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ダンジョン解放ー3時間前ー

本が開いた


「さて、皆さんの目の前にある本。それはダンジョンコアだ、皆さんはこれからその中から選んでもらう。何をだろうか?分かっている物もいるだろう、ダンジョンの属性、自らの眷属、まあいってしまえばステータス決定画面だ。自由に選びたまえ。」


少女の声にいち早く反応するもの、彼らはあらゆる可能性を見てきた者達だろう。本の中で、画面の中で、そして自らの妄想の中で。


続いて反応するもの、何が起こっているのかはっきりとは理解していない。だがその行為が、自らの命につながる事は何となく漠然と理解している物達。


そして、未だに本を見る事も無く触る事も無く少女を観察するモノ達。未だ少女の言葉は終わっていない。


「そして、魂を集める。具体的な話をしよう、その方法について。」


皆が一斉に顔をあげて少女を見る。


「ああ、別に作業を続けてかまわないよ。君たちはダンジョンを作る、その中で死んだ全ての魂はコアに一度蓄えられる。それらには様々な使い道がある、眷属を作る素材、コアを通じての買い物、私へのお布施、様々な事にね。擬似的な通貨だと思ってくれれば分かりやすいかな。」


ぺらぺら、と紙をめくる音が聞こえる。幾人かの者は早くも本へと目を落としている。


それを見て、どうしようか、、、聞くべきか本を見るべきか。悩む物たち。


しかし、動かないモノ達もいる。まるで少女の話こそ一番自らの命に近いのだと。


「ただし何でも買える通貨だ、地位、名誉、権力、力、容姿、才能、女、願うものはなーんでも。もちろん、君たちの世界へ戻る事さえね。


 さてと、、どうしようか。もう説明する事はほとんど無くなってしまったよ。ああ、そうだこれはゲームのようなシステムだと思ってくれて差し支えは無いよ。


、、、、あとはこの世界について、、かな?


この世界はまあよくある中世ヨーロッパ風だね、

スライム、ゴブリン、ゴーレム、ドラゴン、あらゆる種類のモンスター達

そしてそれを狩る冒険者、狩る為の剣、狩る為の魔法

奴隷、貴族、商人、王族、勇者、魔王、獣人、魔族、エルフ、ドワーフ、、、、


まあ、ファンタジーだね」


声をあげて喜びを表現する者が何人もいる


「おっと、何人かは決まったかな。では次に決めるのはダンジョンの場所だ。次のページが増えているだろう。」


再び、顔を本に落とす者達。そして、声をあげる物が一人、


「な、無い!さっきまで確かにあったノに!えっ嘘!だって!?」


「ああ、言い忘れていたね。私は邪神なんだよね。必要なのは私の為に積極的に働いてくれる者なんだ。だらだらしてる奴や、つまらない奴に力を与えるなんて、、、馬鹿みたいじゃないか?


だからね、強い眷属や属性は早い者勝ちだよ。早くしないと、ふざけたようなダンジョンしか作れないよ?ドラゴンなんかはもう売り切れてるねー、ああ、火山系の属性もだ、、、さあ、皆さん。急ぎたまえ。まあ何もしなくても一年間は生きていられるよ?準備期間は設けてあるからね」


阿鼻絶叫、喜びを悲しみを混乱を。感情がこの劇場を支配する。


「出来た!完成だ!!」


「おおー、早くも一番乗りだね。では、その本を持って舞台に上がってあちらの、扉を開きたまえ。」


ひょろっとした男が、いかにもその手の物が大好きそうな、興奮した足取りで舞台へあがる。


「さて、君は私の為にしっかりと働いてくれるのだろうか?まあ今はいいか、、、さてボーナスをやろう、一番早くダンジョンを決めたんだからね。魂を100ほど、それから、魔力を10000」


「はい!ありがとうございます!!」


「それから、その本が壊されても死ぬ事は無い。が、ダンジョンの奥にぽつんといる一般人に成ってしまう、火山系のダンジョンでそれは辛いだろう。このブックカバーを使いたまえ、魔法の物だ燃える事は無くなるよ。がんばりたまえ。」


丁寧なお礼の後に、扉をくぐる男。


早くも舞台の下には、列が出来始めている。


少女は順番に、ボーナスや忠告を与える。早く決めた者にはボーナスとして、遅いものにも何らかの理由を付けて。


男は思った、ずいぶん人間臭い邪神様だ、昔喫茶店の隣の席で見た事がある見事な手管で金を稼いでいた男がいた。時間的猶予を奪い、思考の停滞と誘導、いかにもなご褒美、まるで詐欺師だ。


「さてと、それで?君はどういうつもりかな、、、最後の一人だというのに未だ本に触る事も無いとは。」



こんな感じでしょうか?


誰か詐欺師を紹介してください

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