第七話
「ところで、みんなは『ステータス』を知っているかな?」
今後の方針を決めたあと、直ぐに葵が口を開いて『ステータス』について話した。
「あぁ、知ってるぞ。なんか急に目の前に現れたウインドウの事だろ? そして、お前がはしゃいだ原因」
「なぁ!? なんではしゃいだこと知ってんだよ!?」
俺がそう言うと、葵は顔を真っ赤にして、俺に問いつめてきた。
「奏から聞いた」
「ん、私が教えた」
「うわぁ! そういえば、奏ちゃんあの場にいたんだった!」
「あぁ、あれね。葵が突然『ステータスきたぁ!』て突然騒ぎ始めた。あと、オオカミを見たら『おぉ!これがモンスターか!』って言って突撃しに行って怪我した」
「うわぁ!? 千桜!? やめて! あれは俺の黒歴史だから!」
「まぁ葵のことは放っておくとして、みんなは『ステータス』をしっかり確認した?」
目の前で悶えている葵を無視して話を進めるが、どうやら皆しっかりと『ステータス』を確認していないようだ。
「それなら、今から自分の『ステータス』を確認する時間を取ろう。あと、『ステータス』には『職業』とか『SP』の使い道とか決めないと行けないから、それは相談しながら決めよう」
「分かった」
「分かりました!」
「わかったわ」
「おう……」
誰から『ステータス』を決めていこうか。
ここはやはり男の葵からでいいかな。
「さて、まずは……葵から『ステータス』を決めていこうか」
「……わかった」
「『ステータス』は喋るか念じるかで出せるぞ」
「『ステータス』」
葵が『ステータス』と呟くが、俺らには何も見えない。だが、葵には見えているようだ。
「葵、出てきたか? 今から紙を取ってくるからそれにメモして欲しい」
俺はそう言うと、ショッピングセンターへと入り、入口近くの文房具屋から紙とペンを持って来て、葵や他のみんなにも自分の『ステータス』を書いてもらう。
「とりあえず、『ステータス』書き終わったら集合な」
もちろん、俺の『ステータス』も知ってもらうために、俺も書いた。
────────────────
名前:上村 蓮哉
年齢:17
種族:人間
職業:冒険者 Lv.2
Lv.10 (3up)
HP:800【+100】 (300up)
MP:5750 (1650up)
SP:30
STR:91【+10】 (33up)
VIT:73【+10】 (27up)
DEX:123【+10】 (54up)
AGL:134 (57up)
INT:92 (36up)
LUK:87
スキル
・速読 Lv.2
・調理 Lv.3
・記憶 Lv.1
・斧術 Lv.2 (1up)
・身体強化 Lv.2 (1up)
・気配察知 Lv.1
・危機察知 Lv.1
・麻痺耐性 Lv.1
・ストレス耐性 Lv.1
・直感 Lv.1
ユニークスキル
なし
魔法
なし
称号・加護
なし
次のレベルまで残り70経験値
────────────────
「おぉ、『ステータス』に割り振ったら結構伸びたな。それに、職業のおかげで『ステータス』に補正掛かってる」
器用さと素早さはこれで三桁になったな。
この調子でレベルアップしていくと結構伸びそうだ。
「蓮哉、俺の『ステータス』だけどこんな感じだったぞ」
そう言って、葵が見せてきたのは予想外のステータスだった。
────────────────
名前:蒼井 葵
年齢:17
種族:人間
職業:無職
Lv.7 (6up)
HP:1000 (750up)
MP:400 (300up)
SP:160
STR:52 (39up)
VIT:44 (33up)
DEX:32 (24up)
AGL:40 (30up)
INT:52 (39up)
LUK:52
スキル
・格闘術 Lv.1
・身体強化 Lv.1
ユニークスキル
・聖騎士 Lv.1
魔法
なし
称号・加護
・聖騎士の素質
次のレベルまで残り71経験値
────────────────
「は、はは、お前、無職なくせにユニークスキルに『聖騎士』なんて持ってるし……」
「ユニークスキルだよ? いいでしょー? 蓮哉は持ってないの?」
「うるせ」
そんなことを話していると、どうやらみんな書き終わったようだ。
「これが、葵のステータス?」
「おう、そうだよ奏ちゃん」
「うわー! 凄いですね。ユニークスキルなんて」
「あなたが聖騎士なんてね」
さて、まずは葵の職業とか決めないとな……。はぁ、なんでこいつに聖騎士なんてユニークスキルあるんだよ。これじゃあ職業にも聖騎士なんてあるんじゃないか?
「さて、じゃあこれから葵の職業を決めようか」
「あぁ、うん。と言っても、多分聖騎士でしょ。それで、どうやってやるんだい?」
「そうだな、『ステータス』で職業のところをタッチして欲しい。それで、そこに書いてる職業を紙に書き写してくれ」
葵は俺の話を聞くと、早速紙に職業を書き写した。だが――
────────────────
就職可能職業欄
・学生・教育者・冒険者・剣士
・魔術師・狩人・格闘家・鍛冶師
・盗賊・農民・遊び人
────────────────
――聖騎士なんて職業は、葵の書いた就職可能職業欄にはなかったのだ。
皆さん、読んでくださりありがとうございます!
感想やブックマーク、評価をお待ちしております!
特に感想!
感想全然来ないので皆さんの反応が私は知りたいです!