作品紹介②『子連れ竜人のエマニュエル探訪記』(外伝)
【あらすじ】
竜人。それはエマニュエルにおいて、最も危険で残虐だと恐れられている獣人。トカゲの頭を持ち、集団で狩りをして人間を喰らう彼らは、遥か昔から人類の敵として忌み嫌われていた……。
若き竜人のグニドはある日、砂漠での狩りの途中、人間の赤子を拾う。初めて目にするヒトの幼体はあまりに小さく、喰うところがなかったため、巣に連れ帰って大きくなってから喰うことにした。
ところが〝ルル〟と名づけた人間の子は、育つにつれてグニドに親愛の情を示すようになる。自分が家畜であることを知らず、また人間という生き物を知らずに育った少女ルルは、竜人の言葉を話し、自身もまたグニドたちの仲間だと思い込んでいた。そんなルルに情が芽生えたグニドは彼女を連れて、故郷である死の谷をあとにする。ルルを仲間の牙から守り、ふたりで生きていくために。
谷の外のことは何も知らないグニドとルルの二人旅。言葉が通じず、人間からの差別や敵意に晒される中、彼らはやがて獣人たちが集まる『獣人隊商』と出会い、少しずつ外の世界を学んでいく。
果たして竜人は人間と分かり合うことができるのか。少女はヒトとしての生を歩めるのか。変わり者の竜人と、人間を知らずに育った少女の珍道中!
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【メインキャラクター】
※年齢はメインストーリー開始時の年齢です。
◆グニドナトス(17)
本作の主人公。通称「グニド」。人間年齢に換算するとだいたい30歳くらい。オス。若い頃から将来を有望視されていた竜人の戦士。一時は次期長老の座まで約束されていたものの、ルルと出会い、群を捨てる選択をする。カタコトで語彙は少ないが、簡単な人語なら理解することが可能。たとえ種族が違っても、優れた戦士には必ず敬意を表する。
◆ルルアムス(10)
本作のヒロイン。通称「ルル」。名前の意味は竜人の言葉で〝チビ助〟。グニドが命名した。繁殖用の家畜として、赤ん坊の頃からずっと谷の地下牢で育てられる。人間の食糧が乏しく、陽の光も届かない環境で育ったため、名前のとおり痩せっぽちでチビ助。謎の神刻を胸に刻んでおり、時折不思議な言葉を口走ったり、人智を超えた力を使ってみせる。精神年齢は6、7歳くらい。
◆ラッティ(13)
獣人と半獣人からなる『獣人隊商』の創設者兼代表。狐人の父と人間の母を持つ半獣人。人間年齢に換算するとだいたい20歳くらい。メス。姿はほとんど人間に近いが、狐耳と尻尾が特徴的。男勝りな性格で、思考回路は豪快かつ大雑把。狐人族の特殊能力である〝化かしの術〟で、人間からの迫害をのらりくらりと躱している。仲間想いだが大酒飲みなのが玉に瑕。
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【セールスポイント】
・ケモナーさんいらっしゃい。リザードマンの他にも狐、狼、犬、猫、ネズミなど、多種多様な獣人たちが続々登場します。
・異種族間交流や異文化交流、それに伴うカルチャーショックなど、人外主人公ならではの魅力が盛り沢山。言語が不自由なのもポイントです。
・エマニュエルに存在する様々な国家や地域を巡るロードノベル。主人公一行が各地で出会う人々との交流も見どころ。
・主人公の性能がほぼチート。人間の何倍も優れた戦闘能力を誇る種族のため、主人公最強。ただし神術に弱いという弱点もあります。
・ヒロインが幼女。異種族間子育ての面白さや難しさが楽しめるかも?
・造語がたくさん登場。特にグニドたちが喋る竜語に力を入れています。
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【ウィークポイント】
・基本的に月1更新のため、物語の進行はかなり遅め。
・プロットなしの行き当たりばったりで執筆しているため、前後の内容で矛盾や齟齬が発生する場合があります。
・外伝という扱いのため、登場するすべてのキャラクターの掘り下げや伏線回収はできません。
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【リンクキャラクター】
◆エリク
シリーズ本編『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』の裏主人公。本作中では【列侯国編】に登場。4歳の幼子で、ルルの友達になってくれるキャラクター。シリーズ本編ではファザコンとシスコンを拗らせた残念系イケメンへと成長を遂げている。
◆ウォルド
シリーズ本編『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』のメインキャラ。本作中では【列侯国編】に登場。エリクと同じく8歳の幼子で、のちにルルの友人に。なおシリーズ本編ではムキムキの強面傭兵になって再登場。
◆マナ
シリーズ本編『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』隠しキャラ。本作中では【列侯国編】に登場。シリーズ本編の時系列では既に故人。『黄昏』を読んでいてちょいちょい出てくる彼女の名前が気になった方は、生前の彼女の人となりが窺える本作の読了がオススメ。
◆エクター
シリーズ本編『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』に、孫のアーサーが登場。エクターとアーサーの言動を見比べると「さすが先祖!」と言いたくなるようなシンクロを見せる。なお孫のアーサーは『黄昏』の第6章から登場。
◆マドレーン
シリーズ本編『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』隠しキャラ。本作中では【列侯国編】~【連合国編】に登場。『黄昏』ではほぼ名前のみの友情出演。とあるキャラクターの恩師として、『子連れ竜人』登場回とはまた違った一面を見せている。
◆トビアス
外伝『宣教師トビアスの日記』主人公。本作中では【列侯国編】に登場。時系列的に『子連れ竜人』は『宣教師』の物語の直後であり、特に【列侯国編】は『宣教師』の物語の後日談に当たるため、あちらを気に入って下さった方にはオススメ。
◆ロクサーナ
外伝『宣教師トビアスの日記』ヒロイン。本作中では【列侯国編】に登場。この【列侯国編】内で起きる事件の引き金となった人物。彼女が何をしでかしたせいで列侯国があんな状態になったのか、知りたい方は『宣教師』をチェック!
◆ジャック
外伝『宣教師トビアスの日記』メインキャラ。本作中では【列侯国編】に登場。『宣教師』の作中では「俺、この任務が終わったら隠居するんだ」的なことを言っていたものの、案の定隠居願望が受け入れられることはなく、今回もバリッバリに扱き使われている。哀れ。
◆オルランド
シリーズ本編『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』及び外伝『宣教師トビアスの日記』に登場。本作中ではトゥルエノ義勇軍の支援者として、【列侯国編】に名前のみ登場する。相変わらずジャックを容赦なく顎で使っている模様。