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S,6『プリンで木崎の大作戦』

誤字脱字が多いと思いますご了承下さい。

 

 木崎が少女、メグの心を開くために考えた作戦とは、

名付けて『お菓子で心を開こう、大作戦』である。(そのまんま・・・)


作るお菓子はプリンである。理由は2つ、簡単で失敗しても金銭的負担が少ないからである。


エプロンを着ける、着替えで支給されたセーラー服を汚さない為だ。


普段、学校に通う女子生徒が着るイメージの強いセーラー服だが、元々は船乗りが着る服である。そのため海上自衛隊の何種類かある制服の中に真っ白なセーラー服がある。


-元SPクッキング、スタート-


1、牛乳を50度ぐらいに温める。


2、卵と砂糖を先程の牛乳と一緒によく混ぜる。


3、網などで、プリン液を漉す。


4、プリン液を、カップに入れ、蓋をする。


5、15分程蒸す。


6、2~3時間冷やして、プリン液が固まったら出来上がり。


-元SPクッキング、-終わり。


と、まあ想像だけならどうにでもなる。


とりあえず20個作ることにした。保育室の子供全員と船の設備を使わせて貰うので、そのお礼と味見を含めて。


プリン液をカップに入れるところまでは出来た、蒸す為に食堂のコンロを借りようと思ったが、昼時ということもあり、コンロは使えなかった。


どうしよう・・・


「あっ・・・」


一つ丁度いい場所を見つけたが、行きたくない。


「はぁ・・・行くか・・・」


木崎は、プリン液の入ったカップをキレイな木製の箱に入れ、ボ

イラー室に向かう。


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「すいませーん、誰かいますか?」


ボイラー室のドアの前で待っていると、出て来たのはラルゴ・ブラウンではなかった。

そこにいたのはラルゴと同じ作業服を着た15歳ぐらいの少女がいた。狸のような耳と尻尾が生えている。


「何でしょうか?」


「ラルゴ・ブラウンさんいるかな?」


「はい、呼んできますか?」


何故か「さん」のところが言いずらかった。


「お願いします。」


しばらくすると、敵意丸出しのラルゴが出て来た。


「何?」


「いや、少し機関室をのボイラーを借りたく思いまして・・・」


何故だろう、すごく敬語が言いずらい。


「ヤダ。」


即答・・・


「・・・」


その時、エレナが通りかかった。


「キザキさんこんな所で何してるんですか?」


「あっと・・・保育室の子供達にお菓子を作ろうと思ったんですけど厨房が使えなくて、蒸すだけなので此処使わせて貰おうとしてたんですけど・・・使わせて貰えなくて、」


「お姉ちゃん、何で使わせてあげないの?」


「い、いや、だって説明されてないし・・・はぁ・・・分かった、勝手に使って。」


妹の言葉には弱いようだ。


何はともあれ、使わせて貰えるようになった。


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蒸し始めて5分程経った。機械オイルや灰の臭いに混じってプリンの甘い匂いがする。


「何のお菓子作っているんですか?」


狸のような耳と尻尾を生やした少女が床下収納に壊れた部品を仕舞いながら聞いて来る。


「プリンだよ。」


「ぷりん、ですか?」


「出来たら食べてみる?・・・えっと、君は?」


「私は、リナと言います。よろしくお願いします。」


「僕は、・・・」


「キザキ・コウスケさんですよね。師匠から聞きました。」


どうやら、ラルゴがこの子の師匠らしい。(何の師匠かは知らないが)


「それじゃあ、出来たら渡しに来るよ。」


「はい!」


リナは嬉しそうに返事をした。


一応ラルゴにもプリンいるかと、聞いたが「要らない。大体何でそんな得体の知れないもの食べなきゃいけないの?」と、言われた。


まぁ確かにこっちの世界には無いので、得体の知れない食べ物なのだろうが・・・酷くないか?


プリンが蒸し上がったので、次は冷やすため、厨房の冷蔵庫を借りる。


こちらの世界にも冷蔵庫があるしかも、もし日本に帰れて、1

つ何か持ってっていいと言われたら「これを持って行く。」と言えるほどいいやつ。


なんと!!この冷蔵庫は電気代がかからないのである。


この冷蔵庫は、常凍石とことうせきと呼ばれる常に凍っている石を本棚のようにくり抜いて、それに木製の板を貼り付け、扉を付けた物で、日本の主婦にとっては節約のチートアイテムである。


 2~3時間冷やして取り出す。


「おっ、出来たのか?」


この船でコックをやっているヒューブが話しかけてくる。


「はい、あの、よかったらプリン食べますか?」


「いいのか?」


ヒューブにプリンを2つ渡す、片方は、今日は休みだというソニアの分である。


「あの~ぷりん、出来ましたか?」


声のした方を見ると、リナがいた。


「今出来たところ、食べる?」


「はい!!」


リナは元気よく返事をした、よほど気になっていたようだ。


リナにスプーンとプリンの入ったカップを渡す。


「甘くて美味しいです。」


「そう言って貰って嬉しいよ。」


なかなかの好評。これならいけるかも知れない。


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プリンをお盆に乗せて保育室まで運ぶ、丁度昼ご飯を食べ終わったところである。


「皆さん、食後のデザートですよ」


エレナが子供達に呼びかけ、子供達にプリンを渡していく。

木崎はプリンを一つ取って部屋の隅にいる少女に近ずいて行く。


「はい、食べる?」


木崎は笑顔でメグにスプーンとプリンを渡す。メグは困惑した様子で木崎を見ている。


「ここに置いとくよ?」


あまり長居し過ぎると駄目なのでプリンを置いてすぐに戻る。


しばらく観察してみる。プリンをチラチラ見ている、一応興味はあるようだ。だが結局食べて貰えず、作戦失敗。


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「悔しいです。その作戦なら私も何度もやってきましたが、いつも何の興味も示さないんですよ?」


エレナがプリンを食べながら言う。


「そうなんですか。」


「とこで、このプリンって美味しいですね、お姉ちゃんも食べれば良かったのに。」


実はプリンが出来た後もう一度ラルゴに渡しに行ったのだが、「要らない」の一点張り。ボイラー室から出て行くときに後ろから何か視線を感じたが、要らないと言うから、あげない。


新鮮な空気を吸いに甲板に出る。『お菓子で心を開こう大作戦』は失敗。


「まあ・・・興味は持ってたみたいだし、最初としては上出来か。」


そんなことを思いながら、海を眺めていると遠くから何か黒い物が飛んでくる。


「何か、飛んでくる・・・」


-ヴ~~・・・-


サイレンが鳴りだした。


「ネイヴだ戦闘配置ちにつけッ」


「急げ、急げッ」


船員達が慌ただしく動き回っている。


近くにいた金髪の25~26歳ぐらいの青年に声を掛ける。


「今何が起こっているんですか?」


「見りゃ分かるだろ、ネイヴが来たんだよ!!」


「ネイヴ?」


恐らくさっきの黒い飛行物だと思うが・・・分からない。


「化け物だよ、あの黒いヤツ」


「どうすれば・・・」


「武器持ってないなら隠れてろ!!」


-グォォォォォーー-


その時、黒い化け物が飛行機の着陸するときのような音を出してマミヤの上を通り過ぎる。


風圧で飛ばされそうになる。


-これは、前の海賊モドキ程度では済まないと木崎は確信する。-




















































今回、はプリン作りをしました。次回は、木崎が異世界転移してから初めて拳銃をぶっ放す予定です。


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