53話 ミニレミの抗議
ミニレミの抗議
これで皆にミニレミが行渡ったとモクが安心したのも束の間、
ミニレミから抗議が来ます。
モクが何事かと、振り向くと、イアの所に居たミニレミが、
自分たちに親を選ぶ選択権が無いのがおかしいと、声を上げると、
他のミニレミ達からも、同様の抗議が上がり、騒がしく成ります。
(『分かったから、騒がないで』)モクが堪らず、宥めます。
(『レミーズはどのミニレミが来ても問題無いわね。』)
レミーズ全員が頷きます。ならば、ミニレミに選ばせた方が良いと判断。
(『じゃあ、今いるミニレミは全員前に出て』)
全員が出て来ました。44匹(人?)居ます。
(『此れから、ミニレミ達は、自分の親に成って欲しい者の所に移動して、
但し、偏った場合は、相談して決める事、
話が付かない場合は私が決めます。よいですね。』)
(『はい、移動して。』)
わらわらと動いて、ほとんどの者達がペーシュの所に集まります。
そこから、少しづつ、他の者に移動が始まり、
次に埋まったのがシル、そしてエィ、ウィ、モク。
イアの所には一人しか居ません。
イアがショックを受けています。ガーンのポーズです。
ペーシュの所に集まった者達で追い出し合戦が始まりました。
見かねて、モクが仲裁に入ります。
(『決まらない様ですね。それではペーシュ様に決めてもらいましょう。』)
モクは強制移動にはレミーズやハムスターズは加わらない方が、
第三者のペーシュに決めてもらうのが禍根を残さず、良いと考えましたね。
ペーシュが少し考える様なそぶりをすると、
〚お前達はとても自分勝手で、
強者の指示が無いと纏まらない事が解りましたね。〛
レミーズとミニレミ達が向い合って並ぶように指示を出します。
〚これから、個々のミニレミの親を指定します。〛
そう言うと、ミニレミ達かに動揺が走ります。
ペーシュが、腰に手を当て、
〚何か文句が有るの?〛
そう言うとミニレミ達は首を振って黙ります。
ペーシュが星の付いた魔法の杖を取り出し、ミニレミ達の頭を触り、
レミーズ達個々の名前を言いその前の並ぶように指示します。
親が決まっていたと思って居た者達は驚きますが、
ペーシュにはとても言い返せる雰囲気では有りません。
全員の指示が終わって見ると、
不満が出ない様に綺麗に仕分けされていました。
ペーシュがにっこりと微笑むと、モクがびっくりした様に、
(『ペ、ぺーシュ様、有難うございます。』)
ミニレミ達も、レミーズも、ハムスターズも
”ゴクリ”と生唾を飲んだようです。
流石、アポストロ様が本気で怒ると恐いです。
次話:縫い包みの追加作製