作品紹介①『エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』(本編)
【あらすじ】
世界最古の歴史を持つルミジャフタ郷で生まれ育った少女カミラには、6つ年上の兄エリクがいる。
両親のいない二人は恋人同士のように仲睦まじく育ったが、ある日、郷に伝わる古い儀式のために旅立って以来、エリクはぱったりと消息を絶ってしまった。
兄の身を案じたカミラはひとり、郷を飛び出して放浪の旅に出る。ところがエリクを探して訪れた町で、カミラは幼馴染みの剣士イークと再会した。
兄と共に旅に出たはずのイークは現在、帝政が腐敗しつつあるトラモント黄皇国で、革命軍を率いているという……。
一方、トラモント黄皇国の都ソルレカランテでは、英雄の呼び声高い大将軍ガルテリオ・ヴィンツェンツィオの一人息子が成人の日を迎えていた。
名をジェロディ。父のような軍人になることを夢見る少年は、十五歳を迎えると同時に軍へ仕官する。だが少年はまだ知らなかった。愛する祖国は既に斜陽のときを迎え、熟れすぎた果実のごとく腐り落ちようとしていることを……。
神術使いの少女カミラと、大将軍の息子ジェロディが出会うとき、物語は動き出す。動乱の時代に生まれ落ちた二人の運命の行く末や如何に──
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【メインキャラクター紹介】
※()内の年齢は登場時点のもの。物語の進行と共にキャラクターも年を取ります。
◆カミラ(16)
本作の主人公その1。火の神術使い。剣士だったエリクやイークに鍛えられて育ったため、剣術も達者。性格は明るくお転婆で、喜怒哀楽が激しい。しかし負けず嫌いな性格や猪突猛進な言動から、仲間にはムードメイカー兼トラブルメイカーだと思われている。世にも珍しい赤髪は父譲り。なお病的なブラコンで、兄以外の異性は眼中にない。
◆イーク(22)
カミラ編のヒーロー。雷の神術使い。カミラの兄のエリクとは、幼い頃から共に切磋琢磨して育った親友同士。カミラのことも妹同然に思っているが、お互いひねくれているため反発し合うことも多い。性格は短気で神経質。疑り深く気難しいせいで周りに敵を作りがち。ただし一度でも心を許した相手のことは、何と引き替えにしても守ろうとする。頭を使うのが苦手。
◆ジェロディ(14)
本作の主人公その2。幼名は「ティノ」。『常勝の獅子』の異名で知られるガルテリオ・ヴィンツェンツィオの一粒種。母が考古学者だった影響で、古代文明に人一倍強い興味を持っている。真面目だがやや世間知らずで、黄都の外には出たことがない。またお人好しな性格が原因で災難に見舞われることもしばしば。父のような軍人になることを志しているが、小柄で身長が伸びないのが目下の悩み。一人称は「僕」。
◆マリステア(18)
ジェロディ編のヒロイン。ガルテリオの養女にしてジェロディのお世話係。幼い頃とある事件により両親を失い、ガルテリオに引き取られた。以来ヴィンツェンツィオ家のメイドとなり、血のつながりはないものの、弟のジェロディを溺愛している。ただしジェロディにも負けず劣らずの世間知らずでおっちょこちょい。癒やしの力に特化した水の神術使い。敬語キャラ。
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【セールスポイント】
・2019年~黄皇国側の視点から同じ時代を描く【side:B】も連載中。
・戦記要素有。軍師が登場したり、緊張感のある政治的駆け引きが楽しめたり。
・メインストーリーの裏側で世界が動く。無数の伏線と謎解き要素。
・登場キャラクターはロリショタからジジババまでよりどりみどり。獣人や亜人も複数種登場します。
・400~500話で完結予定の大長編。作者が不慮の事故等で死なない限りは何年も楽しめる。
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【ウィークポイント】
・長い。とにかく長い。
・戦記&群像劇要素を含むため、登場キャラクターがとんでもなく多い。
・メインキャラ含め結構人が死ぬ。残酷描写が苦手な方は要注意。
・各キャラクターの掘り下げや伏線の敷設&回収のため、ストーリーの進行速度がやや遅め。
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【リンクキャラクター】
◆エリク
外伝『子連れ竜人のエマニュエル探訪記』にも登場。『子連れ竜人』ではまだ4歳の少年だったが本作では成人済み。なお同じく『子連れ竜人』に登場する父ヒーゼルと母マルティナは、本作時点では既に故人。名前だけは度々登場する。
◆ウォルド
外伝『子連れ竜人のエマニュエル探訪記』にも登場。エリクと同じく『子連れ竜人』の作中では8歳の少年だったが、本作では異国から来た歴戦の傭兵として登場する。なお外見に少年時代の面影はなく、筋肉ムキムキの強面お兄さんになっているため、やんちゃなショタウォルドのイメージを壊したくない方は要注意。
◆マナ
外伝『子連れ竜人のエマニュエル探訪記』にも登場。本作中では既に故人。そのためメインキャラクターではないものの、物語の鍵を握る人物として描かれる。ごく稀に回想シーンで本人登場。なおマナと縁の深いあの人の友情出演も?
◆アーサー
外伝『子連れ竜人のエマニュエル探訪記』に登場する猫人・エクターの孫。ただし白猫ではなく黒猫。『子連れ竜人』におけるエクターと同じく、本作中ではアビエス連合国からの使者として登場する。
◆マドレーン
外伝『子連れ竜人のエマニュエル探訪記』にも登場。本作中ではとあるキャラの回想に一瞬だけ登場する。こちらだととてもまともな人物に見えるが、残念ながらそれは錯覚。
◆トビアス
外伝『宣教師トビアスの日記』主人公。本作中ではサブキャラとして登場。シリーズを通してずっとヘタレ。
◆ロクサーナ
外伝『宣教師トビアスの日記』のヒロイン。トビアス同様、本作中ではサブキャラとして登場。トビアスと二人でお忍びの旅を続けている。
◆オルランド
外伝『宣教師トビアスの日記』にも登場。本作中ではトラモント黄皇国の第19代黄帝に就任し、帝政の腐敗の元凶として人々から憎まれている。若く凜々しかった頃の皇太子殿下が好きだった方は要注意。