あなたの負担にないたくない
少し投稿の間隔が開いてしまいましたが、これからもよろしくお願いします。
<奈緒美>
はぁ~。結局、怜に迷惑かけるはめになっちゃったな。
しかも病院だなんて…。 ほんとに、怜は大げさすぎるのよ。
うちの家、今そんなにお金あるわけじゃないのに。そうじゃなくても怜、いっつも学校がない時は、ぎりぎりまでバイトつめちゃってるし…。
大丈夫かな~。私のせいで、本当に怜が倒れちゃったりしたらどうしよう。
怜には病院嫌いで通してるけど、本当はお金のことが心配なんだよね。怜は「気にするな。」っていつも言ってるけど、やっぱり相当無理してるんだろうし…、これ以上は怜の負担になりたくない。
(ガチャッ)
「奈緒美? 大丈夫か?」
「怜。」
「少しは、落ちついたか? 水持って来たけど、飲むか?」
いつも気の利く怜。しょっちゅう私の心配ばかりして、自分のことは二の次で…。
「うん。 ありがと。 そこ、置いといて。」
「ああ。 で、他に何か欲しい物とかあるか?あるなら、持ってくるぞ?」
「ううん、大丈夫。もう、平気だから。」
「そうか。 じゃあ今日はもう寝ろ。明日、8時ぐらいには家出るぞ?」
「うん。分かった。」
「俺も、風呂入ってくるかな~。」
「怜。」
「ん? どうした?」
私は、怜の負担になってない? 私のせいで、無理してない?
そう、聞きたいけど・・・。
「・・・。ううん、 なんでもない。ごめん。」
「?そ、そうか。なら良いけど。 風呂でたら、すぐ来るからな。」
「うん。」
そうやって、いつも私に優しい笑顔を向けてくれる。
きっと私の悩みなんて、少しも気付いてないんだろうな。 優しいんだか、残酷なんだか…。
「あ、あと、割っちゃったお皿の片付け、頼んでも良い?」
「あっ、そうだったな。分かった、やっとくよ。 ま、俺に任せとけ!<(`^´)>」
「はいはい。じゃ、よろしく。
…ごめんね怜、いろいろ…。」
「はぁ~、ほんとに…。お前は謝りすぎだっつーの。」
「そう、かな。」
でも、謝らずにはいられなかった。
「そうだよ。いつも『気にするな』って言ってるだろ?
じゃ、すぐもどって来るけど、ちゃんと寝てろよ。」
「うん。 …怜、ありがとう。」
「ああ。(^^)」
(ガチャッ、・・・パタン)
<怜>
ふぅ~。なんか、いろいろ焦った~。
にしても、自分で頼んどいてなんだけど、まさかあいつが病院行くのOKしてくれるなんて思わなかったぜ。いつもあんなに嫌がるのに。ま、俺としては良かったんだけど…。
それともあいつ、そんなにきつかったのかな。嫌いな病院も、行きたくなるぐらい…
って、ダメだダメだ。あいつが倒れたりすると、なんでも悪く考えちまう。
奈緒美なら、大丈夫だって。
なんか、自分に言い聞かせてる気ぃするけど…。
(カチャ)
(小声で・・・)「…奈緒美? もう、寝たか?」
眠っている奈緒美の額に手をあてると、少し熱い気がした。
「奈緒美、お前熱が…。」
見ると、やはり寝苦しそうだ。
奈緒美が熱を出すのは珍しいことではないが、やはり心配なものは心配だ。慣れるはずも無い。
今は起こしても、どうなる訳でもないし。今日はこのまま寝かしとこう。
明日になれば、熱も下がってるかもしれないし…。
まだまだ続きます。
次回作も読んで頂けると幸いです。