59話 大お披露目会
大お披露目会
マレオから、前回の運動場よりも大きいスペースが必要と言う事で、
住居スペースから少し離れた所に、一週400m位のレーンをひきます。
貴賓席には椅子と天幕、一般席には、ロープを張ります。
バリアーもすぐに展開できるように準備が出来ている様ですね。
これはルージィが担当です。
食度にお知らせを張って置いたので、今日は皆の訓練はお休みです。
開始時間の15分前位に成ると文名が集まって来ました。
マレオが、大きな声で
〚此れより、新レミ軍団のお披露目パレードを行います。〛
次の瞬間、大きなドラが鳴ります。
何もない空間から、大きなヒュドラが現れ、
10m程観客を威嚇しながら、歩いて、
背中の小さな羽をはたはたと動かし、空に浮かびます。
風船みたいです。ありゃぁ飛べません、浮かぶだけですな。
空中に浮かんだヒュドラが五つの頭の口から、
時々ぼっ、ぼっと火を吹いています。
観客は大歓声、ララが不安げに見ています。
「燃えなきゃいいけど。」
大きなたいこの音が響き、軽快な音楽と共に、
レミが指揮棒を持って出て来ます。
その後に、3等身甲冑騎士の縫い包みが続きます。
「増えましたね、この前の倍くらいかな?
あの数を動かせると言う事は、
マリオネッターのスキルが上がったかな?」
ララの隣に座っていたペーシュが
〚以前、エトワールに進化しましたけど、
あれはムービングも併用したレミーズとハムスターズの
努力のたまものです。行進はまだまだ続きますよ。〛
数が増えた3等身甲冑騎士の交差行進は結構見ごたえがありました。
続いてケンタペガが入場した所でドラが鳴り、
ヒュドラが首を振って、空に向って火を噴き上げます。
同時にレミが5つに分裂。
ペガサスが5体現れます。
影魔法やプロテクトルームを上手く使っていますね。
音楽がワルキューレの騎行に変わり、
ケンタペガに三頭身甲冑騎士が乗り、空に駆け上がります。
ヒュドラと模擬戦をやる様です。
観客は釘付け。熊の子達は口を開けています。
「嫌な予感がしますねぇ。上空に水球でも出して置きましょうか。」
ペガサスに乗ったレミーズが剣|(短剣ですね)を抜き、
ヒュドラに向って突き出します。
攻撃開始の合図です。
ケンタペガたちの短弓連射、ヒュドラの上を通り過ぎる時に、
三頭身甲冑騎士がヒュドラの背中に飛び乗ります。
ヒュドラが火を噴き、ケンタペガを寄せ付けない様にしていますが。
5本の首が互いにぶつかり、上手く行きません。
背中にケンタペガの矢を受け、
ヒュドラがサボテンみたいに成って行きました。
そこで、背中の甲冑騎士が、ヒュドラの羽を切り落とします。
落ちます。あの羽で飛べたとは思えませんが、演出なのでしょう。
どべんちょと地上に落ちて、首同士がけんかしています。
そこへ、レミーズが切りかかり、驚いたヒュドラがジャンプ。
喧嘩している場合じゃないと気が付いて、顔を見合わせます。
休戦協議ですね。ここで、首たちが溜めに入った様です。
レミーズが構わずヒュドラに突っ込もうとしたので、
ハムスターズが危険を察知して、バリアーを張ると、そこへ、
ヒュドラの全力の火炎放射。近距離だったので、
ハムスターズのバリアー(盾)に反射、
ヒュドラがもろに火炎放射を浴びます。
火だるまに成って、びっくりしたのか、あたりかまわず火炎放射、
炎を振りまきます。縫い包みたちにも火が付きます。
(『うぎゃーー。』)大騒ぎの阿鼻叫喚。
ララが慌てて、水球落下。
ルージィがバリアーを発動、観客を守ります。
マレオが大きな声で、
〚申訳有りません、想定外の事が起こりましたので、
今回はこれで終了します〛
けれども、観客は、大喜びの大騒ぎ。拍手、口笛、足どんどん
『レミーーー!!!。すげーぞぉー。やっぱりお前は大物だぁ!!』
それを聞いたレミーズは頭に濡れレネズミを乗せて。
綺麗に揃って、スカートを摘んで、カーテシーでお辞儀をします。
ララはこれは収集が付かなく成って来たと判断、
レミーズを自分のプロテクトルーム、ララの部屋玉に放り込んで、
「今日はこれで終りー。」
次話:反省会