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プロローグ終
「それで、どうすりゃいいんだ?」
「どうすりゃいい、とは?」
「持ち物とかさ。色々必要なんじゃないか?」
「ある程度の服とお金さえあればそれだけで事足りますわ」
「お金って…随分世俗的な妖様がいたこった」
「ふふふ、妖とはあなた方の思い描くものとは乖離しているのやもしれませんね。私も人間世界のことは熟知していますのよ」
この浮世離れした容貌からは想像がお呼びもつかないが、彼女が言うのであれば疑いはないだろう。釜宮は諾々と準備を済ませた。
「準備ができたぞ、紅葉」
「あら、早いのですね。それではとりあえずこの家を出ましょう。ご家族と離れるのは寂しくなくて?」
「別に。そこまで家族仲が良いわけでもない」
「では、参りましょう」
釜宮はこの時、気がついていなかった。自分が暗澹たる闇に足を踏み入れることになることに。
やっとプロローグが終わりました。
これから紅葉と釜宮の冒険譚が始まります。
愛おしい紅葉ちゃんを書いていければと、思っております。