42話 ミニレミ
ミニレミ
程無くして、枝がほのかに光り出したと思うと、
レミが慌てて、枝を放り出します。
何かに驚いた様です。
床にお落ちた枝がモゾりと動きます。
徐々に、光る足が生え、手が出て、頭が出来ます。
四つん這いに成ってから立ち上がると、
てってってとレミの方に歩いて行き、お辞儀をします。
レミが、にじり去ります。それを見ていたエーテルが、
〚なにこれ、何これ、あんたそっくりじゃない。
そんなに嫌そうに、邪険にしないのよ。〛
〚でも、この子自我が有るの?〛
エーテルが顔を近づけると、驚いた様にレミの後ろに隠れます。
〚ふぅ~ん、こんな子が作れるなんて、
貴方、マリオネッターのレベル上がっているんじゃない、
ちょっと見せて。〛
そう言って、レミを鑑定眼で見ると、
〚ああ、エトワール(童話機功師)に成って居るわ、
でも自我の有る核を作れるのはその上、エターナルのはずだけど?〛
〚もしかして、〛
そう言うともう一度鑑定眼でレミを見ます。
〚貴方、精霊に成って居るわよ。こんなに短期間で蛍玉から精霊まで
進化する事なんか、出来るのかしら。まぁ、進化については
今度シルフかウインディーネに聞いてみるとして、
以前ウインディーネが精霊に成ると、環境が整った場所では、
蛍玉の発生を促す事が出来ると言っていたわね。
そうね、此処はその環境が整っているから・・・・。
要するに、この小さなレミは、純然たるマリオネッターが作る核では無く、
精霊であるレミが作った為、蛍玉が混じって居るのね。
何かすごい事に成りそうね。〛
〚要するに、この子を核とした人形は、レミの指示通りに動くけど、
自我が有る為、自分で判断して行動が出来るのね。〛
〚で、レミ、この核はいくつ出来て幾つ支配できるの?、
それによっては 貴方、本当に軍隊が出来ちゃうわこれ。〛
レミが頷くと、枝を持って、魔力を込め、ミニレミを作って行きます。
20体程作った所で、
〚レミSTOP、作るの止めて。この子達を動かしてみて。〛
レミだ手を振ると、みんなで手を繋ぎ、ラインダンスをします。
思わずエーテルが手をたたいています。
〚あはははは、いやぁー面白かった。こんなに笑ったの
何百年ぶりだろ。〛
〚でも、核が作れるのはレミだけよね。
他の子達は作れないと思うけど、その核を使った人形、
貴方の分身達には動かせるの?〛
レミが大丈夫、とでもいう様に胸をたたきます。
〚何やっているの、咽ないで、お約束とは言え、しょうがない子ね。〛
〚え?もう行くの?そう、みんな待っているのね。頑張ってね。〛
〚おや、一週間後、ララに人形を使ったお披露目をするから、
私も見に来て欲しいの?、嬉しいわ、きっと行くわね。〛
レミがミニレミをマジックバックに入れようとしますが、
弾かれます。驚いて、もう一度入れようとしますが、
やはり弾かれます。首を傾げて、エーテルを見ます。
〚そうね、その子達は、貴方の魔力で蛍玉が混じっているみたいだから、
マジックバックには入らないかもしれないわね。〛
次話:レミの部屋