44話 レミのおねだり
レミのおねだり
「嫌な予感。あんたがそう言う目をする時は
ろくな事考えていないんだから。」
レミが首を振って、そんなことない、とでも言いたそうです。
「え?私とエーテル様の魔力の入った小さな魔石が沢山ほしい?」
思わずララがエーテルの顔を見ます。
〚私、なにも言っていないわよ。〛
〚なる程、そう言う事ね。この子は私とララの加護持ちだから、
両方の魔力の入った魔石を核にすれば、良いんじゃないかって?〛
レミが首を縦にぶんぶん振って居ます。
〚ララ、どうする?〛
「う~ん。前例が有るのかどうかわからないけど、それを核にすれば、
より安定した物が出来ると言うのは分る気がする。」
「特に問題無ければ、やってもいいんじゃないかな。」
〚じゃあ、ララが魔力を入れた魔石を用意してちょうだい、
私が後から魔力を入れるわ。〛
「分かった、レミ、幾つ居るの?」
「え~。1000個ぉ。お前、欲張りすぎ。
ん?私の軍隊を作るにはそれぐらいが必要・・・。」
ララが呆れた様に。
「気持ちは嬉しいけど、統率が取れない軍隊程厄介な者はないよ、
取りあえず50個。」
レミがララに縋り付きます。
「始まったんね、お前はもう、100個でいいからお願いッてかい。」
〚ララ、それぐらいでやって上げて。何か一途で可哀そうに成るわ〛
エーテルが見かねて、口をはさみます。
「エーテル様、この子は、
悪意無くこう言う事が出来るので厄介なんです」
〚でも悪意も下心も無いと言う事は、本心、本気なのよね。〛
ララがため息をつくように、
「私が心配なのは、これを与えたがために、
とんでもない事が起こりそうで怖いのです。」
エーテルも少し意地に成って来たようです。
〚起こりそうと言うのは確定ではないし、予想なんだから、
起こる前に阻止できればいいんじゃない。〛
ララがこりゃ駄目だ、と思ったのか、
「それじゃあ、エーテル様もレミの監視に協力してください。」
〚良いわ、魔石に私の魔力も入るのだから、
何か有ればすぐわかるわ。〛
ララがぼそりと、
「こいつの場合、気が付いた時には手遅れ、
なんて事も有るんですよね」
ララがレミに向って、
「良いわ、100個用意するね。3~4日かかるよ。」
「それからエーテル様に魔力を入れてもらうんだから、
一週間は見て頂戴」
レミがララに抱き着いた後、
エーテル様に抱き着こうとすると、
エーテル様がポンと消えてしまいます。
レミはそのまま地面に顔面から滑り込みます。
「レミ、あんたねぇ、エーテル様は神様何だから、
そうやすやすと抱き着ける訳無いでしょう。」
「感謝の気持ちを伝えたかった?」
「大丈夫、エーテル様は良く分かって居るよ。」
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