異人間(ヒューマン)の再開 2
今回は長めに出しました。
「師匠の両親はどんな人でしたか?」
「どうしたんだ急に?」
「師匠はあまり自分の事を話さないから教えて貰おうかって思いまして。」
「こうして産まれてはいるが、親の顔を見た事は一回もないな。」
「それはどういう事ですか?」
「お前と同じ捨て子だったんだよ。孤児院の人達から色々してもらって今の俺がいるしな。」
「その時から剛さんと知り合いだったんですか?」
「嫌、剛と会ったのはもう少し先だ。それに俺は上五島出身でもないしな。」
「じゃあ師匠の出身は何処なんですか?」
「此処愛媛だけど?」
「え、師匠それ初耳なんですけど!?」
「そりゃあ言ってないから当然だ。」
「師匠はその時から新人類と異人類が手を取り合う事が出来るって思ってたんですか?」
「まあな、あの時は新人類も異人類も仲が良かった。だが、今の新人類は俺達を敵だのなんだの言っている。出来れば、あの頃にまた戻りたいと思うよ。」
「そういえば、堂島を石手寺の入り口に置いて来ましたが、大丈夫なんですかね。」
「まあ、卒業旅行で来てるだけだから良いだろ。風香ちゃんの事が気になるのか?」
「そんなんじゃありません、ただ周辺の人達の噂で新人隊がここら辺を回っているらしいです。」
「それは何故だ?」
「此処に俺達以外の異人類がいる話だそうですが、師匠が知ってる中で異人類は石手寺周辺にいますか?」
「ん〜、いない。ほぼ異人類は絶滅寸前なんだ。俺の知り合いは此処にはそこまでいないだろ。それよりも早く風香ちゃんの所へ行った方が良いだろ。戻るぞ葉山!」
「分かりました師匠!」
石手寺 入り口付近
「衛門三郎って確か四国霊場にまつわる伝説上の人じゃないですか!?」
「なんと、そこまで知っていたとはな異人類のお嬢さん。」
「な、何故私が異人類って事を?後、貴方は三代目って言いませんでしたか?衛門三郎の意思を継ぐ貴方は一体何者なんですか?」
「私の本名は伊藤禮次郎と言いますが、今は衛門三郎の三代目候補をしております。なので、本格的な三代目ではございません。そして、私は新人類に革命を起こそうと企てているいます。」
「革命?まさか、また戦争を起こそうとしてるんですか!?」
「そうですね。私はこの腐った世界を一回ゼロに変えた方が良いと考えているのですよ。私も実は異人類でしてね、私の父が二代目を継いでいたのについ最近新人類の手によって殺されました。よって、私は異人類達を集めて革命をしたいのですよ。異人類が差別されるこの世の中を変える為に!」
「その危険性があるから私達新人類は貴方達異人類を絶滅する事を望んでいるんですけどね。」
「まさか新人隊!?」
「おや、我々の事を知っていましたか。」
「ふん、愛媛にも来ていたとは初耳ですよ人殺し。」
「それは、貴方達異人類も人の事は言えないでしょう。」
「新人類、お前達が私達にした事を忘れさせない!あの戦争を起こしたキッカケはお前達新人類だ!」
「その戦争の結果はもう出たでしょう。無駄な争いが起こる前に私達は貴方達異人類の絶滅させるだけだ!」
「ふん、我ら異人類の力がないと何もできなかった猿が何を言う!」
「大丈夫か堂島!」
「この声は、葉山君!?ダメ此処に来ると新人隊が!」
「知ってるよ風香ちゃん。間に合って良かった、何があ・・・・・・・禮、お前は禮なのか?」
「何かと思ったら久し振りだな神谷、どうだ新人類!これで舞台は揃ったぞ。」
「まだこんなに異人類がいるとはな。今日の夜までにお前達を殺す、逃げても無駄だ。最後まで追い詰めて殺す!これは確定事項だ。」
「何故異人類をそこまで嫌うんですか!貴方が異人類を人殺しと言うのは何故ですか?」
「お前に教える事はない異人類の女。首を洗って待ってろ。それか、今殺されたいか?」
「な、堂島危ない!」
俺は気付いた時には異能力を発動していた。新人隊の持っていた異刀が鞘から抜かれた瞬間と同時に俺は堂島を横から体で押して新人隊の目の前で両手を挙げた。
「分かった!だから、今だけは絶対それを抜かないでくれ。」
「何故拳を握らない。さっきの瞬間俺を殴るくらいの時間はあったろ。」
「俺は、新人類との戦いなんて望んでなんていないからだ!」
「ほう?」
「何を!?」
「葉山君!?」
神谷師匠以外の人達はこの瞬間一斉に声を出した。
一応言っておきますが、この時新人類は一人しか出ていません。