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S,7『弱虫。』

誤字脱字が多いと思いますご了承下さい。


 「ネイヴだ戦闘配置に着けッ」


船員達が慌ただしく甲板を駆け回る。木崎は自分の金庫を開けてグロック17を取り出す。

こんな物ではあの化け物に効く訳ないと判りながらも、拳銃に弾倉を叩き込み、スライドを引いて弾丸を装填する。


グロックをホルスターに収めて一度保育室へ向かう。


保育室のドアを開けて周りを見渡すとエレナが子供達を部屋の真ん中へ集めて、「大丈夫、大丈夫、」と、声を掛け続けていた。


「大丈夫ですか?」 


「キザキさん・・・」


エレナが安心した声を出す。


「皆いますか?」


「それが、メグちゃんがいないんです。」


「え!?」


「さっきまでは居たんですが・・・もしかしたら上甲板にいるかも・・・」


上甲板は隠れるところが無い、だとしたらかなり危険である。


「探してきます。」


急いで上甲板に繋がる階段を昇る。


船が音を立てて大きく揺れる。バランスを崩して転けそうになりながら、何とか上甲板にたどり着いた。


「居ない・・・」


上甲板には居なかった。砲撃声や怒鳴り声が聞こえる。 


あの化け物が何か飛ばして来た。飛んできたそれは木崎の10メートル程前方に落下し、ウネウネとスライムのように形状を変え、真っ黒に塗ったマネキンみたいになった。


マネキンは腕の形状をハンマー状にして襲いかかってくる。


-パンッ、パンッ、パンッ-


木崎はグロックをマネキンに向けて発砲。それは、支えのなくなったフィギュアのように倒れて黒い霧になって消えた。


「クソッ早く見つけないと。」


もし、今のが船内に侵入したら・・・


嫌な想像を振り払い、階段を下に降りる。船室を一つ一つ探していくが見つからない。


「闇雲に探しても駄目か・・・」


-考えろ、もし、自分ならどこに行く?どこに隠れる?彼女の行きそうな場所、安心する場所、どこだ?・・・考えろ-


「床下収納・・・」


木崎は、自分でも知らないうちに呟く。


確か、エレナの話ではメグの両親が揉めているとき、いつも床下収納に隠れていたと言っていた。


-この船で床下収納がある場所・・・格納庫?もし、そうなら、恐らく格納庫係が保護しているだろう。(だといいのだが・・・)


とりあえず、格納庫に行くことにした。やはり、係員が慌ただしく動き回っていた。


「すいません。メグ・・・10歳ぐらいの女の子、見ませんでしたか?床下収納とか・・・」


「いや、見てない。床下収納は今、予備の弾やガスを出す為に全部開けたが見なかったぞ、その子がどうかしたのか?」


「居なくなりまして・・・」


「一応、もう一度確認しておこう。」


「ありがとうございます。」


格納係長に礼を言い、また探しに走る。


もう一つ心当たりがある。機関室である。


確か、プリンを蒸しに行った時に、リナが床下収納に壊れた部品を入れていた。


木崎はこれまでにないくらい全力で走る。


-ガルルルル-


どこからか唸り声がきこえるた、木崎はグロックを構えて辺りをみまわす。


-ドカッ-


備え付けの掃除用具入れが派手な音を立てて吹っ飛び、中から人型のネイヴが出てきて飛びかかってきた。


-パンッ、パンッ、-


発砲したが、近過ぎて狙えない。


「マズい!!」木崎はとっさに蹴りを入れた、ネイヴは壁に叩きつけられる。


-パンッ-


その隙に弾丸を放つ。黒い霧になって消える。

かなりマズいことになった。船内に敵が入り込んだ。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


機関室のドアを勢いよく開ける。


「ラルゴッ!!」


「!?」


ラルゴはボイラーに石炭を入れる動きをピタッと止めて此方を凝視する。リナは居なかった。


「な、何!?」


「メグ、いないか?」


「メグってあの女の子?」


返事を返す暇もなく、床下収納を開けていく。

3つ目の床下収納を開けると、赤毛の女の子が耳を塞いで震えていた。メグだ。


「メグ、ここに居たのか、行こう皆の所へ。」


木崎はメグに手を差し出す。


「キャッ、来ないで!!」


メグは爪で手を引っ掻いた。


「痛てッ」


手から血が出てきた。


「はっッ・・・」


メグは、自分の爪に付いた血を見て泣き出す。


メグの脳内に一瞬だけ電気を流した電球のようにフラッシュバックする。あの日、自分の手に付いた姉の血・・・叫び声・・・悲しみ・・・怒り・・・


「メグ・・・行こう。」


木崎は優しく言うが、メグは更に目を閉じて耳を塞ぎしゃがみ込む。


どうしたらいいのか判らない、そう思ったその時。


「キザキ、お前はエレナと一緒で甘すぎる。」


「えっ・・・」


「アンタはまだガキだ。いくら甘えたって誰も文句は言わない。」


ラルゴがメグに言う。


「だけど甘えと介護は違う。零から百まで誰かがやってくれるのは赤ん坊と動けない老人だけ、アンタは赤ん坊?それとも百歳のババア?」


「ちょっと・・・」


木崎をキレイにスルーしてラルゴは続ける。


「アンタの昔話は妹から聞いてる。普通の子よりは、辛いことを多く経験している。だけどそれがアンタだけとは限らない。もっと辛い思いをした人もいる。」


ラルゴは手に持っていたシャベルを工具箱に放り投げ、話続ける。


「判ったら立て弱虫。それともこの蒸し暑いボイラー室の床下収納で、自分の記憶の中の姉と一生過ごす?弱虫」


メグはゆっくりと立ち上がり、ラルゴの胸ぐらを掴んだ。


「私は・・・弱虫なんかじゃない、弱虫じゃない!!」


ラルゴはスッと笑顔を見せて言った。


「早くそっから出てこっちは忙しいの、弱虫じゃないんでしょ?だったら行けるはず。」


メグは、床下収納から出て木崎の手を自らとってドアに向かう。


「ありがとうございます。」


木崎はラルゴに礼を言う。今回は素直に敬語が出てきた。


「その敬語止めて、くすぐったい。それにエレナが言ってた、キザキさんいつになっても敬語のままって、だから止めて。」


「分かっよ、ラルゴ。」


これはこれで違和感を感じる。


「それと、船内にネイヴが入り込んだ。気をつけろ。」


「マジか・・・分かった、」


木崎とメグが出た後機関室で釘を打つ音がした。恐らくラルゴがドアを補強しているのだろう。


木崎とメグは保育室に向かう。


-ドカッ-バリバリッ-


聞いたことのない音がした。船は相当なダメージを受けているだろう。


船の廊下を走りつづける。


「ヤバいッ」


思わず声に出す。


角を曲がった瞬間、目に入ったのは腕を刀のように尖らせて突っ込んでくる黒い人型の化け物だった。 


化け物は、もうすぐそこまで迫っていた。


-逃げられない-
























































戦闘シーンでしたが、木崎の武器がハンドガンのため、少し地味でした。今後アサルトライフルやバトルライフル、スナイパーライフル等も出そうと思っています。

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