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許すこと許されること

作者: 古い隆昭

自分は神を信じていないかった

自分は他人を絶対に許せないほど恨む人間だ


神のことは信じていなかった。

よくある、目に見えないし声が聞こえないという

神が物体として肉体を持っていないという理由で信じていなかった。

死後の世界だとか天使とかそんな世界観にも共感できないから。


ある映画を見たんだけど

その映画の主人公とヒロインは神の存在を信じていない。

二人は不倫関係で、時代は戦争中で空襲の多い場所に住んでいた。

あるとき家の近くに爆弾が落ちてきた。

身を潜めるために地下室に逃げ込もうとして

ひとまず部屋を出て様子を見に行った主人公

ちょうどその時、住んでいたアパートの近くに爆弾が落ちてきて

その爆弾の爆風で吹っ飛ばされて2階から転落して死んでしまう。

それをヒロインがなんとか生き返らせようと人工呼吸をしたり心臓マッサージをするんだけど

まったく意味が無く生き返らない。

死んでしまったことがどうしても受け容れられなくて

なにがなんでも生き返って欲しくって

信じていない神に祈りをささげるヒロイン。

生き返らせてくれたら、もう二度と不倫はしない、主人公とは二度と会わない

だから生き返してと祈る

その時、死んだはずの主人公が後ろから「何をしているんだ。」と声をかける。

たしかに死んだはずの主人公が神に祈りをささげた

その瞬間に主人公が生き返っていた。

ヒロインの目の前には神はいなかったが神の奇跡はたしかに彼女の身に起きた。


ニコ生を見ていた。

その放送は俺は神だと主張する生主を他の生主たちが

散々神なんかじゃないんだと説教するという放送だった。

説教したいた一人が神の存在には

3種類あると言い出した。

そのうちの2つは思い出せないが、最後に言ったことは

「自分はただの人間だが、自分以外の他人は全て神に見える」ということを言った。


どうしても許せない奴がいて徹底的に憎んでいた。

死んだらどんなにうれしいかと想像するほど憎んでいた。

そんなときにキリスト教の「汝の敵を愛せ」という概念を思い出してググってみた。

悪人だって自分のことを、あるいは自分が気に入っている人にはやさしくするんだと。

今のままの自分ならそんな悪人と大差ない。

だからそんな悪人と一緒になるなというのなら少しは納得するところがある。

だからといって憎んでいる相手を憎まずにはおれない。

さらにキリスト教では許すとはどういったことを指すのかググってみた。

その記事には

人間は不完全でどんなに正しくあろうとしても間違いを犯してしまう。

完全な存在である神は不完全で罪深い人間全てを許すのだと。


そこでボクは許すということは神が行う行為なんだと思った。

許すということは

神に変わってというか神がボクの中に入ってきて許すということをさせるのではないかと思った。

ボクも不完全で色んな人に迷惑をかけてしまっている。

そんなボクの行為を周りの人は完全に納得していなかったとしても許してくれている。

そう思うと

他人の中に神の行いを見た気がした。

ボク以外の人々の中に神がほんの少し存在していると思った。

僕の目には神は見えないし声も聞こえないけど

周りの人たちの中に神の性質がほんの少しあって

許すということを意識したとき、他人がボクの馬鹿な行いに目をつぶってくれたことに

神の存在を身近に感じた。

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