異人間(ヒューマン)の旅立ち 6
今回は序章の終わりを出してみました。
「本当にいいのか?お前一人で帰らせて、」
「我はこれでも一般の人よりかは力あるから大丈夫だ。サマートフォン?さえあれば一発だ。」
「それスマートフォンですよ。サマートフォンだったら略し方がサマホになっちゃいますよ。」
「じょ、冗談はその辺にして・・・マジか!?」
「アンタ絶対電子機器の扱いがヘタクソだろ!」
「何を言うか、最新技術に我が遅れを取るか!どれどれ〜」
そう言いながら剛さんはスマホを触って遊んでいると、
「ほら、これでマイクモードじゃ!」
「それ電源ないだけですから!」
「あら?この画面から変わらんくなったぞ?なんじゃこの不良品は!?」
「最新技術に全然遅れとってるじゃねえか!」
「こ、これはたまたまだから大丈夫じゃい。」
「ほら、これを充電器の穴に刺してください。」
すると剛さんは口の中に俺の渡した充電器のコンセントを入れようとした。
「何処に入れようとしてるんですか!?」
「我の充電出来るところは口だから入れようとしとるだけだ。」
「やめて下さい!スマートフォンの穴にですよ!下に大きい穴が付いてるでしょ。」
「こ、こいつ機械の癖に尻の穴があるんか!?」
「んな訳あるか!はあ、疲れるなこの人。師匠変わって下さい。」
「え、面倒臭いし俺は電子機器あんま触れないからパス。」
「嘘つけ、嵐山までバリバリスマホのマップアプリ使ってただろ!」
「てへ、バレちった。」
「可愛くねえんだよ魔法使い!」
「な、何故俺が四十過ぎてる事を!?」
「アンタの見た目じゃそんくらいに見えるわ!」
「俺、二、三十代をキープしてるように見せようとしてたのに。」
「五年も一緒にいればアンタがそんな年ではないくらい分かるわ!」
「それでは歌います。中島みゆきの海鳴り」
「何勝手にスマホをマイク代わりにしてんだ田舎ジジイ!」
「田舎ジジイとはなんじゃ!我はまだ四十だ!まだピッチピチたい。」
「剛、諦めろ。その姿で四十歳に見える奴はこの世におらんよ。せめて六十代が良いところだ。」
「え!?我はまだ五十八だから六十代ではないわ!」
「結局は嘘ついてんじゃねえか!」
「煩いな葉山とやら、もう少し落ち着かんか。若者の癖に血圧上がっとるぞ。」
「アンタが悪いんだろうが!」
数十分後
「はあ、はあ。分かりましたか?」
「もうバッチリだから心配すんな。このマイクが出てくるとこの紐の先をサマホの尻の穴に刺せば良いんじゃろ。」
「ところどころ語弊はあるけど前よりだいぶ良くなったか。それとサマホじゃなくてスマホ!」
「じゃあな剛、俺達はまた元いた街に戻ろうと考えてる。」
「何処を拠点にしとるとか?」
「拠点って大層な名目じゃねえが、基本は九州か四国におるよ。」
「だったら愛媛の石手寺に異人類の歴史が残っとったから是非愛媛に行く事をお勧めするよ。じゃあな!」
剛さんはそう言った後、石垣の道を歩いて帰っていった。
「それじゃあ休みがてら愛媛に行きますか師匠。」
「剛の奴にマップアプリの事教えたっけ?」
「あ!」
「それじゃあ行こっか。」
「教えなくて良いんですか!?」
「良いだろ、それに剛は帰り道を分かっていて俺達に嘘を言ったんだよ。俺達を今更試したんじゃないのか?」
「剛さんが・・・分かりました。変人だと思ってた剛さんは実は凄い人なんですね。」
「まあ、剛は年季があるからな。」
「それじゃあ行きましょうか、確か石手寺って言ってましたね。」
「次の目撃情報が来るまで愛媛に出発だ。行くぞ、葉山。」
「はい、ついて行きます師匠!」
数時間後
「ここ何処だ?」
次に1話で出たあのキャラが出てきます。