第九話
「愛花さん。愛花さんもこれから『SP』の割り振りをしましょうか。『鑑定』を試してみるのは後でにして」
「はい! そうですね!」
愛花さんはそう言うと、葵と奏の所へと向かう。
「さて、残りは千桜さんか。どんな『ステータス』だった?」
「私は普通だったわよ。普段使ってる技能がそのまま反映されてるわ」
そう言って千桜さんは『ステータス』を書いた紙を差し出してきた。
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名前:天野 千桜
年齢:18
種族:人間
職業:無職
Lv.1
HP:100
MP:100
SP:100
STR:10
VIT:8
DEX:14
AGL:9
INT:12
LUK:45
スキル
・弓術 Lv.2
・調理 Lv.2
・予測 Lv.1
ユニークスキル
なし
魔法
なし
称号・加護
なし
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「なるほど、確か千桜さんは弓道部で全国行ってるんだったな。それならこれも納得だ」
「ただ、予測は私も使ったことがないわ。これは後で検証が必要ね」
「そうだな。それじゃあ千桜さんも『SP』の割り振りだな」
「えぇそうね」
千桜さんはそう言うと、葵たちの方へと向かう。
葵たちの方は相談しながら『SP』を割り振っているようでまだ終わらないみたいだ。
「あ、それと……ずっと気になってたんだけど、私の事『千桜さん』って呼ばないで、これから『千桜』って呼び捨てにして……その方がいいわ」
急に千桜さんが立ち止まると、俺にそんなことを言ってきた。
まぁたしかに、結構長い間この関係が続いてるのに「さん」付けは嫌か……そうだな。呼び捨てにしてみるか。
「あぁ、分かったよ千桜」
「うん、あなたに呼び捨てにされるのって新鮮ね」
そう言うと、千桜は満足気に葵たちの方へと向かっていく。
そして、俺は一人になったので魔法の練習でもしようと思う。
「さっきは魔力を集めることは出来たしな」
俺は先程と同じように、目を閉じ、右手の手のひらに魔力を集中させるようにイメージする。
手が徐々に温かくなっていくことから、手に魔力が集中してきているのだろう。
そして、そのまま右手の魔力を発射するようなイメージをする。
その時、温かくなっていた手が、普通の体温くらいに戻ったのが感じられ、少し離れたところから何かがぶつかるような音が聞こえた。
「……ん?」
俺が目を開けて見ると、目の前の地面に手のひらサイズの穴が空いていた。
「おぉ! まさか魔法使えたのか!? やったぞー!」
俺が一人で叫んでいると、後ろから肩を叩かれた。
「なぁ蓮哉ぁ〜? 今のは何かなー?」
振り返ってみると、そこには葵たち全員が揃っていた。
「あぁ、今の? なんだと思う?」
「そりゃ魔法だろ! なに隠れて使ってんだよこのこのー」
「そうよ、そんな面白そうなこと、私にも教えなさいよ」
「そうですそうです! 私にも教えてください!」
「ん、兄さん魔法使えたんだ」
あーめんどくさいなぁ。
見られたかー、まぁ見られるよな。
そりゃすぐ後ろでやってたんだから。
「あぁいいぞ。魔法使うのは簡単だ。魔力を集めるイメージをして撃つ。ただこれだけ」
「ん、こゆこと」
そう言って奏が前に出ると、左手を前に突き出して炎の玉を出してそれを地面に向かって発射した。
「ん、こゆこと……だよ?」
「「「おぉ!」」」
「え、奏どうやったん?」
まさか奏が炎を出すなんて……。
てか、なんで俺よりも最初に火属性とかの魔法使ってんだよ!
「え? 炎出るようにイメージした、から?」
た、確かにイメージしたら使えたけど……え? それじゃあ俺も火とかイメージしたら行けるか?
「こ、こうか……?」
俺は試しに手から火が出るようにイメージする。
すると、手がほんのり温かくなり、手のひらから火の玉がでた。
「おぉ! 俺も出来たぞ!」
「なぁ!? イメージすればいいのか?」
「おう、魔法を使うイメージすればいいぞ」
そうして、葵たちは俺と奏の真似をして片手を前に向けると、目を瞑ってイメージしだした。
「ファイアーボールッ!」
少しの間待っていると、葵が急に叫び、手から炎の玉を出した。
「おぉ! 出たぞぉ!」
「あ、あぁ、出せたな……でもさ、魔法の名前呼ぶの必要?」
「いや、雰囲気だな!」
こいつ……そんな恥ずかしいことを……。
そう思っていると、他のみんなもそれぞれ魔法の威力は違ったが、魔法を使うのには成功したのであった。
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