初めての敗北
「何が駄目だったんだろ...」
「彩音、まだ引きずってんの?」
この人は葛城彩音さん、私の元女上司だった人だ。
「一、二年生はともかく、三年生は受験ですよ」
「選手じゃないけど悔しいんだよね」
「えぇ、私監督に向いてないんですよ」
「たまたまじゃない?」
「そうかな?」
いつまでも引きずっててもしょうがない、全力で遊ぶのは無理かもしれないけど、気分転換しよう。そうだ、海行こう!
「彩音さんって今週の土日空いてます?」
「空いてるけどそれがどうしたの?」
「行ける人だけでいいんで海入りません?」
「葵どうかな?」
「何か予定入ってます?」
「聞いてみるね」
よし、久しぶりの海水浴!そしてビキニ!考えただけでワクワクしてきた!そして...
「桜、気合入り過ぎじゃない?」
「これで、男共脳殺じゃい!」
このレディース(女のヤンキーの呼称)みたいな外見でプロモーション抜群の、この女は月島桜は、普段は地味な癖に今日はいつも以上に闘気に満ちている。
「どこで買ったのそのビキニ面積薄っ」
「それは教えられないなぁ」
「そうですか...」
こんなこともありながらも、私の仕事仲間全員海水浴に来ていた。いっぱい遊んで気が晴れた。気付けば日が落ちかけていた。近く旅館に泊まってゆっくり羽を伸ばそう。
完