囲気が変わりますね。


「コーヒーでも淹れましょうか」


私はオーウェン・ベイリー。上級貴族として、治安所の所長職を務めております。

なかなか治安が安定しない日々の中、悩みのタネがありました。部下の一人、ブラント・シュリーブです。でも、それは過去の話。ブラントが殉職しかけた事件。その復帰直後に成果を上げるという、まさに奇跡のような事がありました。まあ、チェンバレン様の助力あってこそでしょうけど。


ただ、悩みというものは尽きないもので、新たな問題が起こりました。現段階では判断しようがありません。



「まずはレポートを読んでから、ですね」


適温になったコーヒーを一口。苦み走った香ばしさが、いつもより濃く感じます。湯量を間違えたか、それとも気が重いせいでしょうか。


レポートはゴーレム遭遇に至るまでの経緯から始まりました。

ブラントはよくやれているようです。冷静に情報を分析し、不足分を補う。そして、市民からの協力を得て事件の解決に繋がったと。


一方、チェンバレン様はゴーレムの属性を分析し、得意としている属性で対処したようですね。セオリーに囚われない発想力は、さすがですね。



これで大体の流れはわかりましたが、いよいよ本題というところでしょうか。


「では、宝玉について、見てみましょう」


宝玉は赤く発光していたとあります。魔法色から、火属性で間違いないでしょう。これはゴーレムの土属性と相性が良く、土属性を【増幅】し、自己回復が可能だったという事ですね。


「膨大な魔力を内包すると伝わる宝玉ーー無尽蔵な回復もできそうですね」


我ながら怖い想像をしてしまいました。気を取り直して次の項に目を通します。



「さて、ゴーレムの中から人が出てきたと報告されましたが……」


この項には、まず人間とゴーレムの属性について書かれていました。どちらも土属性であり、相互強化である【共鳴】状態にあったという考察ですね。

ゴーレムは人を覆い、鎧のような状態に。一方人間は、ゴーレムの外見を人型に変容させ、駆動の効率化を図ったと。


「確かに人型のゴーレムは、聞いた事がありませんねーー」



レポートを読み終わり、ソファに体を預ける。自然とため息が漏れます。

濃厚な内容でしたが、回収された宝玉が既に神殿にあるのは幸いでした。もっとも、封印なり鎮静化はそれなりに時間はかかるでしょうけど。


ただ、懸念があります。それは、レポート最後にあった、チェンバレン様の推測。なかなか突拍子もないような考察でしたが……



「人工宝玉……ですか」


神話や歴史書でしか知らない宝玉が、現代にあり、しかも人工製造された可能性?

想像以上の事態になっていませんかね? これはさすがに私の手には余ります……


「……チェンバレン様と相談するべきですね」


マグカップに手をやると、コーヒーはすっかり冷めていました。それほど時間が経っていたのでしょうか。

確かに報告書は想像以上の内容でした。溜息しか出ません。

重苦しい気持ちを洗い流そうと、マグカップに口をつけ、一口――



「……苦いですね」



やはり湯量を間違えましたね。


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