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S,3『木崎とマミヤの船員達』

今回は、船とキャラ紹介を含めた話です。

 「バカデカい・・・」


最初に出た言葉がそれである


「どうだデカいだろう、全長85メートルある。」


今トレーン船長とその秘書兼奥様のユエに民間輸送船、「マミヤ」の案内をしてもらっている。


マミヤの全長は85メートル全幅25メートル、現代の軍艦や輸送船に比べれば差ほど大きくないが、この船が木造であることを考えればかなり大きい。


「幾らお前さんが元居た国でもこの大きさの船はそうそう無いだろう、ハッハッハ」


船長には日本のことを話している、食べ物のことやどんな生活をしていたかなど。


「確か485メートルのノック・ネヴィスっていうタンカーがあったと思います。」


「そうか・・・そうだよな、何せ空飛ぶ乗り物があったり、離れていても話が出来たり、羅針盤無しで場所が分かったりする世界だもんな・・・」


何気なく言ったその言葉に船長はパイレーツな帽子を深く被り、少し俯いた。


-ヤバい、やってしまった。-


自分が一番だと思って自慢して、実はその遥か上が有りました。と言われれば誰だってショックを受ける。


「で、でも船長、この船木造ですよね?凄いと思います。木造でこの大きさはあっちの世界には有りませんから。」


確か1860年に進水した全長127メートル、イギリスのウォーリア装甲艦があったが、言わない。絶対に。


「そんなのウソって分かってるよ?」


「いや、そんなことありません。この船は大きいです。・・・」


ヤバい・・・


「とりあえず、船の案内が先です。行きましょう。」


「・・・まぁ、それもそうだな。」


ユエのフォローで何とか助かった。


ナイス、ユエさん・・・


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「まずは、ここが食堂だ。」


そう言われて連れて来られたのは、縦15メートル横10メートル程の空間に長い机が6つと椅子が並べてある部屋だ。奥にはカウンターがあり、その中にはコックのような白い服を着た男性と落ち着いた色合いのスカートを履いた女性がいた。


「よう、ヒューブ、それにソニア、」


男性の方がヒューブ、女性がソニアというらしい。


「船長か、どうしたんです?」


「ああ、新人を案内している。」


「どうも、木崎耕助です。」


ヒューブとソニアに挨拶をする。


「キザキ?変わった名前だな。俺は、ここで料理長をしている、つっても、作ってるのは俺一人だかな。まぁ、何はともあれ、よろしくな、新人。」


「よろしくね、新人さん。」


「よろしくお願いします。」


もう一度挨拶を交わし次へ行こうとすると、料理長が、


「あ、ちょっと待った。新しい料理作ったんだけど、味見するか?」


断るのも失礼かと思い、貰うことにした。

するとソニアが奥から何か入った小皿を3つ持ってきて船長とユエと木崎に渡す。


「これは何という料理だ?」

 

船長が聞く。


「はい、ムーグ肉のソース煮です。」


料理長の説明を聞いていたが全く分からない。

そもそも木崎はこれまで船長達と普通に会話していたが、日本語で喋っていたわけではない。


恐らく、最初にかけられたらネックレスのような物が言葉を翻訳してくれていたのだろう。


例えば先ほど料理長が言った「ソース煮」という単語も実際は「ドゥラ・パワナ」と発音していた。それをこのネックレスが「ドゥラ・パワナ」→「ソースで煮たもの」→「ソース煮」とGoo●le先生なみの翻訳で木崎に理解できるように脳内で書き換えていたのだ、と木崎は推測する。 


だが、異世界の知識が頭に入るわけではないらしく、日本語に翻訳しようのない単語はそのまま聞こえるようだ。


つまり、今食べている『ムーグ』とやらは、「ひょとして○○」と候補にすら上がらない、元いた世界に無い、謎肉ということになる。・・・まぁ、いいや、美味いし、みんな食べてるし。


続いて向かったのは、格納庫である。縦30メートル横23メートル、体育館なみの大きさがある空間に大小それぞれの木箱が置いてある。奥には、垂直移動式のリフトがあり、そこから後方甲板へ荷物を出し入れできるようになっているらしい。


格納庫の管理係や管理係長に挨拶をして次へ行く。


次に向かったのが機関室だ、この船は蒸気船でボイラーの火で水を熱して発生した水蒸気がピストンを上下させる力でスクリューを回し、動いている。


「蒸し暑い。」最初にそう感じた。まぁ、このバカデカい船を動かすほどの水蒸気を作っているのだから、当たり前である。


少し奥に進むとそこには、癖毛で明るめの茶髪、作つなぎのような業着を着たボーイッシュな20くらいの女性がいた。


スタイルはよく顔も整った美人だが作業着は機械油や炭の粉で汚れており、車や飛行機の整備士といった感じだ。


「ああ、船長とユエさん・・・と誰?」


作業着の少女が少し不機嫌そうに聞く。


「コイツはキザキコウスケだ、新しく入ることになった。」


「お願いします。」


ここは、蒸し暑い上に機械の出す重低音でかなり五月蝿い。なので、大きめの声で話す。


「私は忙しいの。出てって。」


「えっ・・・」


ここまで会ってきた船員達は親しげに話掛けてくれた。予想と違う反応に少し戸惑う。


「アンタ、言葉理解できる?出ていけつってんの。」


見た目は良いのだが・・・


その後機関室から出てドアの前で唖然としていると、船長が話し始めた。


「彼女は、ラルゴ・ブラウン、うちの船の整備士だ。・・・あんまり話したことないから、よくわからん。あいつの妹とはよく話すけどな。」


船長ですらあまり話さないそうな…


「そ、そうですか。」


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


初めての仕事を与えると言うので一度船長室に戻り、椅子に座って船長が戻るのを待つ。


しばらくすると、船長がドアを開け入ってきた。


「初めての仕事はこれだ。元近衛のお前さんにピッタリな仕事だ。」


そう言って船長は木崎にA4サイズの紙を2枚渡す。


片方は船内の地図、もう片方は移動する係の名前が入った紙だ。


「SPにピッタリの仕事って、子守かよ!!」


木崎は船内の廊下でA4の紙にツッコむ。


輸送船マミヤの中では、50人~60人の人達が働いている。

勿論それだけ人がいれば、その中で恋愛やもあれば結婚する人もいる。子供を授かる人もいる。


両親が働いている間、その人達の子供を預かる場所がいる。


そして、木崎に与えられた初仕事がベビーシッターである。


地図を見ながら進みドアの前で立ち止まる。位置的には船内室の斜め下ぐらいだろう。


中から子供達の無邪気な声が聞こえる。

ドアを開けて入ると、縦横5メートルくらいの部屋に子供が16人と子守役の藍色のスカートを履いた女性が一人。


「失礼します。」


「あ、もしかして新人さん?」


振り向いたその女性は、髪型はロングだが、さっき機関室で会ってきたラルゴ・ブラウンそっくりだった、バストは見た目こちらの方が大きいよう見える。


「はい、木崎耕助といいます。」


「はい、船長から聞いてます、私はエレナ・ブラウンと言います。」


「ブラウンって確か・・・」


さっき機関室で合った口の悪い人も確かブラウンだった気がする。


「機関室に居たのは、私の姉です。」


「双子ですか?」


「いえ、年は近いですが、双子ではないです。」


エレナ・ブラウンという少女は、ラルゴ・ブラウンの2歳下の妹で、性格はラルゴと正反対だった。


「すごく口が悪かったでしょう?」


「まぁ、はい、・・・」


すごく答えにくい。


「小さいこ頃大変だったので・・・許してあげて下さい。」


「あと、子供達がいる時は気銃を持たないでください。」


「気銃?」


すると、エレナは自分の腰の辺りをポンポンと叩いてそれを示した。色々ありすぎたせいですっかり忘れていたが、腰には、グロック17を付けていた。


「あ、すいません。今、外します。」


確かに、子供達の前で銃を持っているのは、どうかと思う。


ちなみに、後で知ったことだが、この世界の銃はガス放出時の圧力を利用して弾丸を飛ばすので「気砲」または「気銃」と言うらしい。


グロックをホルスターごと外してエレナに渡す。


「預かっておきますね。」


何をしていいのか分からないのでエレナに教わりながら仕事をするが失敗する事が多く、エレナに迷惑を掛けているのは、間違いない。


エレナは、「そのうち慣れますよ。」と言ってくれるが、情けない気持ちでいっぱいになる。

 

「頑張ろ・・・」


そう呟き、再び仕事を始める。




























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