異人間(ヒューマン)の旅立ち 4
今回は京都の話です。
京都
「それで、師匠の仲間は何処にいるんですか?」
「それは、嵐山に猿と一緒に紛れているらしい。」
「凄い人ですね、猿と一緒に紛れて新人類から逃げている人がいるなんて人生で始めて聞きましたよ。」
「まあ、アイツは変わり者だからな。嵐山で隠れても今まで新人類達から見つからない程の実力者だ。葉山も驚くぞ!」
「師匠、そんな人間離れした人は多分人間じゃありません。」
「そりゃそうだろ、アイツは新人類じゃなくて俺達と同じ異人類だからな。」
「知ってますよ、前師匠が話してたじゃないですか。俺が言いたいのは、そんな人が師匠の協力者に成り立つんですか?」
「成り立たないと、俺は自分と弟子の命を懸けてまでここに来ない。」
言ってる事は理解できるのに、なんでそんな変わった人を助けに行かないといけないんだろう。
「それじゃあ、早速嵐山に行くぞ!」
神谷師匠はスマホのアプリを開いて、嵐山へのルートを調べて俺達は向かった。
嵐山 入り口付近
「師匠は、その人と何処で出会ったんですか?」
「アイツとは、長崎にある上五島で初めて会ったな。最初は今のように自然に溶け込む程の物好きではなかったが、イノシシを走って追いかけたり海の魚を素手で狩ったりしてたぞ。」
「(その時点で変わり者ですよ師匠!?)」
俺がそう思っていた矢先に前の竹がいきなり俺の方に移動した。
「師匠、今この竹動きませんでしたか?」
「嗚呼、紹介しよう。この竹こそが俺達の協力者である赤島剛だ。久しぶりだな剛、随分探したぞ。」
「師匠、目の前にある竹に何を話してるんですか?」
「何を言ってるんだ?剛がいるだろここに、」
「だから何処に!・・・。」
俺は見落としていた、竹は地面を滑りながら移動したんじゃなくて、"人(変態)"が竹に化けて動いていた事に、
「やっと気付いたか、我は赤島剛っていう。よろしく頼む。」
「はあって、師匠なんでそんなに落ち着いてるんですか!?」
「(目の前で竹からどんどんひとのフォルムに変化していった。この人は変装が得意なんだろう。師匠は何故分かったんだ?そりゃあ、新人類からもバレないわ。)」
「変装の名人と言われた我が神谷に助けを求めた理由はわかるか神谷の弟子。」
「え?」
「(まさか、変装の達人だから!?)」
「道に迷って迎えを頼んだんだよ。 」
「(考えた俺が馬鹿だった。)」
「また会えたのも運命だ剛、俺達と行動しないか?」
「我は上五島に帰りたいだけなんだが、お前のような変わり者が行くような危ない所には行きたくない。」
「(アンタの方が一番変わり者だよ!)」
どうでしたでしょうか?表現が分かりやすかったでしょうか。