第四話
「うん、しっかり前よりも強くなってるな……数値だけは」
実際どうなのかは分からないし、実は幻覚見えてただけでステータスとかないのかもしれないし。
「てか、俺ってずっと無職なままなのか?」
職業欄の所には未だに無職の文字が書かれている。
無職はないだろ無職は、せめて学生とかでいいから設定されてろよ。
そう思っていると、あることを思いついた。
「あれ、SPをタッチして項目が出てきたから……職業ももしかしたらタッチしたら出でくるかも?」
そう言いながら職業欄をタッチしてみると、案の定同じように就職可能職業欄が出てきた。
「スキルは取得可能だったのに、職業になれば就職可能職業になるんだな」
そして、出てきたものがこれだ。
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就職可能職業欄
・学生・教育者・冒険者・剣士
・魔術師・狩人・木樵・格闘家・鍛冶師
・盗賊・調理師・農民・ノービス
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「んーどうしようか……悩むな……」
そもそもどう言った職業かわかんないものもあるし……タッチして詳細見れないかな?
そうして、学生をタッチしてみると、詳細が見れた。
「おぉ詳細が出てきた。まぁスキルでも詳細は出てきたけど予想通りのものが多かったけどな」
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学生……学ぶ者。新しいことを学んで行くことによりレベルが上がる。
職業選択の幅が広がる。
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「職業選択の幅が広がるのか……これも考えとくか」
まぁそれは飛ばして次に行こう。次に。
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教育者……人に物を教えるのが上手くなる。
職業【学生】の所持者に教えると経験値増加。
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「んー、これは今の俺には必要ないな」
そうして職業を一つ一つ見ていき厳選していくと、このような職業が残った。
・冒険者
・剣士
・魔術師
・狩人
・盗賊の5つが残った。
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冒険者……あらゆる未知を求め冒険する者。
冒険する時に役立つスキルを取得可能。
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剣士……剣技を扱う身軽な兵士。
様々な剣技を覚えることが可能。
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魔術師……魔法を操ることに長けた職業。
使用する魔法に補正が掛かる。
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狩人……獲物を狩ることに重点を置いた職業。
弓や短剣術といった武器が扱いやすくなる。
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盗賊……ダンジョンでの宝箱の鍵やトラップの解除などを専門とし、モンスターから見つかりにくくしたりする事が出来る。
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「んー、一番は冒険者を選んだら一番いいのかな? それか剣士か。狩人もいいけど武器がないしな……」
よし、冒険者にするか。一番無難そうだし。
そうして、俺は職業を冒険者にした。
『職業を【冒険者】にセットしました』
「よし、セット出来たな」
さて、後は……何も無いな。
ここで時間をロスした分少し走るか。
裏路地を抜けると、俺は再びショッピングセンターの方へと少し走りながら向かうことにした。
「なんだろ……敏捷上がったからかめっちゃ走るの早いな」
走り始めて数分後、俺は自分の走る速さに驚きを感じていた。
多分もう結構走っているが、ペースが落ちない。それどころか、俺は今このペースを前の身体でジョギングと同じくらいのスピードで走ってるつもりなのだが、明らかにそれ以上のスピードが出ている。
「お、ゴブリンがいるな」
今度のゴブリンは剣を持っているようだ。
だが、素人の俺でもその剣がボロボロだということが分かった。
俺はスピードを少し緩めてゴブリンに近づいていくと、ゴブリンはこちらに気づいた。
ゴブリンはその剣を振り下ろし攻撃してくるが、それを横に避けると手斧をゴブリンの首に叩きつけた。
「今回はレベル上がんなかったか。まぁゴブリンでレベルが結構上がること自体稀なんだけどな」
自分で自分を納得させ、俺はまたショッピングセンターへ走る。
剣は欲しいが流石にゴブリンのものはボロボロだったため諦めることにした。
あの後、二回ゴブリンと戦ったが、どちらも簡単に勝てた。
その結果、一つだけレベルが上がったが、ゴブリンは俺のレベルが上がったせいか相手にならなくなってきている。
まぁ安全に勝てるのはいい事だけどな。
そして、もともと想定したスピードを大幅に上回る速さで走った俺は予定よりも早くショッピングセンターの付近に到着していた。
だが、どうやら駐車場の方が騒がしい。一体何があったのだろう?
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それと、私の処女作「地球、遂に大型アプデ実装!」の改訂版も投稿したので是非読んでみてください!