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泳ぐより教えろ

「はい、今日の練習はここまで!」

 私は川崎茜かわさきあかね、今外部委託で中学校の水泳部の監督をしている女だ。勿論、委託料は少ないけど貰っている。本業は薬局だ。真夏という事もあり、湿気と部員たちの「ありがとうございました!」の声が空間と水に反響して拡散している。

「熱中症に気を付けて帰ってね、特に男子!」

 大会が近いせいか、いつも以上に気合が入ってる。この期間中は霞神楽かすみかぐらという拳法女に店番をさせている。私も水着(スクール水着、競泳水着ともいう)を来ているせいか男子生徒の視線が自分に熱中している

まぁ、丁度思春期だから仕方ないと思うだけどさ。次は水の底に引きずり込んでやろうか何て邪悪な考えが浮上してみたり(冗談)。

「暑いし、疲れた~」

「だったら、雨降らせればいいのに...」

「いやそれだと皆私に頼りっぱなしなしになる」

「甘やかしはよくないですね」

「それより、浅霧さん何で店番してんの?」

「霞さん、買い物に行きましたなので」

「買い物?」

「切らしている食材が有ったので...」

「そうだっけ?だったら何でエコバック持って行ってないの?」

「持っていたはずですよ」

「じゃあ何を使ってるの?」

「背負子です」

「しょいこ?」

 後で調べてみたら、古い時代のリュックサックらしい。あいつはいつの時代を生きてるんだ!何てことを思っていたら。元気な声で「ただいま、もどりました!」と言う声が響いた。喉の奥に応援団居るのか?

「霞さん...」

「どうしました?」

「買い物してくれるのはありがたいんだけどさ、その恰好...」

「駄目でしたか?」

「うん、もっと良いのがあったでしょう!」

「確かに周りの目線が凄かったです」

「どこにあったのそれ?倉庫の中にたまたまあったので」

「次からはちゃんとリュックサック使いましょうね」

「はい...」

 そうだ、怒っている場合じゃない。新しい練習メニュー考えないと!本当に今の彼等では決勝進出が怪しいからだ。

「ところで川崎さん」

「ん、何?」

「川崎さんが、部員に取付いて優勝させたりはしないんですか?」

「それは反則だよ浅霧さん」

「バレなきゃいいんですよ」

「ルールにないからってそれはちょっと...」

「戦いは勝てば正義なんです!そこに卑怯もありません!」

「...うん、確かにそうではあるけど。自分達の力で勝ってもらわないとそれに...」

「それに?」

「ずっと勝ってばかりの大会は面白くないよ」

「殺し合いじゃないですもんね...」

「殺し合いって、いつの時代の花なしだよ」

「すいません、一言多かったです」

 そうだ、大会全部終わったら何しよっかな?行けるメンバーだけで海で遊ぼ。

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