表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

魔族襲来

前回より少し時間たっちゃいましたけど今まででは1番早い更新かなw

グラディオマジック第7話お楽しみください。

バウンドを先頭に憂羽、村長の三人は部屋を出た後避難用の地下通路を走っていた。バウンドの話によると村長と憂羽が大広間を出て少しした頃、結界の外に村では見かけたことのない見知らぬ若い男が立っていた。村民たちは怪しい男の姿を見つけると共に警戒をしたが、次の瞬間いきなり攻撃を受けたとのこと。結界のおかげで初撃は何とか防ぐことができたが次また同じ攻撃を受けたら結界は破られ無事ではいられない程結界は破壊されていた。その攻撃の威力から魔族であると皆判断し早急に屋敷から出ることを決めそれぞれ別の地下通路へと逃げて行った。バウンドは村長と憂羽に状況を伝えるために走ってきたのだ。


「アネットの結界のおかげで屋敷が揺れるだけで済んだが、次の攻撃は耐えられない程結界にダメージが入っていて魔族も攻撃態勢に入っていて防げないと判断し皆それぞれ逃げてる。結界術の使えるやつが何人か残って結界の補強をしているが…」


「防ぎきれんだろうな…」


「でしょうな。」


「じゃ、じゃぁ残った人たちは…」


「その者たちは死ぬであろう…だがしかしそのっ者たちが補強せねばおそらく全滅じゃ。残ってくれた者たちのためにもわしらは逃げ延びなければ。」


村長の言葉に憂羽は何も言えず唇を噛んだ。


(仕方のないことなのかもしれないけど…割り切れないよ…)


悔しそうに唇を噛んでいる憂羽にかける言葉が見つからず二人は戸惑ったが今後のどのように行動すべきか確認するために話題を変えた。


「ほかの者との合流はどうなっておる。」


「無事に逃げ切れたら応援を呼ぶように全員に知らせています。それから…」


ドゴォォォォォォォォォォォォォン‼‼‼‼‼


「きゃぁぁぁあ‼‼」


「ぬおぉぉ!」


「おわぁ!」


バウンドが次のことを話そうとした瞬間大きな音と共に衝撃波と土埃が三人を襲った突然のことで三人とも元居た場所から少し弾き飛ばされてしまった。魔族が屋敷を破壊したと思われる。屋敷の避難路をかなりの時間走り距離をとったはずなのだが三人のもとにまで衝撃波が来るということはかなり強力な攻撃を受けたのであろうと推測された。強い衝撃波であったが三人とも軽いかすり傷程度で済んでいた。村長は全員の無事を確認すると覚悟を決めた顔で指示を出した。


「バウンドお主はわしと共に魔族の足止めをするぞ。お互い前線から退いて長いが応援が来るまではもたせられるであろう。わしらが足止めしている間にユウはドントルックとアリアを探してくれあの子達はこの騒ぎを知らないはずだ。このことを知らせてできれば足止めに加わってもらいたい。あの二人の戦力が加われば心強い。」


「アネットの結界を壊すほど強い魔族相手に村長達は大丈夫なんですか?」


魔族は恐ろしく強く危険であり今まで過ごしてきた人たちを奪われたばかりで憂羽は青ざめた顔をして不安になっていた。そんな憂羽にやさしく頭を撫でてバウンドは声をかけた。


「俺たちが死なないようにするためにドントルック達を早く探してきてくれ。それが今できるのはユウだけなんだ。頼んだぞ。」


バウンドの言葉に憂羽の目に力が宿り覚悟を決めた顔になった。その様子を見た二人は少し安堵し近づいてきた出口を見つめ戦士の顔に変わっていった。地下通路から出るとすぐ憂羽はドントルックを探しに、村長とバウンドは屋敷にいるであろう魔族のもとに走っていった。


「二人とも無理をしないでくださいね‼」


「ユウも気を付けるんだぞ‼魔族が配下の魔物を連れているかもしれないからな‼」


「ユウならできる‼頼んだぞ‼」


憂羽は村長達と別れ一人ドントルックを探しに村の中を走る。アリアとフィブリの住んでいた家やドントルックの家、村長に教えられた臨時の避難所にも行ったがどこにも三人の姿は無かった。諦めかけたその時一度探したはずのアリアの家の近くにドントルックらしき人物の影を見つけた。憂羽は確認するため疲れた体に鞭を打ち走った。顔が確認できるかできないかくらいの距離になったとき急に憂羽の足が止まった。やっと見つけ声をかけなければならないのに何故か自分の中の何かが目の前にいる人物は自分の探している人物とは違うと訴えている。しかし今は一刻を争うため思い切って声をかけた。


「ど、ドントルックさん!」


「お?おぉユウじゃないか。どうしたんだ?」


「ひっ‼‼」


ドントルックと思われる人物は呼ばれて振り向くと着ている鎧には誰のものかはわからないが大量の返り血が付いており青白い鎧を真っ赤に染めていた。その姿を見た憂羽は小さく悲鳴を上げて一、二歩ほど後ずさりをしてしまった。


「ど、ドントルックさん?その血はどうしたんですか…?」


「あ?あぁこれか驚かせちまってすまないな村の中に魔物が何匹か入ってたみたいでなそいつの返り血だ。安心しな俺怪我一つしてねぇよ。で、どうしてお前さんがここにいるんだ?村長の屋敷に避難してただろう?」


ドントルックと思われる人物は憂羽に淡々と説明したが憂羽はまだ彼と少し距離をとっていた。まだ何かが彼女の中で引っかかっていたのだ。


「じ、実は魔物のほかに魔族もいたらしくその魔族に屋敷が襲われて何人か亡くなったみたいなんです。村長とバウンドさんが今その魔族と戦ってます。ドントルックさんにも手伝ってほしいと村長が。」


「まじかよ。魔族まで入り込んでやがったのか…。じゃぁほかのみんなは外に応援要請でもしに行ってんだなそれまで持ちこたえさせるかぁ。」


憂羽から事情を聞いたドントルックと思われる人物は屋敷に向かっていこうと足を向けたが憂羽はそんなドントルックに一つ質問をした。


「そう言えばドントルックさん。逃げ遅れてた二人のフェイ(・・・)さんとアンナ(・・・)ちゃんは見つかりましたか?」


「すまねぇまだ見つかってねぇんだ。ユウ代わりに探してくれねぇか?ここいらの魔物は倒してるから安心して探してくれ。」


ドントルックと思われる人物の言葉で疑問が確信へと変った。


「そのお願いは聞けそうにないです。あなたはいったい誰ですか?」


「…」


憂羽の指摘にドントルックと思われる人物の顔からは表情がなくなり黙って憂羽を見つめていた。そして少しの沈黙の後にやりと笑い憂羽を睨みつけた。その目はもはや人間の目ではなかった。


「クックック。うまく化けてたはずなんだけどなぁ。まぁいいや、ここにいる連中は皆殺しにしろと言われているし問題はないけどさ。」


目の前にいる男の姿はドントルックのままなのに声が全く違う声になっていた。そして突如背中から黒く大きな蝙蝠のような羽が生えたと同時に目を覆うほどまぶしい光を放ちその光が収まるとそこには大きな羽をはやした背の高い男が立っていた。


「魔族の中でも擬態能力は得意だったんだけど。そんな僕の擬態を見破るなんてやるじゃないか。そのご褒美に僕の名前を教えてあげるよ。我が名はオリアノス!魔王軍戦力部隊幹部の一人である僕に殺されること誇りに思うといいさ!」


オリアノスと名乗った魔族は背中に生えた羽を大きく広げ声を高らかに名乗った。


(な、なんで魔族がここに?村長さんの屋敷にいたんじゃ!?)


屋敷にいるはずの魔族が何故ここにいるのかと混乱する憂羽。そんな慌てる憂羽を見てオリアノスはニヤニヤと笑いながら憂羽の疑問に答えた。


「なぜ僕がここにいるのかって顔してるね。そもそも僕は屋敷にいなかったんだよね。屋敷を襲撃したのは僕の分身さ。僕は最初から村の中にいたのさ。わかったかな?」


「そんな…じゃぁアリアちゃん達が屋敷に来なかったのは…」


「あーあのババァと小娘の事か。この村の戦い方は調べてたから結界が張られる前に村に侵入してたんだけどあの二人僕が侵入してたのにいち早く気づいてたからさっさと処分しといたよ。妙にしぶとい二人だったね。」


オリアノスは憂羽の質問に淡々と答えていく。作業の説明をするかのようであった。


「あなたは…命を奪っておいてなんの感情も抱かないの!?」


憂羽のその言葉にオリアノスは一瞬眉をピクリと動かしたがすぐに表情は戻り感情のない声で答えた。


「別に。今回のことは命令されたからやってるだけで僕がやりたくてやってるわけじゃない。文句なら僕に命令したやつに言ってくれ。ま、君はここで死ぬから言えないだろうけどね。」


「っ!?」


あまりにも非道な答えに憂羽は言葉を失った。憂羽がなにも喋れずにいるとオリアノスは戦闘態勢に入った。


「さぁお喋りはもう終わりにしようか。そろそろ仕事の続きをしないと面倒なのが帰ってくるし僕が上司に怒られるからね。安心しなよ。君は特別に苦しまないように一瞬で殺してあげる。変に逃げない方がいいよ。そのままじっとしていれば一瞬だからさ。」


オリアノスはそう言い終わるのと同時に力強く地面を蹴って憂羽へと間合いを詰め自身のもつ鋭い爪を憂羽の喉に向け一直線に伸ばした。もう間に合わないと思われた瞬間…


空気の刃(エアースラッシュ)!!』


「ちっ!誰だ!」


何処からか魔法がオリアノスに向け放たれた。オリアノスは攻撃を中断し回避行動をとったため憂羽の危機は回避された。魔法が放った元を見るとそこにはオリアノスに殺されたと思われていたアリアが傷だらけではあったが立っていた。今にも倒れそうなほど満身創痍であった。


「アリアちゃん!」


憂羽はアリアに駆け寄りそのからだを支えた。身体中から出血しており体を支えた憂羽の服まで赤く血に染まっていった。


「ユウさん…怪我…してない?」


「今のアリアちゃんに心配されたくない!むしろ自分の心配をして!」


今にも倒れそうなアリアに心配をされたが憂羽は逆に説教をし、止血をするため傷口を自分の服を破いて圧迫していた。今の自分にはこれが精一杯のできることなのだとつくづく自分の力不足を痛感した瞬間でもあった。そんな二人に体勢を直したオリアノスは襲いかかる。


「ちゃんと確実に殺したはずなのになんでお前生きてんの?意味わかんないんだけど?」


「くっ!『防壁(プロテクション)』!アンタになんか教えてやるもんか!」


間一髪のところでアリアは防御魔法を発動させ攻撃を防いだ。バチバチと音を立て防壁とオリアノスの爪が攻防を繰り広げていた。


「ユウさん…それ魔晶石の腕輪だよね。なんの魔法が込められてるの?」


「え?こ、これには防御魔法が込められてるって村長さんが…」


「じゃぁほんの少しだけこいつの攻撃防いでてもらえる?」


「で、でもこれの魔法はそこまで強くないって言われてて!」


「大丈夫。ほんの一瞬でいいから。お願い。」


「なんの相談してんのかな?僕がこの防壁壊せないと思ったら大間違いだよ!」


憂羽とアリアが話し合いをしているスキをついてオリアノスはより一層力を込め防壁を破壊しにかかった。憂羽はアリアの言葉を信じて村長から貰った魔晶石の腕輪の魔法を発動させる。


防御(ディフェンシオニス)!!』


アリアの防壁が割れると同時に憂羽の防御魔法が発動したがすぐにビビが入る。しかしそのわずかな時間にアリアは攻撃魔法をオリアノスに向け放った。


『貫け轟く光線(スパークリングレイ)


「なにっ!?グハッ!」


攻撃が来るとは思っていなかったのか躱すことが出来ずに攻撃を受けるオリアノス。放たれた光線はオリアノスの胸のど真ん中を貫き彼の体をその衝撃で弾きどばしそのまま力なく倒れ込んだ。


「やっt…」


「今!走って!逃げるよ!」


今までフラフラだったはずのアリアが突如走り出した。オリアノスはまだ倒れたままだ。憂羽はなぜ逃げるのか理解出来ていなかった。


「アリアちゃんなんで逃げるのアイツ倒したんじゃ?」


「魔族は心臓を潰したくらいじゃ死なない。完全に仕留めるには首も切らないといけない。でも今の私たちにはあれが精一杯。回復しきる前に逃げてみんなのところに行くの!」


火事場の馬鹿力の如くとても早く憂羽の手を引いて走るアリア。しかしそれも長くは持たなかった。オリアノスの姿が見えなくなるまで走るとアリアは膝から崩れ落ち立ち上がることが出来なくなった。今までは精神力でなんとか持っていた状態だったがそれも力つきたようだった。


「はぁ…ひゅ…はぁ…ひゅ…ゴホッゴホッ」


「アリアちゃん!!」


必死に支える憂羽だったが憂羽も走り続けていた疲労もあり上手く支えれない。早くせねばとあ説が焦れば焦るほど上手くいかないそうもたついているとふと後ろの方からゾクリとした感覚を感じた。恐る恐る振り向くと…


「やぁ。さっきのはなかなか良かったね。そう来るとは思ってなかったから少し焦ったよ。非力な人間と思って甘く見てたよ。確か昔漂流者がこの事をキュウソネコウヲカミマスって言ってたっけ?あれ?なんか違う気がするけどま、いっか。」


「あ…あ…」


憂羽達のほぼ真後ろに無傷の状態でオリアノスが立っていた。服は胸の部分が大きく破けているがそこから見える人より少し青白い肌には穴など空いていなかったかのように綺麗にふさがっていた。憂羽は驚きと恐怖のあまり声を失い腰を抜かしてしまった。


「さっきまでの勢いはどうしたのさ?あ、もしかして僕がなんともない感じでたってるから驚いてるのかな?そっか君は魔族は初めて?じゃぁ驚くのも無理もないよね。魔族にとってあんなのは致命傷にならないよ。まじてや手負いの君たちじゃ時間稼ぎにもならない。わかっただろ?さぁ今度こそ諦めて素直に僕に殺されなよ。一瞬で終わらせてあげるんだから優しいだろ?」


「ひゅ…ひゅ…させ…な…」


アリアは残りの力を振り絞って抵抗しようとするが体が上手く動かず何も出来ない。憂羽は恐怖のあまり全身が震えており顔は青ざめ目には涙が溜まっていた。


「僕の服をここまでボロボロにしたんだ。君たちは誇っていいよ。あの世で自慢するといいさ。つまらない仕事だと思ってたけど君たちとのじゃれ合いはそれなりに楽しかったよ。それじゃバイバイ。」


そう言い終わるとオリアノスは鋭い爪を振り上げ二人目掛けて振り下ろしたのだった。

途中で間違えて投稿してしまい改変通知着いちゃいましたけど皆さん気にしないでくださいね。

さぁ死んだと思われていたアリアちゃんの登場です。彼女は村の中でもトップレベルの魔法使いですがその彼女が苦戦するほどつよーいオリアノス。果たして憂羽たちは無事なのか!

次回もお楽しみにー♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ